図書館事情

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)のライオン像がマスクを着用:ニューヨーク市民に感染症対策への意識を促すため・NYPLは2020年7月13日から一部サービスを再開

2020年6月29日、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)は、同館のシンボルとして知られる2体のライオン像がマスクを着用したことを発表しました。新型コロナウイルス感染症拡大への対抗のため安全を確保し専門家のガイドラインへ従う意識を、ニューヨーク市民に対して促すことが目的です。

2体のライオン像が着用するマスクは、幅3フィート・高さ2フィートの専用に仕立てられたものです。NYPLはプレスリリースの中で、過去にライオン像は毎年12月には花冠をつけ、1995年には開館100周年を祝してシルクハットを着用し、2000年のMLBワールドシリーズでニューヨーク・メッツとニューヨーク・ヤンキースが対戦した「サブウェイ・シリーズ」では野球帽を被ったことがあるものの、マスクを着用することは初めてであると紹介しています。また、2体のライオン像はお互いに6フィート以上の距離を保っており、市民に手本を示すものである、としています。

NYPLは2020年7月13日から一部の分館でサービスを再開する予定ですが、入館するためにはマスク着用が必須となります。

米国議会図書館(LC)、連邦政府機関の図書館・図書館員を称える賞“Awards for Federal Librarianship”の2019年の受賞者を発表

2020年6月24日、米国議会図書館(LC)は、連邦政府機関の図書館間の連携・協力を促進するための米国連邦図書館情報ネットワーク(FEDLINK)による、連邦政府機関の図書館や図書館員等を称える賞“Awards for federal librarianship”の2019年の受賞者を発表しました。

図書館・情報センターに対する賞“Federal Library/Information Center of the Year”の大規模館部門には、機関リポジトリの立ち上げ、データベース・電子ジャーナルの共同契約による経費節減、レファレンス等の活動、図書館スペースの再構成による利用者の増加といった点が評価され、オハイオ州ライト・パターソン空軍基地のダッツォ研究図書館(D’Azzo Research Library)が選ばれました。

また、小規模館部門には、リンクルゾルバーの実装や、1964年から1995年までの同局の文書(命令)を検索できる画像アーカイブの構築といった点が評価されて、コロラド州に所在する土地管理局(BLM)図書館が選ばれています。

第22回図書館サポートフォーラム賞の表彰者が発表される

図書館サポートフォーラムが、2020年6月12日付のニューズレターで、ユニークで社会的に意義のある各種図書館活動を表彰する「図書館サポートフォーラム賞」の第22回の結果を発表しました。

受賞者は次の通りです。
・矢野陽子氏(公益社団法人 全国市有物件災害共済会 防災専門図書館)
・鳥海恵司氏((株)トッカータ)
・林淑姫氏(近代洋楽史研究者/旧日本近代音楽財団日本近代音楽館)

図書館サポートフォーラム LSF News Letter no.84(図書館サポートフォーラム, 2020/6/12)[PDF:2ページ]
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/pdf/n84.pdf

★第22回 図書館サポートフォーラム賞表彰決定(図書館サポートフォーラム)
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/index.html

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)、ドイツの“Library of the Year 2020”に選出:ゴータ市立図書館が優秀な小規模自治体・地域の図書館として併せて選出

2020年6月16日、ドイツ図書館協会(Deutschen Bibliotheksverbandes:DBV)とドイツテレコム財団(Deutsche Telekom Stiftung)は、“Bibliothek des Jahres(Library of the Year)”の2020年受賞館として、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)を選出したことを発表しました。

また、初めての試みとなる優秀な小規模自治体・地域の図書館を表彰する“Bibliothek des Jahres in kleinen Kommunen und Regionen”に、テューリンゲン州のゴータ市立図書館(Stadtbibliothek Gotha)を選出したことを併せて発表しています。

TIBについては、アナログ・デジタル双方における優れたサービスの展開と、戦略的なオープンサイエンスへの転換・オープンアクセス・研究データ・デジタル長期保存といった分野における同館の際立った取り組みが評価されました。副賞として2万ユーロが授与されます。

人口4万6,000人のゴータ市の図書館は、子ども・ヤングアダルト層から高齢者世代まで、多様な利用者層に応じて優れた教育やメディア事業を展開していることが評価されました。副賞として7,000ユーロが授与されます。

中国・成都図書館が成都市内の書店に開設する読書スペース(記事紹介)

中国のニュースサイト・四川在線の2020年6月11日付け記事で、中国・成都図書館が成都市内にある15の書店と協力し、各書店内に読書スペース「城市閲読美空間」を開設することを紹介しています。

各書店の「城市閲読美空間」には、書店利用者の多様なニーズに応じて、成都図書館から2,000冊の図書が配置され、毎月入れ替えも行われます。記事では、開設に当たり書店に求められる要件として、20平方メートル以上のスペース提供、10以上の座席設置、毎年20回以上の公益読書活動の開催、の3点を挙げています。

「城市閲読美空間」では、成都図書館の利用者証あるいは成都市の社会保障カードがあれば資料を借りることが出来ます。また、成都市内の公共図書館との間で、資料の相互貸借・相互返却も可能です。

成都図書館はこれまでも同様の取組として「城市閲読空間」の開設を行っていましたが、今回の「城市閲読美空間」では空間設計がより重視され、利用者の読書体験・快適さの改善が図られます。

