学術出版

独・De Gruyter社、創設270周年を記念し、創設以来の既刊本から選んだ図書270冊を毎月27冊ずつ10か月間をかけてオープンアクセス(OA)化

2019年5月2日、独・De Gruyter社が、創設270周年を記念し、創設以来の既刊本の完全デジタル化事業“De Gruyter Book Archive” (DGBA)に基づき、図書270冊を、毎月27冊ずつ、フランクフルト・ブックフェア2019までの10か月間をかけてオープンアクセス(OA)化すると発表しました。

270 treasures from De Gruyter Book Archive made open access (De Gruyter,2019/5/2)
https://www.degruyter.com/dg/newsitem/332/270-jahre-verlagsgeschichte-270-schtze-aus-dem-archiv-werden-open-access

英・JiscとSpringer Nature社、オープンアクセス(OA)出版に関する合意を更新し“Read and publish”契約の締結を発表

2019年4月26日、英国のJiscとSpringer Nature社は、2015年に締結したOAに関する合意を更新し、Plan Sの目的を果たす“Read and Publish”契約締結に至ったことを発表しました。

この契約は従来の購読型の契約をOA出版料に基づく契約に転換するもので、ジャーナルへのアクセスを保証しつつ、英国で生産された学術論文をOA化するコストを削減するものです。

JiscとSpringer Nature社は今後継続して、この契約の評価を進め、学術論文がOAに転換していることを示すエビデンスを収集する、としています。

この契約により、同社のジャーナルで出版された英国の研究成果がOA化される割合は、2018年の74%からさらに増加し、2020年までにはほぼ100%になるものと予想されています。

ケンブリッジ大学出版局(CUP)とカリフォルニア大学、オープンアクセス出版契約に合意

2019年4月10日、ケンブリッジ大学出版局(CUP)と米・カリフォルニア大学は、2019年から2021年までの3年間の実験的なオープンアクセス(OA)出版契約に合意したことを発表しました。

この契約により、カリフォルニア大学の構成員は、CUPの学術誌400タイトル以上へのアクセスが保証される一方で、CUPのジャーナルにOAで成果を出版することができるようになります。これはカリフォルニア大学が大規模出版社と初めて締結したOA出版契約であり、CUPにとっても米国でOA出版契約を締結した初めての事例となります。

この契約に関して、カリフォルニア大学のカリフォルニアデジタル図書館(UC’s California Digital Library)Associate Executive DirectorのIvy Anderson氏は、「このような革新的なOAに関する合意は、世界中のあらゆる人に向けて、カリフォルニア大学の研究者が自身の成果を利用可能にすることを容易にし、大学の使命を直接的に支援するものである」とコメントしています。

韓国国立中央図書館(NLK)「学術誌著作権案内システム(KJCI)」への著作権情報登録が韓国研究財団(NRF)「学術誌評価」の申請資格に

2019年4月4日、韓国国立中央図書館(NLK)は、NLKの「学術誌著作権案内システム(Korea Journal Copyright Information:KJCI)」への著作権情報登録が、韓国研究財団(NRF)による「学術誌評価」への申請資格の1つとなったことを発表しています。

KJCIは、国内の学会誌の著作権ポリシー情報を提供するシステムで、「原文アクセスポリシー」「再利用ポリシー」「著作権ポリシー」「セルフアーカイブポリシー」等の項目が掲載されています。このうち、「原文アクセスポリシー」のエンバーゴの有無と「セルフアーカイブポリシー」についてはKJCIの担当者が学会の登録とは関係なく直接分析します。

KJCIでは学術誌編集委員による登録の便宜を図るため登録のための項目・用語を簡便化しており、登録後、KJCIの担当者による分析と学会の最終的な承認を経てKJCIで公開されます。同手順を終えた学会には著作権登録確認書が発行されます。

国内学会の学術誌の著作権ポリシーの策定及び明文化を支援し利用者に提供することで、適切な学術論文の活用拡大とオープンアクセス(OA)を実現させることを目的に実施されます。

東京大学史料編纂所、編纂・出版した史料集の版面画像ギャラリー「史料集版面ギャラリー」を公開

2019年4月2日、東京大学史料編纂所が、同編纂所が編纂・出版した史料集の版面画像ギャラリー「史料集版面ギャラリー」を公開しました。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NC-SA(クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際ライセンス)相当の条件で提供されています。

今年度のニュース&トピックス(東京大学史料編纂所)
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/news/news-j.html
※2019/04/02欄に「東京大学史料編纂所により編纂・出版した史料集の版面画像ギャラリー「史料集版面ギャラリー」を公開」とあります。

