図書館政策

E2199 - 都道府県立図書館サミット2019<報告>

2019年8月25日,県立長野図書館にて都道府県立図書館サミット2019を開催した。このサミットは2016(E1828参照)に続き2回目の開催である。テーマを「都道府県と基礎自治体の関係-『協力』のスタンダードを築く」とし,都道府県立図書館は域内の図書館にどのように関与し,その図書館行政に貢献していくのか,現場での取り組みをもとに学び合い考える場とした。なお,サミットは県立長野図書館が継続的に開催している「信州発・これからの図書館フォーラム」にも位置付けられている。

静岡県、新県立中央図書館を中心とする「文化力の拠点」事業について民間提案の整備は白紙に 県立中央図書館などの機能に限って先行整備

静岡県が進めてきた、新県立中央図書館等を中心とする「文化力の拠点」形成事業について、民間提案による整備は見送られたと静岡新聞が報じています。

「文化力の拠点」形成事業は東静岡駅南口の県有地に、静岡県の高い文化力の発信や、学び、にぎわいの場を生む「文化力の拠点」を形成するというものです。公的機能の中心として新県立中央図書館が設置されるほかに、民間活力を活用し、にぎわいと魅力ある拠点形成を目指すとされてきました。

2018年には民間事業等から活用アイディアの提案を受け付けるためにサウンディング型市場調査も行われ、2019年3月から事業計画案の公募も開始されました。

しかし報道によれば、4事業者から参加申し込みがあったものの、最終的に静岡県の想定と折り合わなかったとのことです。その結果、県立中央図書館を中心とし、大学コンソーシアム拠点などを導入した公的機能を「1期整備」として先行整備する方針に転換したとされています。中央図書館の移転や集客によって投資意欲を高め、民間による「2期整備」につなげたい考えであるとのことです。

韓国・ソウル特別市、「全員が共存する図書館づくり」をメインテーマにアイデアソンとフォーラムを開催

韓国・ソウル特別市が、ソウル図書館及びソウル市庁において、「全員が共存する図書館づくり」をメインテーマにアイデアソンとフォーラムを開催します。

同市が昨年まで開催していたソウルブックフェスティバルを、市民の参加を高める方向に変更したもので、2019年11月23日と24日に開催されるアイデアソンは、図書館の問題を参加者自身が発見・解決し、優れたアイデアを表彰する企画です。

参加者は20チーム(1チーム6人)に分かれ、参加者が他のチームに得点を与える参加者投票の得点に図書館関係者の評価を加算し受賞チームが決定され、大賞(1チーム)150万ウォン、優秀賞(2チーム)各50万ウォン、奨励賞(5チーム)各10万ウォンが「文化商品券」で授与されます。

また、「未来のための図書館、次の10年後の私たちの生活のための指針」をテーマに、「今日を楽しみ明日を夢見る市民の知識文化の発電所」としての公共図書館の革新と社会的役割を議論するフォーラムも11月21日から11月23日にかけて実施されます。

フォーラムは以下の3つのテーマ・5つのセッションで構成されています。

(1)民主主義のプラットフォームとしての図書館
1.誰のための「小さな図書館」か?
2.地域住民がつくっていく図書館とは?

米・カリフォルニア州立図書館、K-12の公立学校の児童・生徒及び教職員に無償でオンラインの教育資源へのアクセスを提供する“California K12 Online Content Project”の利用分析結果を発表

2019年10月30日、米・カリフォルニア州立図書館は、“California K12 Online Content Project”の利用分析結果を発表しています。

同プロジェクトは、同館とリバーサイド郡教育局が共同で、個々の学校等が支払った場合少なくとも1,300万ドルとなるところを、年300万ドルの支払いで、K-12(幼稚園から高校まで)の公立学校の児童・生徒及び教員・学校図書館職員に無償で、同州の学校向けの基準に沿ったオンラインの教育資源へのアクセスを提供する取組です。

分析によると、ブリタニカ・オンライン、TeachingBooks、ProQuestに740万回アクセスがあったことや、2018・2019学年度に3,300万以上のクリック・閲覧・ダウンロードがあったとしています。

E2192 - 第9次地方分権一括法による図書館法等の改正

2019年5月31日,地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第9次地方分権一括法,令和元年法律第26号)が成立し,6月7日に公布・施行(一部の条を除く)された。これにより,社会教育法(昭和24年法律第207号),地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)及び図書館法(昭和25年法律第118号)が改められ,各地方公共団体の判断で条例を定めることにより,特例として,公立図書館を教育委員会ではなく地方公共団体の長が所管することができるようになった。議論の発端である,2018年2月9日の中央教育審議会生涯学習分科会における「公立社会教育施設の所管の在り方等に関するワーキンググループ」(WG)の設置決定以後,図書館界のいくつかの団体からは反対の意見が示されていた。限られた字数の中で近年の社会教育関連法改正に係る大きな流れまでを取り上げることは困難であるため,本稿では,国会での法案審議の内容を踏まえ,今回の法改正に係る論点3つに注目することとしたい。

