学術出版

主要学術出版社の参加するシームレスな学術論文へのアクセス提供ソリューション“Get Full Text Research(GetFTR)”へDimensions等の学術プラットフォーム・サービスが試行参加

2020年4月21日、研究者へシームレスな学術論文へのアクセスを提供する無料ソリューション“Get Full Text Research(GetFTR)”は、Digital Science社のディスカバリープラットフォームDimensions、研究データ公開プラットフォームfigshare、研究情報管理システムElementsを提供する英国のSymplectic社、Digital Science社傘下ReadCubeの文献管理ツールPapers、Elsevier社の文献管理ツールMendeleyが、GetFTRの試行サービス提供を開始したことを発表しました。

Clarivate Analytics社、Journal Citation Reports(JCR)のジャーナル詳細情報にオープンアクセス(OA)に関するデータを追加

2020年4月23日、Clarivate Analytics社は、学術出版におけるオープンアクセス(OA)モデルの透明性を向上させるため、学術誌評価分析データベース“Journal Citation Reports”(JCR)のジャーナル詳細情報(profile)にOAに関するデータを追加したことを発表しました。

この新機能により、助成機関・出版社・図書館員・研究者等はゴールドOAの学術論文について、学術雑誌全体のコンテンツに占める割合や引用への貢献状況に関する中立的な情報を得ることができるとあります。またハイブリッドジャーナルについて、論文の本数と引用状況をOA・非OAに分けて容易に比較することが可能になります。

この新機能は2020年6月に最新の2020年版が公開されるまで、ベータ版として提供されます。

Springer Nature社、スイスの大学と“Read and Publish”契約に合意

2020年4月15日、Springer Nature社は、スイスの大学との間で新しい“Read and Publish”契約に合意し、覚書を取り交わしたことを発表しました。

契約に参加するスイスの大学や研究機関に所属する責任著者は、同社の2,200以上のハイブリッド誌でオープンアクセス(OA)の研究成果を公開するとともに、SpringerLink上のすべての研究成果にアクセスできるようになります。

最終的には、夏に同社とスイスの大学図書館のコンソーシアム(Consortium of Swiss Academic Libraries)との間で契約が締結されます。

Springer Nature社、Nature誌を含む同社の非オープンアクセス学術誌の多くをPlan Sに準拠させる意向を表明

2020年4月8日、Springer Nature社は、Nature誌を含む同社の非オープンアクセスかつ英文の学術誌について、大部分をPlan Sにおける“Transformative Journals”(転換雑誌)とする意向を表明しています。

Plan Sによる転換雑誌の要件修正を受けたものですが、価格の透明性に関する要件の詳細がまだ明らかではないため、その要件が受け入れ可能である場合、という但し書きが付されています。

これらの学術誌がPlan Sに準拠することは、Plan Sに参加する助成機関の支援を受けた研究者にとって、引き続きこれらの学術誌への研究成果の投稿が可能になることを意味するとあります。

cOAlition S、学術出版社・学協会等のフィードバックを反映した“Transformative Journals”の枠組み最終版を発表

2020年4月8日、cOAlition Sは、2019年11月に発表した“Transformative Journals(転換雑誌)”の枠組み案について、利害関係者のフィードバックを反映した最終版を公開しました。

利害関係者へのフィードバックは2019年11月から2020年1月6日まで募集され、学術出版社・学協会・図書館等を含む87件の回答が寄せられています。利害関係者からは“Transformative Journals”が完全かつ即時オープンアクセス(OA)の有用で実施可能な手段になりうることには強い同意が得られたものの、年間8%のOA率の成長、OAコンテンツが50%に達した時点で完全OA雑誌に切り替えるといった数値目標について、出版社や学協会を中心に否定的な見解が寄せられたことなどが紹介されています。

cOAlition Sはフィードバックの結果を受けて、枠組み案に以下のような変更を実施しています。

史学・地理学・考古学の総合学術誌『史林』の「病」特集号がオンライン公開:「病」に関する知見の幅広い共有のため

2020年4月6日、史学・地理学・考古学の総合学術誌『史林』を発行する史学研究会は、『史林』の103巻1号(2020年1月)をオンライン公開したことを発表しました。公開は京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)上で行われています。

