障害者

Internet Archive(IA)、大手出版社4社の著作権侵害訴訟に対する答弁書を提出:“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の適法性を主張

Internet Archive(IA)は2020年7月29日付で公開したブログ記事において、商業出版社4社がIAの“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の停止を求めて提起した著作権侵害訴訟への答弁書(Response)を、前日28日に提出したことを発表しました。

図書館の所蔵する冊子体資料をデジタル化して、ファイルの再配布に制限を付けて行われるCDLを通した電子書籍貸出は、9年以上実施され広く米国の図書館界に普及していることなどを挙げ、米国著作権法は図書館が所蔵する資料をデジタル化し、管理された方法で利用者に貸出する権利を阻んでいないとして、IAはCDLによる電子書籍貸出の適法性を主張しています。

ブログ記事では、作家の利益促進のために活動する米国の非営利団体“Authors Alliance”がCDLによる電子書籍貸出をフェア・ユースとして支持する見解を表明したことや、多くの教育機関が公衆衛生上の懸念から資料へのアクセスを厳しく制限する中で行われるこの訴訟は、学習者への情報アクセスを維持するために取り組む図書館等の試みを阻害するものであることにも言及しています。

障害のある学生12人へのインタビューに基づく米国の大学図書館ウェブサイトのアクセシビリティに関する課題と推奨事項(文献紹介)

2020年7月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.5に、米・イリノイ大学シカゴ校のヘルスサイエンス図書館でリエゾン・ライブラリアンを務めるブランスキル(Amelia Brunskill)氏による論文““Without That Detail, I’m Not Coming”: The Perspectives of Students with Disabilities on Accessibility Information Provided on Academic Library Websites”が掲載されています。

同氏は、米国の多くの大学図書館のウェブサイトには、障害のある利用者向けに情報提供するページがありますが、これらのページに対する利用者のニーズや使い勝手、期待等を調査した研究がほとんど存在しないことを背景に、同校に在籍する障害をもつ学生12人に対してインタビュー調査を実施しました。インタビューでは学生に対して、大学図書館の障害者向けウェブサイトにおける、導線や使用される文言、ウェブサイトのデザイン全体、ページの構成、提供されるコンテンツ等の印象についての質問が行われています。

文部科学省及び厚生労働省、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」を公表

2020年7月14日、文部科学省及び厚生労働省は、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」を公表しました。

同計画は、2019年6月に施行された視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)の第7条に基づき、関連施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、文部科学大臣及び厚生労働大臣が初めて策定したものです。

本計画の公表にあわせ、文部科学省及び厚生労働省が2020年4月14日から5月13日まで実施していた同計画(案)に関するパブリックコメントの結果も公表されています。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」の決定について(文部科学省, 2020/7/14)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00265.html
※同計画、パブリックコメントの結果がPDF及びテキスト形式で公開されています。

欧州委員会(EC)、2016年に成立した公共機関ウェブサイト等のアクセシビリティ向上に関する指令の実施状況を調査した最終報告書を公開

2020年6月30日、欧州委員会(EC)は、欧州連合(EU)域内における公共機関のウェブサイト・モバイルアプリケーションのアクセシビリティ向上に関する指令について、その実施状況を調査した最終報告書を公開したことを発表しました。

同指令は、公共機関のウェブサイト・モバイルアプリケーションを障害者にとってよりアクセシブルなものとすることによる関連サービスの発展等を目的に定められたもので、2016年12月に発効しました。調査は外部コンサルタントにより、同指令に基づいた欧州委員会のアクセシビリティ向上のための取り組みを支援するものとして行われています。

公開された報告書では、指令で定められたアクセシビリティに関する要件に対する公的機関の遵守状況をモニタリングするための統一された手法、モニタリングの結果を欧州委員会へ報告するためのルール、指令実施による効果を測定するための基準となる指標などについての提言が行われています。また、公共機関のウェブサイト・モバイルアプリケーションのアクセシビリティ、指令が公共機関のオンラインコンテンツの利用可能性へ与える影響、ウェブアクセシビリティ関連市場に与える同指令の影響力等の指標を含んだ、効果や遵守状況測定のためのフレームワークが提案されています。

