デジタル人文学

米国の大学図書館のデジタル人文学に関する求人広告の内容分析(文献紹介)

2020年11月14日付で、Elsevier社が刊行する査読誌“The Journal of Academic Librarianship”の第47巻第1号(2021年1月)に掲載予定の論文として、“A content analysis of job advertisements for digital humanities-related positions in academic libraries”が公開されています。

同論文は、デジタル人文学分野の専門家に求められる能力の特定のため、同分野に関する求人広告上に記載された資格等の内容を評価する目的で取り組まれました。調査のために、米国図書館協会(ALA)等が運営する図書館・図書館情報学関係の求人・求職サイト“ALA JobLIST”を利用しています。調査では、“ALA JobLIST”に掲載された2006年から2018年までの72件の求人広告について、役職名・機関の種類と所在地・要求される学歴・経験・知識と技能・職務内容等をテキスト分析によって検討しています。

【イベント】2020年「NDLデジタルライブラリーカフェ」(第1回12/10、第2回1/15・オンライン)

2020年12月10日と2021年1月15日に、国立国会図書館(NDL)が、2020年「NDLデジタルライブラリーカフェ」をオンラインで開催します。

デジタルライブラリーに関わる研究や最新動向をより身近に、より楽しくする講演会であり、科学者と市民が気軽に科学の話題について語り合う「サイエンスカフェ」の手法を取り入れ、ゲストが紹介する最新の話題について、参加者を交えて語り合います。

参加費は無料で、定員は各回30人(要事前申込)です。

<第1回「ウェブアーカイブの活用と課題:WARPと国内外の事例から」>
・日時:2020年12月10日 14時00分から15時40分
・講師(登壇予定順):
高峯康世(国立国会図書館関西館電子図書館課ネットワーク情報第一係長)
志村努(同課情報システム係主査)
上島邦彦氏(株式会社日本データ取引所事業企画部/一般社団法人データ流通推進協議会技術基準検討委員会副主査・書記/研究データ利活用協議会データライセンス小委員会委員)
浅原正幸氏(国立国語研究所コーパス開発センター教授)

オランダでCultural AI Labが創設:文化遺産機関・研究機関が連携し文化研究における人工知能(AI)の可能性等を探る

2020年11月16日、オランダでCultural AI Labの創設が発表されています。

文化遺産機関がデータを研究機関が技術を提供することで、文化遺産分野に適用可能な人工知能(AI)に関するツールを開発し、AI技術が文化的文脈を理解できるようにすることを目的としたもので、国立数学コンピュータ科学研究所(CWI)・オランダ王立芸術科学アカデミー(KNAW)人文学部門・オランダ国立図書館(KB)・オランダ視聴覚研究所(Sound and Vision)・アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)・オランダ応用科学研究機構(TNO)・アムステルダム大学・アムステルダム自由大学が参加しています。

参加する研究機関の博士課程の学生やポスドクが、文化遺産機関で4年間研究に従事するとしているほか、以下の5つの研究プロジェクトが今後数か月の間に開始されるとしています。

・AI: CULT Culturally Aware (AIを用いた博物館コレクションのオブジェクト記述の自動分析・充実)

・SABIO - the SociAl Bias Observatory(植民地時代の用語の検出を目的とした博物館コレクションのコレクション記述の自動分析)

【イベント】京都大学文学研究科・文学部シンポジウム「デジタル人文学の世界へ」(12/5・オンライン)

2020年12月5日、京都大学大学院文学研究科が主催するシンポジウム「デジタル人文学の世界へ」がオンラインで開催されます。

研究者の基本的リテラシーとして捉えうる時期に差し掛かった「デジタル人文学」の課題と、あるべき教育のありようを考えるシンポジウムとあります。

定員は480人(先着順)であり、視聴には事前登録が必要です。報告者及びコーディネーターは次のとおりです。

〇報告者
大向一輝 東京大学大学院人文社会系研究科准教授(人文情報学、ウェブ情報学)
永崎研宣 一般財団法人人文情報学研究所主席研究員(人文情報学、仏教学)
橋本雄太 国立歴史民俗博物館テニュアトラック助教(人文情報学、科学史)

〇コーディネーター
喜多千草 京都大学文学研究科教授

【イベント】Japanese Association for Digital Humanities 2020(11/20-22・オンライン)

2020年11月20日から22日にかけて、日本デジタル・ヒューマニティーズ学会(JADH)の第10回年次シンポジウム(JADH2020)が、オンラインで開催されます。

当日の主な内容は、以下が予定されています。

【11月20日】
・人文系大学院における情報リテラシーの在り方
※日本語でのワークショップです。

【11月21日】
●Long Paper Session I
・Reviewing Digital Literature through Digital Literature(David Thomas Henry Wright)
・“He triumphs; maybe, we shall stand alone”(Iku Fujita)
・Linked-Potter: an example of ontology for the study of the evolution of literature and reading communities(Federico Pianzola)

●Panel

●Poster Presentation Session

●Plenary Session I

オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホの作品に関するデータをLinked Dataにより集約して構築したデジタルプラットフォーム“Van Gogh Worldwide”が公開

