学術出版

Science Europe、オープンアクセスのビジネスモデル等に関するブリーフィングペーパーを公表

2016年4月4日、ヨーロッパの研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeが、オープンアクセス(OA)のビジネスモデルとOA出版システムの最近の動向に関するブリーフィングペーパー“Open Access Business Models and Current Trends in the Open Access Publishing System”を公表しました。

Science Europeの、学術出版物のOAに関する作業部会の専門家らによってまとめられたもので、4月4日と5日に、EUの2016年1月から6月までの議長国であるオランダのアムステルダムで、オープンサイエンスに関する会議が開催されており、政策立案者や利害関係者がオープンサイエンスに関する決定をくだすのに必要なブリーフィングペーパーとして作成されたものです。

Open Access Business Models and Current Trends in the Open Access Publishing System
http://www.scienceeurope.org/uploads/PublicDocumentsAndSpeeches/SE_Briefing_Paper_OA_Business_Models.pdf

Emerald社、ORCID iDを採用

2016年2月17日、Emerald社が、研究者識別子を付与する非営利組織であるORCIDと連携し、ORCID idを採用すると発表しています。

Emerald partners with ORCID to support its author community(Emerald Group Publishing,2016/2/17)
http://www.emeraldgrouppublishing.com/about/news/story.htm?id=6544

Emerald partners with ORCID to support its author community(STM Publishing News,2016/2/17)
http://www.stm-publishing.com/emerald-partners-with-orcid-to-support-its-author-community/

参考:
英国王立協会及び7つの出版社が、著作物の出版に際し、著者にORCID iDの利用を要求
Posted 2016年1月8日
http://current.ndl.go.jp/node/30401

Springer Nature社、自社の出版物にORCID iDを付与
Posted 2015年11月4日

Ithaka S+R、大学出版局において単行書出版にかかるコストを分析したレポートを公開

2016年2月5日、Ithaka S+Rが大学出版局における単行書出版のコストに関するレポート、“The Costs of Publishing Monographs Toward a Transparent Methodology”を公開しました。

・高品質な電子版の単行書を出版するために必要な作業の包括的なリストを提示する
・単行書の出版にあたって大学出版局にかかるコストについて実例データを収集する
・大学出版局に、オープンアクセス(OA)の電子版の単行書において著者が支払う費用の価格帯を定める際のガイドとなる一般則を提言する

などの点が目的とされ、米国内の20の大学で、2014会計年度に出版された単行書382タイトルについて、労働時間、直接経費(コピーエディターにかかる経費など)、間接経費(法的支援に関するもの、賃料など)の推定値をもとに、分析が行われています。

・大学出版局にとって一番のコストはスタッフの労働時間である
・(図書部門の収入の多寡で調査対象を4グループにわけたところ)小規模な大学出版局のグループで、もっとも低いコストで単行書が出版できている

などといった結果のほか、OAの影響についてさらなる調査等が必要であることが指摘されています。

英国王立協会及び7つの出版社が、著作物の出版に際し、著者にORCID iDの利用を要求

英国王立協会及び米国地球物理学連合(AGU)、eLife、EMBO、Hindawi、米国電気電子学会(IEEE)、PLOS の7つの出版社は、2016年の間、著作物を出版する際に著者がORCID iDを利用するように要求すると発表しています。

From January you’ll need an ORCID(The Royal Society,2016/1/7)
https://blogs.royalsociety.org/publishing/from-january-youll-need-an-orcid/

Publishers to Start Requiring ORCID iDs(ORCID,2016/1/7)
http://orcid.org/blog/2016/01/07/publishers-start-requiring-orcid-id
s

Requiring ORCID in Publication Workflows: Open Letter(ORCID)
https://orcid.org/content/requiring-orcid-publication-workflows-open-letter

北米研究図書館協会(ARL),米SPARC,カナダ研究図書館協会(CARL)など、Elsevier社を辞職した言語学雑誌‘Lingua’の元・編集者及び編集委員への支持を表明

2015年11月12日、北米研究図書館協会(ARL)などの組織が、言語学雑誌‘Lingua’の「公正な」オープンアクセス(OA)化などをめぐって、10月27日にElsevier社を辞職したとされる、同誌の元・編集者及び編集委員への支持を表明しています。

支持を表明している組織として挙がっているのは、ARLのほか、米SPARC,カナダ研究図書館協会(CARL)、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、Association of State Colleges and Universities (AASCU)、American Council on Education(ACE)、米国のNPOであるEDUCAUSEです。

「公正な」オープンアクセス(OA)に関しては、2015年10月12日にオランダ大学協会(VSNU)のウェブサイトで、プレスリリース“Linguists to Publish Journal Articles in ‘Fair’ Open Access”が発表されていて、Johan Rooryck氏、VSNUのBastiaan Verweij氏の名があります。

ARL, Higher Education Groups Support Lingua Editors, Open Access(ARL, 2015/11/12)

Elsevier社の言語学雑誌‘Lingua’のオープンアクセスを巡り、同誌の編集者6名を含む編集委員全員が辞職し、新しい雑誌を立ち上げへ Elsevier社も声明を発表

2015年11月2日、Inside Higher Edにおいて、Elsevier社が発行する言語学の雑誌‘Lingua’の編集者6名と編集委員31名全員が辞職したことが報じられています。

