出版

2017年の米国書籍市場は前年比1.9%の伸び ビッグタイトル不在で伸びはやや鈍化

2018年1月22日、情報企業NPDグループは2017年の米国の印刷書籍市場について、前年比1.9%の伸びであったと発表しました。

NPDグループはNielsenから米国の書籍市場調査を譲渡された企業です。同社のプレスリリースによれば、『ハリー・ポッターと呪いの子』の発売があった2016年と異なり、2017年は売り上げの非常に大きなビッグタイトルが存在せず、市場の伸びはやや鈍化したとのことです。2013年から2016年までは前年比3%の伸びを示していましたが、2017年は前年比1.9%にとどまりました。

独・De Gruyter社、同社が刊行するオープンアクセス図書が1,000タイトルに到達と発表

2018年1月18日、独・De Gruyter社は、同社が刊行するオープンアクセス(OA)図書が1,000タイトルに到達したと発表しました。

OA図書の多くは英語で書かれたものですが、ドイツ語や他のヨーロッパ言語で書かれたものも含まれるとのことです。

De Gruyter reaches 1000th open access book milestone(De Gruyter、2018/1/18付け)
https://www.degruyter.com/dg/newsitem/263/de-gruyter-reaches-1000th-open-access-book-milestone

SAGE社、統計データリポジトリData-Planetを買収

2018年1月17日、SAGE社が統計データリポジトリData-Planetを買収したことを発表しました。

Data-PlanetはConquest Systems社が提供してきた、70以上の公的・私的機関から提供された49億以上のデータセットを収録する統計データリポジトリです(利用には契約が必要)。SAGE社は元々データサービスSAGE Statsを提供していますが、当面、両サービスを統合する予定はないとされています。

SAGE Publishing expands data offering with the purchase of Data-Planet(SAGE、2018/1/17付け)
https://uk.sagepub.com/en-gb/asi/press/sage-publishing-expands-data-offering-with-the-purchase-of-data-planet

独マックスプランク協会、物理学分野のオープンアクセス出版プラットフォームSciPostに助成金を提供

独マックスプランク協会(Max Planck Society)が物理学分野のオープンアクセス(OA)出版プラットフォームSciPostに対し、2万ユーロの助成を行ったことを発表しました。

SciPostはアムステルダム大学の理論物理学者、J.-S. Caux教授が立ち上げたプロジェクトで、読者が無料で読めるだけではなく、著者からもAPC(論文処理加工料)を受け取らずに運営されています。また、論文投稿後、査読期間中も第三者が論文を閲覧し、査読者以外の者でもコメントをつけられる機能を実装したり、査読コメントやそれに対する著者からの回答等も公開される点に特徴があります。

SciPostは2018年に入って以降、マックスプランク協会の他にも、OpenAIRE(3万9,000ユーロ)やオランダ大学協会(5,000ユーロ)からも助成を得ています。

2017年韓国図書館界の10大ニュース

2017年12月29日、韓国図書館協会(KLA)が、2017年の韓国図書館界10大ニュースを発表しています。

2017年12月12日から12月18日にかけて、同協会が選定した16項目のニュースを対象に、オンライン調査を行なった結果で、以下の10件が選ばれています。

・「図書館法施行令」による公共図書館司書配置基準改善(案)への図書館界の反発と撤回
・公共部門非正規雇用職員の正規雇用転換問題
・「学校図書館振興法」改正を促す声明書の提出と国会常任委員会の通過
・新政権発足に伴う文化体育観光部内の図書館関係組織の改編
・大統領への政策提案「本を読む大統領を見たい」の発表
・「大学図書館振興法」一部改正と大学図書館評価の議論の継続
・国立図書館等、国家機関の代表職(館長)を専門家に開放
・ソウル特別市ソウル図書館、公共図書館市民大討論会開催
・ピョルマダン図書館、明洞シネライブラリ、現代カードクッキングライブラリなど、企業が運営する図書館に注目が集まる
・出版取次・松仁書籍の不渡り問題を受け、図書館による地域書店の利用が活性化

米国物理学協会(AIP)、刊行するすべての雑誌でページチャージ、カラーチャージを廃止

2018年1月5日、米国物理学協会(AIP)は、2018年1月から、刊行するすべての雑誌で論文掲載時のページチャージ(ページ数に応じて支払う掲載料)とカラーチャージ(カラーページ数に応じて支払う料金)を廃止することを発表しました。これらはオープンアクセス(OA)雑誌におけるAPC(論文処理加工料)とは異なり、購読型雑誌においても著者に対し課されていた料金です。

