学術出版

米国化学会(ACS)の出版部門と米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館、オープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結

2020年3月19日、米国化学会(ACS)は、米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館とオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結したことを発表しました。

締結された契約に基づき、ACSの刊行する全ての学術誌において、MITの所属者が責任著者である論文は全てOAとなります。また、著者最終稿(accepted manuscript)は、MITが学術出版社との間に定めた“Framework for Publisher Contracts”、及びACSの出版ポリシーに従って、自動的にMITのOAリポジトリへ登録されます。最終的な出版社版(the version of record)についても、個々の著者による追加費用の支払不要でACSの出版プラットフォーム上でOAにより公開されます。

国際日本文化研究センター、『世界の日本研究 2019』を刊行:全文をオンライン公開

2020年3月25日、国際日本文化研究センターは、『世界の日本研究 2019』の刊行を発表しました。

1990年に創刊された、海外の日本研究の動向に関する情報を掲載する不定期出版物『世界の日本研究』の最新号であり、同センターの研究成果を公開する学術リポジトリ「日文研オープンアクセス」で全文が公開されています。

トピックス一覧(国際日本文化研究センター)
http://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/arrival
※2020年3月25日付けのトピックスに「『世界の日本研究 2019』を刊行しました」とあります。

世界の日本研究(日文研オープンアクセス)
http://publications.nichibun.ac.jp/pc1/ja/data/seni/

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)の運用を筑波大学等から引継

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2010年度から2012年度に国立情報学研究所(NII)のCSI委託事業として実施され筑波大学等を中心に運営されていた「学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)」の運用を引き継いだことを発表しました。

SCPJデータベースは、日本国内の学協会の機関リポジトリに対する論文掲載許諾状況を提供するデータベースです。NIIのCSI委託事業として実施された学協会のオープンアクセスに関する方針(OA方針)の調査結果に基づきデータベースが作成・公開されています。JPCOARは2020年3月にOAインフラ整備の一環として運用を引き継いだ、としています。

JPCOARに運用が引き継がれたSCPJデータベースでは、暫定的な措置として、Googleスプレッドシートによるデータ公開が行われています。今後データ更新体制やJAIRO Cloudとの連携などが検討される予定です。

Springer Nature社、米国国立衛生研究所(NIH)の化学情報データベース“PubChem”と提携し同社の材料科学データベース“SpringerMaterials”へのリンク情報を提供

2020年3月19日、Springer Nature社は、米国国立衛生研究所(NIH)が提供するオープンアクセスの化学情報データベース“PubChem”と新たにパートナーシップを締結したことを発表しました。

今回締結されたパートナーシップにより、PubChemに収録された3万2,000件以上の化合物データに対して、Springer Nature社の材料科学データベース“SpringerMaterials”へのリンク情報が提供されました。SpringerMaterialsへのリンクが提供されたデータには、“SpringerMaterials Properties”セクションが新たに設けられています。セクション内にはSpringerMaterialsで利用可能な化合物の性質情報のリストが表示され、リスト内でクリックすると直接SpringerMaterialsのプラットフォームへ遷移することができます。

英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表

2020年3月20日、英・Jiscは、新型コロナウイルス拡大危機の中で、機関が教育研究活動を維持できるように、デジタルコンテンツやソフトウェアを提供する全てのプロバイダーへ求める行動を示した、英国内の複数の図書館・高等教育関係組織との連名による共同声明を、英国出版協会(The Publishers Association)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)へ提出したことを発表しました。

共同声明は、Association of Colleges(AoC)、英国図書館(BL)、Jisc、Southern Universities Purchasing Consortium(SUPC)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国大学協会(UUK)の連名で発されました。この声明は、出版社・アグリゲータ・ベンダー等に対して、新型コロナウイルス拡大危機の中、教育機関を支援するための行動を求めたもので、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が発表済の声明とも密接に連携していることに言及しながら、出版社等が実施可能な行動のリストとして次の内容を挙げています。

米・ITHAKA、新型コロナウイルス感染症拡大への対応方針を発表:JSTORの提供コンテンツ拡大・Ithaka S+Rウェブサイトにおける機関の対応状況に関する情報提供など