神戸市長、東須磨小学校での教員間の暴言・暴行問題への対応の一環として、図書館を含む社会教育部門の業務を市長部局へ移管する方針を発表

2019年10月24日に行われた定例会見において、神戸市の久元喜造市長は、遅くとも2020年度4月を目途に、文化財、博物館、図書館の業務などの社会教育部門の所管を市教育委員会から、市長部局である市民参画推進局に移管する方針を発表しました。

これは神戸市立東須磨小学校における教員間の暴言・暴行問題に端を発する、当面の教育行政への対応の一部として行われるものです。教育委員会の組織・人員を小中学校の教育現場の再生に振り向けていくことが目的とされています。

市長会見(神戸市)
http://www.city.kobe.lg.jp/information/public/media/movie/mayor/index.html

令和元年(2019年)10月24日 神戸市長定例会見(YouTube kobecitychannel)
https://youtu.be/0yrE1GWHT_c

オーストラリア図書館協会(ALILA)、SDGsのために行動するキャンペーン“Global Week to #Act4SDGs”にあわせ、2030年までの図書館の目標を設定する“Sustainable Development Goals Summit”を開催

2019年10月2日、オーストラリア図書館協会(ALILA)は、9月20日から30日まで行なわれたSDGsのために行動するキャンペーン“Global Week to #Act4SDGs”にあわせ、9月23日に、“Sustainable Development Goals Summit”を開催したと発表しています。

2030年までの図書館の目標を設定するために、国・州・議会・大学・専門・公共・学校の図書館長やギャラリー・博物館・文書館の関係者が参加し実施されたもので、同会議には、オーストラリアの外務貿易省及び通信芸術省の代表も参加しました。

また、ALIAの美術館・図書館・文書館・博物館等における労働人口の多様性に関する調査報告書“Workforce Diversity Trend Report 2019”の5つの推奨事項に基づいた、これら業界における労働人口の多様性の動向に関する会議も行われました。ALIAとオーストラリアアーキビスト協会・オーストラリア情報産業協会・オーストラリア記録情報管理専門家協会による推奨事項を実行するための活動を特定するための会議が行われ、さらなるデータの収集・コミュニケーション・測定可能な主要な評価指標に焦点を当てた3層計画が合意されました。

韓国・京畿道、既存の公共図書館の活性化と新しい役割の創出をはかる「公共図書館特性化サービス支援事業」を推進

韓国・京畿道が運営するニュースポータルサイトの2019年9月10日付けの記事において、京畿道内で開館した、または開館準備中の、専門に特化した公共図書館が紹介されています。

開館済(近日開館予定)の館としては、約2万冊の蔵書に加え楽器の貸出が可能な烏山市の音楽専門図書館、森の生態系に関する約2万1,000冊の蔵書に加え関連プログラムを実施する富川市駅谷図書館、11月21日開館予定で既存・若手の芸術家の発掘・育成や常設展を開催する議政府市の美術専門図書館が紹介されています。

また、京畿道では、2018年度から、図書館サービスの均衡的発展を目指して、既存の公共図書館の活性化と新しい役割の創出をはかる「公共図書館特性化サービス道費支援事業」を推進しており、道からの支援をうけて、安城市宝蓋図書館では漫画コーナー、城南市の板橋子ども図書館ではロボット体験館、富川市の遠美図書館では若者向け空間(作業コーナー、会議コーナー、コミュニケーションスペース)、楊州市のクムナム図書館では漫画資料室(タブレット端末によるウェブトゥーンやデジタル描画プログラムを開催)が改修・整備されました。

千葉県・千葉県教育委員会、「新千葉県立図書館等複合施設基本計画」を策定

2019年8月27日、千葉県と千葉県教育委員会は、「新千葉県立図書館等複合施設基本計画」の策定を発表しました。

同計画は、「千葉県立図書館基本構想」や計画案への意見募集の結果を踏まえ、県立図書館3館の集約や図書館と文書館との複合化を含めた、千葉県の新たな知の拠点づくりの考え方を整理したもので、今後は、本計画に基づき、新施設が県立青葉の森公園内(千葉市中央区)に整備されます。

「新千葉県立図書館等複合施設基本計画」の策定について(千葉県,2019/8/27)
http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shougaku/shisetsu/tosyokan/kihonkeikaku.html

鹿児島市、「鹿児島市立まちなか図書館(仮称)基本計画(素案)」を公表:パブリックコメントを実施中

2019年8月21日、鹿児島市は、「鹿児島市立まちなか図書館(仮称)基本計画(素案)」を公表しました。公表にあわせ、同日から2019年9月20日まで、鹿児島市内に「住所を有する方」「事務所又は事業所を有する方」「勤務・通学する方」を対象としたパブリックコメントを実施しています。

鹿児島市では、同市の天文館地区に整備予定の再開発ビル内に、商業施設と一体となった公共空間(図書館は市所有、子どもの遊び場・カフェは民間所有)を官民が連携して創出する方針を決定しており、今回の基本計画案はその方針を受けて策定されたものです。

基本計画案は「1 はじめに(目的)」「2 基本コンセプト」「3 基本方針」「4 サービス計画」「5 蔵書計画」「6 空間計画」「7 管理運営計画」「8 再開発ビル内の官民連携」「9 整備スケジュール」からなり、整備スケジュールによれば2022年の供用開始予定となっています。

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