出版

イタリアの視覚障害者の読書支援団体Fondazione LIA、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーのドイツ語訳作成を発表

2020年11月27日、イタリア・ミラノに本拠を置く視覚障害者の読書支援団体Fondazione Libri Italiani Accessibili(LIA)は、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーとして英語で作成した“E-Books for all: towards an accessible publishing ecosystem”について、ドイツ語訳化することを発表しました。

ホワイトペーパーのドイツ語訳化は、Fondazione LIAと、ドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)・ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)の間で締結された合意に基づいて進められます。ドイツ語版のホワイトペーパーは2021年秋までに提供される予定です。

米国の大手出版社ペンギン・ランダムハウス社、サイモン&シュスター社の買収を発表

2020年11月25日、ドイツの世界的メディア企業グループのベルテルスマンは、グループ傘下で米国に本拠を置く大手出版社ペンギン・ランダムハウス社による、米国のメディア企業バイアコムCBS傘下の大手出版社サイモン&シュスター社の買収を発表しました。

プレスリリースによると、ペンギン・ランダムハウス社のサイモン&シュスター社買収額は21億7,500万ドルです。ベルテルスマンはサイモン&シュスター社の買収により、グループにとって第2位の規模の米国市場における地位の強化を意図しています。規制当局の承認を得ることが前提となりますが、ペンギン・ランダムハウス社による買収は2021年中に完了する予定です。

失われた文学遺産を救出する:オーストラリアの絶版書電子化プロジェクト(記事紹介)

オーストラリア・メルボルン大学のマルチメディアプラットフォーム“Pursuit”において、2020年11月22日付けで絶版書電子化プロジェクトに関する記事“Rescuing Australia's lost literary treasures”が公開されています。筆者はオーストラリア・メルボルン大学の准教授ギブリン(Rebecca Giblin)氏です。

本記事で紹介されている絶版書電子化プロジェクト“Untapped: the Australian Literary Heritage Project”は、ギブリン氏が率いる研究者チームと、オーストラリア作家協会、オーストラリアの公共図書館が連携して実施するものであり、2020年11月に立ち上げられました。図書館コレクションの専門家チームとの協力により文化的に重要な絶版書をリスト化した上で、それらを電子書籍化し、販売や図書館でのデジタル貸出を行うという内容です。

絶版書のためのマーケットを用意し作家の収入を改善することも意図したプロジェクトであり、作家側は電子書籍の販売や貸出に伴う収益を受け取ります。記事によれば、オーストラリアでは作家が執筆活動から得る収入は年々減少しており、最新の数字では一年当たり平均1万2,900オーストラリアドルの収入とあります。

ハンブルク州立・大学図書館(ドイツ)、1597年にハンブルクで初めて印刷された高地ドイツ語版のルター訳聖書を新規受入

2020年11月4日、ドイツのハンブルク州立・大学図書館(Staats- und Universitätsbibliothek Hamburg)は、1597年にハンブルクで初めて印刷された高地ドイツ語(Hochdeutsch)によるマルティン・ルターのドイツ語訳『新約聖書』を、新規に受入したことを発表しました。

同館が受入したルター訳聖書は高さ10センチメートル程度の小冊子で、ハンブルクで印刷された中では最も古い高地ドイツ語による新約聖書です。ザクセン・アンハルト州のヴィッテンベルクをはじめとする他地域では、1522年から高地ドイツ語による新約聖書が普及していましたが、ハンブルクでは盛んに用いられていた低地ドイツ語(Niederdeutsch)版のみ印刷されることが数十年続いていました。

16世紀末頃までにハンブルクで高地ドイツ語が浸透したため、需要に応えて高地ドイツ語版の『新約聖書』が1597年に印刷されました。1598年には同じ印刷業者がハンブルクで初めてルターの『小教理問答書』の高地ドイツ語版を印刷していますが、この刷も同館の入手した高地ドイツ語版『新約聖書』に合冊されています。