2020年11月5日、オランダ国立美術史研究所(Netherlands Institute for Art History:RKD)は、19世紀の画家フィンセント・ファン・ゴッホの作品に関するデータをLinked Dataにより集約して構築したデジタルプラットフォームとして、“Van Gogh Worldwide”が新たに公開されたことを発表しました。

“Van Gogh Worldwide”は、電子的に利用可能なゴッホの作品に関する学術データの主要保有機関である、RKD及びオランダ・アムステルダムのゴッホ美術館(Van Gogh Museum)、オランダ・オッテルローのクレラー・ミュラー美術館(Kröller Müller Museum)の3機関による共同イニシアチブです。3機関は設立パートナーとなり、オランダ文化遺産庁(Cultural Heritage Agency of the Netherlands)をはじめ、多数の美術館・個人・研究機関等の協力を得てプラットフォームを構築しました。

欧州人文学デジタル研究基盤(DARIAH)、欧州の文化遺産のデジタル化の課題等に関するポジションペーパーを公開

2020年10月29日、欧州人文学デジタル研究基盤(DARIAH)は、欧州の文化遺産のデジタル化の課題等に関するポジションペーパーを公開したことを発表しました。

欧州各国は、文化遺産の効果的・効率的なデジタル化について深刻な課題に直面しています。文化遺産の80%以上のデジタル化が未完了であり、2025年までに完全なデジタル化を達成するという目標に向けて、戦略の再考が緊急に求められる一方で、古い技術でデジタル化された第一世代の文化遺産は、現在の高度なデジタル人文学の分析に堪える品質ではなくなった状況にあります。

DARIAHはこうした状況を踏まえて同ポジションペーパーを作成しました。このポジションペーパーは、欧州連合(EU)における文化遺産のデジタル化・デジタル保存等に関する2011年勧告への欧州委員会(EC)の評価プロセスの一環として、ECに提出されています。

ポジションペーパーでは、特定のデジタル人文学の手法に対するデジタル化済の既存の文化遺産コレクションの利便性への評価を進めること、Europeanaの研究に対する関わりを強化することなど、DARIAHのコミュニティによる見解が示されています。

【イベント】協働型アジア研究オンラインセミナー「IIIFに準拠した画像公開の方法とTEIとの連携」(12/1・オンライン)

2020年12月1日、東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)の協働型アジア研究「オリエント世界を対象とした研究資源のデジタル化とその利活用に関する研究」と東京大学アジア研究図書館が共催により、オンラインセミナー「IIIFに準拠した画像公開の方法とTEIとの連携」をウェブ会議サービスZoomを用いて開催します。

同セミナーでは、写本・刊本の公開にあたってのIIIFの実装方法やIIIFを使うとできるようになることについての疑問に応えるため、IIIFの実装支援や利活用の事例紹介が行われます。

参加には事前申込が必要で、定員は300人(先着順)です。参加費は無料です。主なプログラムは次のとおりです。

1. 開催趣旨
 永井正勝氏(東京大学附属図書館U-PARL)

2. CantaloupeとDrupalを用いたIIIF対応デジタルアーカイブ管理システムの構築
 和氣愛仁氏(筑波大学人文社会系)

3. IIIFとTEIの連携を目指して:XPointerは甦るか?
 高橋洋成氏(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)

米・テキサス大学オースティン校、アンドリュー W.メロン財団の助成金を活用して視聴覚資料のデジタル保存・アクセス向上を目的としたプロジェクトを実施

2020年10月7日、米・テキサス大学(UT)は、同大学オースティン校英語学部(Department of English)のクレメント(Tanya Clement)准教授の代表する研究チームが、アンドリュー W.メロン財団による45万ドルの助成金を活用して、視聴覚資料のデジタル保存・アクセス向上を目的としたプロジェクトを実施することを発表しました。

クレメント准教授によるプロジェクト“AudiAnnotate Audiovisual Extensible Workflow(AWE)”は、人文科学分野における重要なデジタル視聴覚コレクションについて、アクセス促進・研究や教育における利用の拡大・理解の増進等を目的として取り組まれます。クレメント准教授はお知らせの中で、視聴覚資料へのアノテーションの付与とオンライン共有がプロジェクトの基本的な取り組みであり、デジタル人文学専門のコンサルタント会社Brumfield Labsや、ソフトウェア開発会社のAVP等と提携し、オープンソースのツールを用いて作成・共有を容易に進めるワークフローの開発を計画していることなどを説明しています。

エディンバラ大学(スコットランド)、エディンバラ市内1,300件以上の文化施設の情報を地図上にマッピングした“Edinburgh Cultural Map”を公開

2020年10月9日、スコットランドのエディンバラ大学人文科学・社会学部が中心に運営する学際的なデータ駆動型のデジタル研究の実践センターCentre for Data, Culture & Society(CDCS)は、エディンバラ市内の文化施設の情報を地図上にマッピングした“Edinburgh Cultural Map”を公開したことを発表しました。

“Edinburgh Cultural Map”は、同大学の研究者が主導して展開するエディンバラ市の文化施設の地理学的・人口統計学的調査プロジェクト“The Culture and Communities Mapping Project”の主要な成果物に位置付けられています。2019年に7回実施された市民参加型のワークショップの結果を中心に構築されています。

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