103巻1号は「病」の特集号となっており、7本の論説が掲載されています。新型コロナウイルス感染症の流行に際し「病」に関する知見を広く共有するため、特例として刊行後ただちにオンライン公開が行われました。

史学研究会
http://www.shigakukenkyukai.jp/
※トップページの「お知らせ」に、2020年4月6日付けで「病」特集号特例公開のお知らせが掲載されています。

『史林』103巻1号(KURENAI)
http://hdl.handle.net/2433/250085

Springer Nature社、著者向けアンケート・機関へのインタビューに基づいた論文処理費用(APC)の財源に関するホワイトペーパーを公開

2020年4月6日、Springer Nature社は、論文処理費用(APC)の財源に関するホワイトペーパーとして、“'APCs in the Wild': Could Increased Monitoring and Consolidation of Funding Accelerate the Transition to Open Access?”を公開したことを発表しました。

Springer Nature社は2019年6月から8月にかけて、同社の完全オープンアクセス(OA)誌及びハイブリッドOA誌にAPCを支払って、論文を出版した著者に対してAPCの財源と支払に関するアンケートを実施し、1,014件の回答を得ました。また、APC財源の管理・モニタリングについて、世界中の機関のOAの管理担当者に対するインタビューを16件実施しました。公開されたホワイトペーパーはこれらの結果に基づいて作成されています。

ホワイトペーパーでは、アンケート及びインタビューの結果から得られた重要な知見として、以下の5点が挙げられています。

Springer Nature社、インド・マニパル高等教育アカデミー(MAHE)とアジア地域で初めて“Read & Publish”契約を締結

2020年4月3日、Springer Nature社は、インドのマニパル高等教育アカデミー(Manipal Academy of Higher Education:MAHE)とアジア地域で初めて“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。契約期間は2022年12月までとなっています。

締結された契約に基づき、カストゥルバ医科大学、MAHE、及びT.A.パイ経営研究所(T.A. Pai Management Institute:TAPMI)に所属する研究者は、2,200誌以上のSpringer Nature社のハイブリッド誌へオープンアクセス(OA)で研究成果を公開可能です。また、同社のプラットフォームSpringerLinkに出版された全ての研究成果へアクセスすることが可能です。

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、締結済のオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約」4件の内容詳細をESACのレジストリへ登録

2020年4月2日、Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っているスウェーデン王立図書館(NLS)は、締結済のオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」4件の内容詳細について、ESAC(Efficiency and Standards for Article Charges)のレジストリへ登録したことを発表しました。

ESACはドイツのマックス・プランク・デジタル・ライブラリー(MPDL)に拠点を置き、欧州を中心とした図書館コンソーシアム等と協調して活動するイニシアチブです。OAへの転換に伴う学術出版市場の展開を示しつつより適切な評価を実施するため、OA市場全般、特に主要学術出版社に関するデータや関連のある事実を収集しています。

ESACはその活動の一環として、交渉中の機関や出版社の判断材料とすること、業務標準や市場の透明性を向上させることを目的として、各国の図書館やコンソーシアムが共有した「転換契約」のレジストリを整備しウェブサイト上で提供しています。レジストリでは多くの場合、契約条件・価格等を含む契約書の全文が提供されています。

米国計算機学会(ACM)、同学会刊行物の電子版を収録する“ACM Digital Library”を期間限定でオープンアクセスに

2020年3月30日、米国計算機学会(ACM)は、同学会刊行物の電子版を収録する“ACM Digital Library”を、2020年6月30日までオープンアクセスとすることを発表しました。

お知らせでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりリモートワーク、オンライン教育への移行が進んでいることに触れつつ、今回のオープンアクセス化が危機の状況下における研究・発見・学習の支援となることを信じている、と述べています。

Open Access to ACM Digital Library During Coronavirus Pandemic(ACM, 2020/3/30)
https://www.acm.org/articles/bulletins/2020/march/dl-access-during-covid-19

ACM Digital Library
https://dl.acm.org/

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