多気町立勢和図書館(三重県)、「おいしいね本大賞inたき」プロジェクトを実施中:町内の飲食店等が紹介する図書を展示し投票上位本を地元書店で販売

三重県の多気町立勢和図書館が、2020年11月8日から12月27日まで、「おいしいね本大賞inたき」プロジェクトを実施中です。

町内の飲食店等が紹介する「おいしいね本」を展示しており、児童書・小説・ノンフィクションの3部門で、読みたいなと思った本の投票を受け付けています。

大賞は2021年1月に発表予定で、各部門の上位3冊と大賞本は、地元書店で販売されます。

@seiwalib(Facebook,2020/11/7)
https://www.facebook.com/seiwalib/posts/3744725938911829

「おいしそう」読んで元気に 多気・勢和図書館、食テーマに本紹介(47NEWS(中日新聞),2020/11/11)
https://www.47news.jp/5481186.html

米・オレゴン州の書店“Powell's Books”、書店の香りがする香水“Powell's Unisex Fragrance”を販売

米・CNNが2020年11月8日付で、オレゴン州の書店“Powell's Books”が書店の香りのする香水として、“Powell's Unisex Fragrance”を販売していることを報じています。

“Powell's Unisex Fragrance”は、木材・スミレ・古書独特の香りから書店の香りを再現した男女兼用の香水です。1オンスのガラス瓶入りで価格は24.99ドルです。数量限定生産で“Powell's Books”の各店舗で販売されている他、発送は米国内のみとなりますがウェブサイトから注文することもできます。“Powell's Books”は香水の特徴について、本の迷宮・秘密図書館・古代の巻物・哲人王に注がれたコニャックを想起させ、書物の中でしか知られていなかった不思議と発見、魔法の場所へと誘うもので、数えきれないヒーロー・ヒロインの生命を封じ込めている、のように説明しています。

CNNの報道では、予約注文開始から約1週間で1,225件の注文があったことや、新型コロナウイルス感染症の影響により書店へ立ち寄ることのできなくなった本好きの人々へ書店を思い出させる何かを届けたいという思いから、“Powell's Unisex Fragrance”の販売が企画されたことなどが報じられています。

出版情報登録センター(JPRO)の書誌データを公開するポータルサイト「BooksPRO」、2020年11月16日から図書館による閲覧も可能に

2020年11月12日、一般社団法人日本出版インフラセンター(JPO)の出版情報登録センター(JPRO)は、11月16日9時から図書館による「BooksPRO」の閲覧も可能とすることを発表しました。

「BooksPRO」は、出版情報登録センター(JPRO)の書誌データを公開するポータルサイトであり、2020年3月10日から書店向けにサービスを提供していました。利用に当たっては新規ユーザー登録が必要であり、図書館の場合は、日本では国立国会図書館(NDL)が管理する「図書館及び関連組織のための国際標準識別子」(ISIL)をIDとしてアクセスが可能となるとしています。

JPROのプレスリリースでは、図書館での選書や来館者の問い合わせ対応等における活用可能性にも言及しています。

11月16日より、BooksPROが図書館から閲覧可能になります(BooksPRO, 2020/11/12)
https://bookspro.jp/info/jpo-info.php?seq=13

Themaバージョン1.4の日本語訳が公開される:国際的な書籍取引のための分類コード

一般社団法人日本出版インフラセンター(JPO)のウェブサイト上で、2020年10月10日付けでThemaバージョン1.4の日本語訳公開が発表されていました。

Themaは国際的な書籍取引のための分類コードであり、2013年10月にバージョン1.0が、2020年4月にバージョン1.4のリリースが行われました。Thema の管理はEDItEUR(国際出版EDI標準化機構)が行っており、JPOはEDItEURの日本における国内委員会として活動しています。

国際機関の日本委員会 ②EDItEUR(国際出版EDI標準化機構)(JPO)
http://jpo.or.jp/business/business05.html#EDItEUR
※2020年4月22日付け NEWS&トピックス“Thema v1.4 - the subject category scheme for a global book trade が公開されました。”に対し、10月10日付けで完全日本語版の公開が行われた旨が追記されています。

E2323 - 諸外国における読書習慣調査と読書推進活動

読書量は過去20年間で減少しており,特に若年層での減少は顕著である。国際出版連合(IPA)が2020年10月に公開した報告書“Reading Matters: Surveys and Campaigns – how to keep and recover readers”(以下「本報告書」)では,26か国における読書習慣調査のレビューを行った上で,そのような傾向が広く見られることを指摘する。

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