同誌の編集長である、Johan Rooryck氏をはじめ編集者らは10月ころにElsevier社に対し、‘Lingua’のフルオープンアクセス化や、同誌の権利を編集者らに無償で譲渡することのほか、著者への著作権の帰属、CC BYの採用、APCの費用などに関し、要求を出していましたが、Elsevier社はこれを拒絶したようです。

同社は、編集者らの辞職に関し、11月4日に声明を発表していて、‘Lingua’が斯界の権威の雑誌となるまでには相当の時間と費用などがかかったもので、無償で編集者らに権利を譲渡することは出来ないこと、‘Lingua’はハイブリッドオープンアクセス誌なので、著者が望めばオープンアクセスに出来ること、要求通りの論文処理費用(APC)では、同誌が立ち行かなくなること、などを反論しています。

なお、Johan Rooryck氏らは、新しいオープンアクセスの雑誌‘Glossa’をたちあげる予定であるようです。

ウェルカムトラスト、学術書や単行本各章のオープンアクセス(OA)に関する出版社向けのガイドを公開

2015年7月22日付けの、オープンアクセス学術出版社協会(Open Access Scholarly Publishers Association:OASPA)のブログによると、ウェルカムトラストが、学術書や単行本の各章のオープンアクセス(OA)に関するポリシーの策定やOA化の際に出版社が考慮に入れる際に参考となるガイドを公開したとのことです。

Wellcome Trust Launches Guide for Publishing Open Access Monographs and Book Chapters(Open Access Scholarly Publishers Association Blog,2015/7/22)
http://oaspa.org/wellcome-trust-launches-guide-for-publishing-open-access-monographs-and-book-chapters/

Open Access Monographs and Book Chapters: A practical guide for publishers(Wellcometrust)

NPGとPalgrave Macmillan社、約22,000人の執筆者調査の結果を公開、OA出版への認識が良い方向に変化

2015年8月13日、Nature Publishing Group(NPG)とPalgrave Macmillan社は、約22,000人の執筆者調査のデータを公開しました。この調査は2015年4月に、社内の研究目的のためにNPG社やPalgrave Macmillan社及び他の出版社で論文を書いた研究者を対象として行われたものです。

2014年の調査では、直近の3年間にOA出版を選択していなかった研究者の40%がOA出版論文の質への懸念を表明していましたが、この2015年の調査では、27%に減少しました。人文科学・ビジネス・社会科学分野では、2014年の54%から2015年の41%と顕著な減少を示しましたが、依然としてこの懸念は、執筆者がOA出版を選択しない主要な要因となっているとのことです。

2014年の調査結果と同様、執筆者・資金提供者・出版社のより深い相互理解のために、匿名データを公開しています。調査では、オープンアクセス、雑誌の評判の決定、出版社の活動やサービスの価値、資金提供者によるOA義務化などのトピックについて執筆者の見解を明らかにしています。

OAPEN-UK、人文・社会科学研究者のための、オープンアクセス(OA)単行書の出版のガイドを公開

2015年8月11日、人文・社会科学系学術論文のオープンアクセス(OA)についてのエビデンス調査を進めている英国のOAPEN-UKが、人文・社会科学研究者のための、OA単行書の出版のガイド”Guide to open access monograph publishing for arts, humanities and social science researchers”を公開しました。

このガイドは、英国におけるOAや、学術書の著者にとってのOAの意味について、人文・社会科学研究者の理解に役立てるために作成されました。

内容は、研究者、学会、大学、出版社などから寄せられた250以上の意見をもとに問いが立てられ、それに答える構成となっており、OA単行書やOAのビジネスモデルについての解説、OA単行書の出版に対する法的、経済的な疑問点などへの回答が掲載されています。

このガイドは、CC BYライセンスで提供されています。

oapen-uk(Twitter, 2015/8/11)
https://twitter.com/oapenuk/status/631070442917371904

Guide to OA monograph publishing(OAPEN-UK)

Wiley社、ジャーナルのセルフ・アーカイビングポリシーのまとめページを新設

Wiley社の各ジャーナルのセルフ・アーカイビングポリシーを簡単にチェックできるページが、Wiley Online Libraryのページ内に新設されたとのことです。

セルフ・アーカイビングとは、自分が書いた論文を出版社のサイト以外でネット公開することで、研究室ホームページや機関リポジトリ、またResearchGateのようなネットサービスなどでの公開が該当します。このページでは、Journal Policiesのドロップダウンメニューからジャーナルの誌名を選ぶだけで、ポリシーの概要をすばやくチェック出来るとのことです。また、ドロップダウンメニューの上にある、末尾に(+)のついた項目をクリックすると、Submitted Versionなどのことばの定義や、それについての標準的なポリシーなどの説明が掲載されています。

Wileyジャーナルのセルフ・アーカイビングポリシー(自分の論文のネット公開についての規定)のまとめページを新設 / ジャーナルごとに異なるポリシーが簡単にチェック可能に(ワイリー・サイエンスカフェ、2015/06/08)
http://www.wiley.co.jp/blog/pse/?p=32349

Wiley Self-Archiving Policy(Wiley Online Library)

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