編纂・出版(東京大学史料編纂所)
https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/publication/publication_top-j.html

Clarivate Analytics Japan、研究者IDサービスResearcherIDのプラットフォームをPublonsに移行する予定であることを発表

2019年3月26日、Clarivate Analytics Japanは、研究者IDサービスResearcherIDのプラットフォームを、2019年4月中に査読登録サービスPublonsに移行する予定であることを発表しています。

Publonsでは論文業績登録のほか、査読実績や編集委員歴の保存等も可能であることが紹介されています。

ResearcherIDプラットフォーム移行のお知らせ(Clarivate Analytics Japan, 2019/3/26)
https://www.clarivate.jp/blog/researcherid-to-publons/

参考:
査読登録サービスPublonsがHindawi社とのパートナーシップ締結を発表:査読プロセスの改善・高速化のため
Posted 2019年3月20日
http://current.ndl.go.jp/node/37836

カリフォルニア大学、Elsevier社の雑誌の購読を停止することを発表

2019年2月28日、カリフォルニア大学は、今後のElsevier社の出版物の購読を停止することを発表しました。同学は同社との交渉において、公的資金を得た研究成果のOA化と、商業学術出版の増大するコストを安定化することを目指していましたが、契約条件が折り合わなかったとしています。大学側は購読料とOA出版料の一体化させるいわゆる“publish and read”契約を希望していますが、出版社との合意に至りませんでした。

同社の2019年1月1日までに刊行された出版物は、同学から恒久的にアクセスできるものがほとんどであるとし、同学のOffice of Scholarly Communicationは、一部のアクセスできないタイトルや2019年1月以降に発行された出版物を入手するための対策を発表しています。

カリフォルニア大学の声明によると、大学全体で執筆される学術出版物は米国全体の約10パーセントを占めており、Elsevier社は同学の教員による論文の18パーセントを発行しています。今回の発表に対してElsevier社は、交渉の再開を望むコメントを発表しています。

ResearchGate・Springer Nature、Nature誌掲載の一部全文記事のResearchGate上での公開の試行を発表

2019年3月1日、研究者向けのSNS・ResearchGateとSpringer Nature社が、2017年11月以降のNature誌掲載の一部全文記事を、3月7日までにResearchGateの研究者個人のプロフィール画面上で公開試行し、閲覧・ダウンロードを可能とすると発表しました。

同試行では、研究者がネットワークの共同の力を利用し、学術成果の視認性と発見可能性を高め、プラットフォームをまたいでの影響を測定できるようもするとしています。

欧州委員会研究・イノベーション総局、学術出版と学術コミュニケーションの将来に関する報告書を公開

2019年1月30日、欧州委員会(European Commission) の研究・イノベーション総局(Directorate-General for Research and Innovation)が、報告書“Future of scholarly publishing and scholarly communication”を公開しました。

学術コミュニケーションの将来のためのビジョンを提案したもので、現在のシステムの長所・短所や主要なアクターについて検証し、研究者・研究機関・助成機関・政策立案者・出版者・市民の役割を検討し、各々に対しての提言を行っています。

同報告書では、研究者とそのニーズを将来の学術コミュニケーションの中心を位置付け、研究者によって作成された知識等を公共財と見なします。そして、研究評価を全てのアクターに影響を与える学術コミュニケーションの要であるとし、研究者・コミュニティー・全ての組織(特に助成機関)は現在の学術コミュニケーションや出版システムを改善する可能性を持っていることから、その要である研究評価システムに変化をもたらすことから始めるべきと指摘しています。そして、アクター同士の連携は、将来の学術コミュニケーションと出版システムの積極的な変化と革新を実現するための不可欠であるとしています。

フィンランドのコンソーシアム“FinELib”、Taylor & Francis社との契約交渉が合意に至らず

2019年1月28日、フィンランドの大学・研究機関・公共図書館からなるコンソーシアム“FinELib”は、 Taylor & Francis社との契約交渉が合意に至らず、2月1日からTaylor & Francis社の電子ジャーナルへのアクセスできなくなると発表しています。

FinELibは、研究者への、Taylor & Francis社が出版した雑誌へのアクセスと、研究成果のオープンアクセスでの公開を目標に交渉してきましたが、合理的な価格に関して意見の相違があり、合意できませんでした。

FinELibのメンバー機関の図書館等では、研究者・教員・学生が論文への他のアクセス方法を見つけるのを助けると述べるとともに、同コンソーシアムが作成したウェブページ“Alternative Access”を紹介しています。

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