AIPが発行する雑誌のうち、Journal of Applied PhysicsとApplied Physics Lettersの二誌では2017年6月に既にページチャージ等が廃されていました。それらに加えて、今回新たに10誌以上の査読誌において、ページチャージ等が廃止されました。

なお、AIPは2016年に著作権ポリシーを改訂し、出版直後から、エンバーゴなしで、著者最終版のグリーンOA化が認められるようになっています。AIPのリリースでは、CHORUSやI4OCの活動にも参加していることにも言及しています。

SCOAP3、Forum 2017の資料と録画映像を公開 論文ダウンロード数に与えた影響や米国物理学会の参加について解説

高エネルギー物理学分野のオープンアクセス(OA)プロジェクトSCOAP3が、2017年12月7日に開催したイベント”SCOAP3 Forum 2017”の資料とWebinarの録画映像を公開しました。

今回のフォーラムでは過去4年間のSCOAP3の活動のまとめに加え、SCOAP3が雑誌論文のダウンロード数に与えた影響についての解説がありました。SCOAP3が対象とする論文の大半はプレプリントサーバarXivで公開されており、SCOPA3がなかった当時は雑誌に掲載された後もarXiv版がダウンロードされ、雑誌掲載版へのアクセスはわずかでしたが、SCOAP3開始後はarXiv版と同じかそれ以上に雑誌掲載版もアクセスされているとのことです。

また、フォーラム後半では2018年からSCOAP3に再参加する米国物理学会(APS)に関しての説明がなされています。

スイス科学財団、2018年4月から単行書のオープンアクセス化費用BPCも助成の対象にすることを発表 10月からは図書の一部の章に範囲を拡大

2017年12月13日、スイス科学財団(SNSF)は同機関の助成を受けた研究の成果に関するオープンアクセス(OA)方針の一部を改訂し、新たに単行書のオープンアクセス化にかかる費用BPC(Book Processing Charge)も費用支払いの対象とすることを発表しました。

SNSFのOA方針では雑誌論文の処理加工料(APC)は従来から費用支払いの対象となっていました。2018年4月1日からは単行書のBPCを、さらに2018年10月1日からは一部の章のOA化費用BCPC(Book Chapter Processing Charge)も費用支払いの対象に加えるとのことです。一方で、図書をセルフアーカイブ(Green road)で公開する場合、従来は24カ月としていたエンバーゴ期間を12カ月に短縮するとされています。

なお、OA方針の対象となる成果に例外は設けられていませんが、図書については、図書の中で使用している図版の使用料が非常に高額である場合は例外を認めるとされています。

フランスの学術出版社EDP Sciences、同国のナショナルコンソーシアムとオープンアクセス契約を締結

2017年12月12日、フランスの学術出版社EDP Sciencesが、同国の250以上の大学・研究機関等が加盟するナショナルコンソーシアムCouperin.orgと、5年間のオープンアクセス(OA)契約を締結したことを発表しました。

このOA契約により、Couperin.org加盟機関に所属する研究者らは所属機関における購読の有無等に関わらず、EDP Sciencesの出版する雑誌にOA、かつCC-BYライセンスで論文を発表することができるようになります。また、EDP Sciencesの発行するすべての雑誌掲載論文にアクセスできるようにもなるとのことです。

PLOS、2016年は赤字転落 APC収入の減少が影響

2017年11月20日付けで米PLOSが2016年の財務状況を公開しています。2015年が約4,290万ドルの総収入であったのに対し、2016年は約3,820万ドルと大幅に減少し、2016年は財務状況も赤字に転落したとのことです。PLOSはAPC収入と資産運用益の減少を収入減の理由にあげています。

学術出版系ブログ“The Scholarly Kitchen”に2017年11月27日付けで投稿されたPhil Davis氏の記事でPLOSの赤字転落について、出版論文数の減少と関連付けて論じられています。この記事ではPLOSはPLOS ONE誌のAPC収入に収益のほとんどを依存しており、そのPLOS ONEの投稿・出版論文数が2014年以降、減少し続けていることを紹介しています。

2016 Financial Overview(PLOS、2017/11/20付け)
https://www.plos.org/financial-overview

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