CA1974 - 読書バリアフリー法の制定背景と内容、そして課題 / 野口武悟

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カレントアウェアネス
No.344 2020年6月20日

 

CA1974

 

読書バリアフリー法の制定背景と内容、そして課題

専修大学文学部:野口武悟(のぐちたけのり)

 

日本図書館協会(JLA)、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(案)」のパブリックコメントに意見を提出

2020年5月13日、日本図書館協会(JLA)は、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(案)」のパブリックコメントに意見を提出したと発表しています(5月12日付)。

読書バリアフリー法に基づく基本的な計画の策定を評価するとともに、学校図書館の整備が遅れている特別支援学校の支援体制への配慮、肢体不自由や寝たきり状態などの理由で図書館への来館が困難な視覚障害者等のために無料で配送ができる制度の工夫などを提案しています。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(案)」への意見提出について(JLA, 2020/5/13)
http://www.jla.or.jp/home/news_list/tabid/83/Default.aspx?itemid=5305

文部科学省、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(案)」に関するパブリックコメントを実施中

文部科学省が、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(案)」へのパブリックコメントを、2020年4月14日から5月13日まで実施しています。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(案)」は、2019年6月に成立した「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」に基づき、関係省庁等と関係者が構成する「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会」によってとりまとめられたものです。

視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(案)」に関するパブリック・コメント(意見公募手続)の実施について(文部科学省,2020/4/14)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00190.html

アイルランドの農村・コミュニティ開発省、公共図書館による感覚障害者等に配慮した施設・機器の設置や提供に対して総額80万ユーロの支援を実施

2019年12月16日、アイルランドの農村・コミュニティ開発省(Department of Rural and Community Development)のMichael Ring大臣は、感覚障害・特別な教育的ニーズ・その他の学習障害・自閉症スペクトラム症等を抱える人々に配慮した公共図書館による施設・機器の設置や提供に対して、地方自治体からの資金も含めて総額80万ユーロの支援を実施することを発表しました。

公共図書館への支援対象となる例として、センサリールームの設置・感覚障害を持つ児童向けの遊具や玩具の提供・感覚障害者等への支援技術の導入・自閉症に配慮したサインの設置等が挙げられています。この支援に基づくサービスは、2020年半ばに図書館で利用可能になる予定である、としています。

【イベント】公開シンポジウム「日本におけるユニバーサル・ミュージアムの現状と課題――2020オリパラを迎える前に」(11/3-4・吹田)

2019年11月3日と11月4日に、大阪府吹田市の国立民族学博物館において、公開シンポジウム「日本におけるユニバーサル・ミュージアムの現状と課題――2020オリパラを迎える前に」が開催されます。

同館における、過去10年余の、視覚優位・視覚偏重の博物館・美術館の常識を改変するユニバーサル・ミュージアム研究の総括、及び、2020年の秋に予定されている同館の特別展「ユニバーサル・ミュージアム-『未開の知』への旅」(仮題)のプレイベントと位置付けられています。

参加には事前の申し込みが必要です。

主な内容は以下の通りです。

11月3日
・開会挨拶 吉田憲司氏(国立民族学博物館)

・趣旨説明 広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館)

・講演「『未開の知』に触れる―ユニバーサル・ミュージアム研究の回顧と展望」 小山修三氏(国立民族学博物館)

・セッション Ⅰ:「彫刻を超克する―制作と鑑賞の新たな地平」
コーディネーター:篠原聰氏(東海大学)
パネリスト:冨長敦也氏(彫刻家)・北川太郎氏(彫刻家)・片山博詞氏(彫刻家)・高見直宏氏(彫刻家)

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