ノルウェー・オスロの新公共図書館“Deichman Bjørvika”が2020年6月18日に開館

2020年6月11日、ノルウェー・オスロ市は、プレスリリース等配信サイト“Mynewsdesk”において、新公共図書館“Deichman Bjørvika”の開館準備が整ったことを発表しました。
 
Deichman Bjørvikaはオスロ市のオスロ中央駅とオスロ・オペラハウスの間に立地する6階建ての図書館です。45万冊の蔵書に加えて、映画の鑑賞・ポッドキャストの作成・ピアノの練習・ドレスの縫製・3Dプリンターの利用・フィヨルドの景色鑑賞など、様々なサービスや活動の場を提供する図書館として開館します。平日は午前8時から午後10時まで、週末は午前10時から午後6時まで開館します(開館初日のみ午後5時から深夜まで)。
 
当初は2020年3月28日の開館を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症と全国的なロックダウンの影響により、開館スケジュールが延期され2020年6月18日に開館することとなりました。
 
同館は感染症の影響がない状況では年間200万人の来館者を見込んでいますが、開館当初は感染症に対する安全対策として、一度に利用可能な入館者数を1,000人までとする制限を設けます。
 

E2265 - 「北海道学校図書館づくりサポートセンター」のオープン

選書や装飾作りなどの支援,有益な情報の提供を通じ学校図書館をサポートする,北海道学校図書館づくりサポートセンター(以下「サポートセンター」)が,2020年4月15日に江別市(北海道)内にオープンした。サポートセンターを開設した一般社団法人北海道ブックシェアリング(以下「当会」)は「だれもが豊かな読書機会を享受できる北海道にしよう」を合言葉に,2008年から活動しているNPOである。本を必要としている施設や団体に読み終えた本を無償提供する活動や,被災地(東日本大震災・北海道胆振東部地震)の読書環境の整備支援,公共図書館などが主催するブックイベントへの協力,道内の学校図書館の調査などに取り組んできた。

国際図書館連盟(IFLA)、ベネズエラ・東部大学(Universidad de Oriente)中央図書館の破壊を非難する声明を発表:政府に対し図書館の保護を要請

2020年6月5日、国際図書館連盟(IFLA)、ベネズエラ・東部大学(Universidad de Oriente)の中央図書館が意図的に破壊されたというニュースを受け、図書館の破壊を非難する声明を発表しました。

声明では、(1)世界の文化遺産を保護するユネスコによる活動“Unite for Heritage”で明らかになった、このような破壊が物質的な損失だけでなく、永続的な社会的・文化的な被害をもたらす、ということを示すとともに、(2)如何なる状況下でも、学習と成長の機会を提供する学校・大学の機能を保護する必要性を強調する「学校保護宣言」(Safe Schools Declaration)の精神にも反するとしています。

そして、(1)(2)ともに、国際法のもと、また、国民に対する義務として、政府は、暴力の脅威に直面している図書館の安全を保障するための行動をとる義務があると明示されていることから、ベネズエラ政府等に対し、図書館へのさらなる保護を求めています。

米・ミネアポリス暴動により、ヘネピン郡内の図書館にも被害が発生

米・ミネソタ州ヘネピン郡ミネアポリスの警察署内で発生した警察官の行為による黒人男性フロイド(George Floyd)氏の死亡事故への抗議デモの一部暴動化により建物が破壊されたことを報じる同州StarTribune紙の2020年6月2日付の記事において、図書館も被害を受けたことが報じられています。

ミネアポリス中央図書館は、9枚のエッチングガラスが破壊され、同等のものと交換されるまで透明ガラスがはめられるとのことです。

また、暴動により大きな被害を受けた第3管区の警察の近くに所在する、ヘネピン郡図書館のイーストレーク(East Lake)分館も、大規模な被害を受けたとされています。

ヘネピン郡図書館は、イーストレーク分館について、職員は安全で、建物は補修され、窓・コンピューター・本は交換される予定であると同館のTwitterにおいて説明しています。また、清掃ボランティアは現在募集していないこと、安全のため被害を受けた建物や閉鎖されている建物に入らないこと、電話・電子メール・チャット等で図書館員と連絡が取れることについてもツイートされています。

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)のマークス館長、新型コロナウイルス感染症拡大下における図書館のデジタルサービス拡充の必要性をNew York Times紙上で主張

2020年5月28日付の米・New York Times紙のOpinion面に、ニューヨーク公共図書館(NYPL)のマークス(Anthony Marx)館長による寄稿“Libraries Must Change”が掲載されています。

同寄稿は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中でも、図書館が自らの使命に忠実であり続けるため、図書館はデジタルサービスの提供をより一層拡充すべきであると主張する内容です。マークス館長は、図書館はあらゆる人々にその背景や環境によらず、機会を提供し、社会の一員となるために必要な道具や知識への自由なアクセスを提供するという使命があり、この使命に忠実であり続けるために、全ての図書館は根本的な変化を受け入れなければならないと主張しています。また、未曽有の課題に直面した人々のために、図書館はサービスの場を仮想空間上に移行し、人々の物理的な距離が隔てられていても、公共へ奉仕し人々を結び付けられるような新しい方法を模索する必要があると説いています。

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