2020年3月18日、JSTOR等を運営する米国の非営利団体ITHAKAは、ウェブサイト上で新型コロナウイルス感染症拡大への対応方針を発表しました。

ITHAKAは「現代の決定的な健康危機」となった新型コロナウイルスの大流行に直面し、一丸となって多くの人々の健康を守るためには、教育・研究を含む重要な生命活動が維持されなければならないことを指摘しています。そのための取り組みとして、大学等が休校を余儀なくされる中で、学生や教員が重要な学術資料に可能な限り容易にアクセスできる方法を開発していること、高等教育機関が現在実施している措置の意味を明確化し、将来に役立ちうる重要なエビデンスや教訓の文書化を行っていることを表明しています。

幅広いジャーナル・出版社を対象とした研究データポリシーのフレームワークの開発(文献紹介)

2020年刊行の“Data Science Journal”誌の19巻に、実践報告(Practice Papers)として“Developing a Research Data Policy Framework for All Journals and Publishers”が掲載されています。

この報告は、オープンアクセス(OA)出版社・PLOSのIain Hrynaszkiewicz氏をはじめとする5人の著者により、研究データ同盟(RDA)の「研究データポリシーの標準化・実装(Data policy standardisation and implementation)」に関するInterest Group(IG)の成果物として作成されました。

英・Jisc、定期購読料の収益を利用して購読誌をオープンアクセス(OA)誌へ転換するAnnual Reviews社のプログラム“Subscribe to Open”への支援を表明

2020年3月10日、英・Jiscは、非営利出版社Annual Reviews社が展開するプログラム“Subscribe to Open”を支援することを表明しました。

“Subscribe to Open”は既存の定期購読料による収益を利用して、特定の購読誌をオープンアクセス(OA)誌へ転換するためのプログラムです。Annual Reviews社は刊行する51誌のうちの5誌を2020年の試験プログラムの対象とし、一定の金額の定期購読による収益が確保できた場合、対象誌はCC BYライセンスでコンテンツを出版するOA誌に転換する、としています。Jiscは、Jisc Collections経由で契約を締結した英国のAnnual Reviews社の雑誌の購読機関は、このモデルに対する支援を実施済であることを報告しています。

ProQuest社、出版社50社以上と提携しEbook Central上の提携出版社のタイトルを2020年6月中旬まで同時アクセス数無制限で提供:新型コロナウイルス感染症拡大に伴う図書館支援の一環

2020年3月13日、ProQuest社は、50以上の出版社と提携し、同社の電子書籍プラットフォームEbook Central上の提携出版社のタイトルについて、全ての利用機関に対して2020年6月中旬まで同時アクセス数無制限で提供することを発表しました。

ProQuest社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、世界中の高等教育機関の図書館がキャンパス外での学習や研究への対応に迫られ、電子リソースへのアクセス確保が不可欠になったため、この緊急のニーズに応えることを目的に今回の措置を実施した、としています。新型コロナウイルス感染症による影響を受けたEbook Centralの利用機関は、2020年6月中旬までProQuest社と提携を結んだ出版社の提供する全てのタイトルを同時アクセス数無制限で利用可能になります。機関側で同時アクセス数を無制限とするために必要な手続きはなく、この移行は自動的に行われます。

ProQuest社が今回の実施にあたって提携した出版社の一覧は、同社のウェブサイトで公開されています。

Knowledge Unlatched(KU)、2019年の利用状況を報告:ダウンロード数と閲覧数の合計は前年比50%増の300万回以上

2020年3月5日付で、Knowledge Unlatched(KU)は、2019年の利用状況を報告した記事“Knowledge Unlatched Presents Open Access Heroes 2020”を公開しました。

KUは、2019年中のダウンロード数と閲覧数の合計が2018年から50%増となる300万回以上に達し、1タイトル当たりで1,900回になったことを報告しています。2019年中、KUの提供タイトルには200か国以上からの利用があり、最も利用されたタイトルがUCL Press社刊行の“Social Theory of the Internet”で、最も多く利用した機関が米国のジョンズホプキンス大学であったことなども報告されています。

KUはOAPEN、JSTOR、Project MUSE等の複数のプラットフォームから収集したデータに基づいて今回の利用状況を報告していますが、2020年初頭にOpen Research Libraryが正式公開されたことに伴い、今後はさらに多くの利用に関するデータを活用できる、としています。KUは記事で報告した利用に関するデータについて、縦向き・横向き両方の形式で1枚にまとめた図をウェブサイト上で公開しています。

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