オープンアクセス

抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAが立ち上げられる

2020年9月24日、I4OA(Initiative for Open Abstracts)は、オープンアクセス学術出版協会(OASPA)が同日開催するオンライン会議上で、正式な立ち上げを行うことを発表しました。

I4OAは、学術出版社・学術図書館員・研究者・インフラ提供者・その他ステークホルダーの協働により設立された、抄録(Abstract)データのオープン化を推進するイニシアティブです。

多くの抄録がすでに複数の書誌データベース上で利用可能となっている一方で、購読が必要・機械可読でない・分野が限定されている、といった制約も存在します。I4OAは、研究における発見を加速化するため、全ての学術出版社に対し抄録データのオープン化を、特にCrossrefへの提供を通じたオープン化を求めています。

すでに40の学術出版社がI4OAへの支持とCrossrefへの抄録データの提供に同意しており、図書館・図書館協会・インフラ提供者・国際的な研究助成機関を含む56のステークホルダーも支持を表明しています。I4OAの発表には、これら支持者のリストも掲載されています。

ハゲタカジャーナル・ハゲタカ出版に対する「警戒リスト」「安全リスト」の質的内容分析(文献紹介)

2020年9月8日付で、Elsevier社が刊行する大学図書館の関わるテーマを主に扱う査読誌“The Journal of Academic Librarianship”掲載記事として、米・テキサス工科大学の研究者5人による共著論文“A qualitative content analysis of watchlists vs safelists: How do they address the issue of predatory publishing?”がオープンアクセス(OA)で公開されています。

学術出版において、ハゲタカジャーナル・ハゲタカ出版に対する懸念はますます高まっています。この問題へ対抗するため、多くの個人・団体・企業がハゲタカ雑誌・出版社の特定を目的とした「警戒リスト(watchlist)」や、信頼のおける雑誌・出版社の特定を目的とした「安全リスト(safelist)」の作成を試みています。

一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)、『情報の科学と技術』誌掲載記事のオープンアクセス(OA)ポリシーを策定:グリーンOAによる公開手続・時期等を明確化

2020年9月9日、一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)は、会誌『情報の科学と技術』について、掲載記事のオープンアクセス(OA)ポリシーを策定したことを発表しました。

INFOSTAはOAポリシーの策定によって、同誌へ記事を執筆した著者が機関リポジトリ等でグリーンOAにより記事の公開を実施する際の手続・時期等を明確化しました。OAポリシー策定に伴い、同誌への原稿の執筆・提出・掲載の詳細を定めた「『情報の科学と技術』原稿執筆の手引き」の「5. 著作権」のうち第3節の改訂が行われています。

国際図書館連盟(IFLA)、オープンアクセスと蔵書構築に関する調査を実施中

2020年9月17日、国際図書館連盟(IFLA)収集・蔵書構築分科会が、オープンアクセスと蔵書構築に関するアンケート調査を実施していることを発表しました。

同調査は、オープンアクセスのコンテンツに関する情報の収集、オープンアクセスへの移行が図書館の蔵書、蔵書構築や管理、学術コミュニケーション等にもたらした影響の把握が目的とされています。

回答の受付は、10月31日まで行われる予定です。

Survey on Open Access and Collection Development(IFLA, 2020/9/17)
https://www.ifla.org/node/93324

参考:
E2229 - IFLA,資料の寄贈に関するガイドライン増補版を公開
カレントアウェアネス-E No.385 2020.02.13
https://current.ndl.go.jp/node/9840

Elsevier社の抄録・引用文献データベースScopus、2021年初頭までの開発の展望を示したロードマップを発表

Elsevier社の抄録・引用文献データベースScopusは、2020年9月16日付のブログ記事において、2021年初頭までの開発の展望を示したロードマップを発表しました。

Scopusは、2020年8月時点で、継続刊行中の学術雑誌2万4,000タイトル以上が索引化し、学術論文を中心に約7,980万件のレコードが収録されたデータベースです。記事の公開時点から2021年初頭までの主な開発の展望として、以下のことを表明しています。

英・CIBER Research社と米・Cabells社、研究者・研究支援者によるジャーナルの品質と信頼性の評価に関する共同調査の報告書を公開

学術出版におけるジャーナルの評価・分析ツール等を提供する米国のCabells社が、2020年9月2日付のブログ記事上で、英国を拠点に出版に関する調査研究等を行うCIBER Research社との共同調査の報告書が公開されたことを発表しています。

Springer Nature社、OA単行書の利用状況を分析したホワイトペーパーを公開:ダウンロード数は非OA単行書の10倍、被引用数は2.4倍

2020年9月10日、Springer Nature社は、オープンアクセス(OA)単行書の利用状況を分析したホワイトペーパー“Diversifying readership through open access: A usage analysis for OA books”の公開を発表しました。

Springer Nature社が2017年11月に公開した、学術書のOA化が利用に与える影響についてまとめたホワイトペーパー“The OA effect: How does open access affect the usage of scholarly books?”のフォローアップ調査の成果をまとめたものであり、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY 4.0で公開されています。

調査はOA単行書の使用状況調査に関するコンサルティング調査や関連技術の研究開発等に携わるCOARD(Collaborative Open Access Research and Development)との協力により行われました。COARD は、2019年にSpringer Nature社から単行書3,934点(内281点がOA単行書)に関する利用データの提供を受け、その分析を行いました。

Springer Nature社とResearchGate、記事のResearchGate上での公開に係る試行プログラムを長期的なものへと拡大:試行プログラムを評価したホワイトペーパーも公表

2020年9月10日、Springer Nature社と研究者向けのSNSであるResearchGateは、2020年第4半期から、2019年に開始された両者による試行プログラムの第2フェーズを、長期的なコンテンツシンジケーション連携へと拡大させると発表しました。

これにより、出版社版(version-of-record :VoR)の記事を直接ResearchGate上で公表できるようになり、権限のあるユーザーは、Springerのジャーナルに過去5年間に掲載された記事、および 過去3年間のNature Research社のジャーナルを読むことができます。新しい記事は掲載された時点で毎日公開されます。権限のないユーザーは、メタデータ・図・1ページ目・アブストラクト等のみ閲覧可能です。

イスラエル科学財団(ISF)、F1000 Researchと提携して同財団の研究助成による成果物をオープンアクセス(OA)出版するゲートウェイ“ISF Gateway”の運用を開始

2020年9月9日付のF1000 Researchのプレスリリースにおいて、イスラエルの研究助成機関であるイスラエル科学財団(Israel Science Foundation:ISF)が、F1000 Researchのオープンアクセス(OA)出版プラットフォームを利用して、同財団の研究助成による成果物をOA出版するゲートウェイ“ISF Gateway”の運用を開始したことが発表されています。

ISF Gatewayにより、ISFの研究助成を受けた研究者は、共有したい研究成果やデータを迅速で透明性のある形でのOA出版等が可能となります。ISFはISF Gatewayについて、策定中のOA方針の実践に向けた重要な節目とみなしており、助成を受けた研究者の成果の意義を最大化するために、オープンリサーチに求められる全ての原則を支持するような専用の出版プラットフォームとなることを意図しています。

国際STM出版社協会、発展途上国を含む包括的で公平なオープンアクセス(OA)への転換を検討するホワイトペーパーを公開

2020年9月7日、国際STM出版社協会は、Elsevier社の研究評価のあり方を検討するための国際センター“The International Center for the Study of Research(ICSR)”が提供するショートレポートシリーズ“ICSR Perspectives”から、ホワイトペーパー“Achieving an equitable transition to open access for researchers in lower and middle-income countries”を公開したことを発表しました。

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