図書館財政

九州大学附属図書館、2020年4月から同大学の学生・教職員の論文等のコピー取り寄せ料金に対して大学の経費による補助を実施

2020年3月18日、九州大学附属図書館は、2020年4月1日以降、これまで申込者の自己負担であった同大学の学生・教職員による論文等のコピー取り寄せ料金に対して、一定の条件に基づき大学の経費から補助を実施することを発表しました。

この補助は九州大学所属の学生・教職員が、2020年4月1日以降に同館ウェブサイトの申込フォーム経由で依頼した論文等の取り寄せに適用されます。取り寄せ先が同大学の別キャンパス、または国立情報学研究所(NII)のNACSIS-ILLシステムによるILL文献複写等料金相殺サービスでの決済に対応した国内の大学図書館であること、1件あたりの取り寄せ料金が税込5,000円以下であること、などの全て条件を満たした場合、取り寄せにかかる費用の全額について同大学の経費から補助を受けることができます。補助に関して学生・教職員から特段の申請は不要で、適用対象の取り寄せ依頼には同館から直接支払処理が行われます。

九州大学附属図書館は、年度ごとにこの補助への見直しを行い、年度途中でも予算額に達した場合は補助の中止や利用の多い学生・教職員への補助の制限などが行われる可能性がある、としています。また、現物資料を借り受けする現物貸借の依頼や、1件あたりの取り寄せ料金が5,000円を超える依頼は補助の適用対象外であり、全額が自己負担になります。

ゴールドオープンアクセス(OA)誌で出版されたドイツの研究成果物に関する論文処理費用(APC)負担モデルの比較分析(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年2月27日付で、論文“Who pays? Comparing cost sharing models for a Gold Open Access publication environment”が公開されています。

同論文はドイツ研究振興協会(DFG)の助成により、独・ビーレフェルト大学のAndre Bruns氏ら3人の共著により執筆されました。論文ではまず、Web of Science、DOAJ、及びビーレフェルト大学図書館や独・Max Planck Digital Library(MPDL)等によるオープンアクセス(OA)出版物の論文処理費用(APC)の透明・効率的管理を目指すプロジェクト“INTACT”が収集した機関の実際に支払したAPCのデータセット“OpenAPC”等を用いて、ドイツの研究機関によるゴールドOA誌への出版物と出版のために支払したAPC価格に関するデータモデルが設定されています。

独・OA2020-DEによるオープンアクセス(OA)出版への「転換契約」に関する新しいモデルの提案(記事紹介)

独・OA2020-DEは、2020年2月18日付で“A smooth transition from subscriptions to APCs”と題した記事を公開しました。

同記事は、独・ビーレフェルト大学図書館に所属しOA2020-DEのOA連絡窓口を務めるNina Schönfelder氏による、OA出版への「転換契約(transformative agreement)」の新しいモデル提案に関する2020年1月27日付のディスカッションペーパーについて、著者自身がその概要を紹介するものです。記事では“Publish & Read”、“Read & Publish”のような既存の「転換契約」モデルは、学術雑誌のビジネスモデルを購読制から論文処理費用(APC)の支払制へ移行するにあたって必要な図書館の予算獲得転換や出版社の収益モデル転換に関するニーズに十分応えられていないことから、学術雑誌分野においてより現実的な「転換契約」モデルが必要とされていることを指摘しています。既存のモデルの問題点として、膨大な調整、大規模で即時的な資金の再配分、恒久的で大規模な資金の追加が必要とされること、出版社が個々の図書館やコンソーシアムに柔軟なオプトイン・オプトアウトを認めていないこと、などが挙げられています。

学術研究懇談会(RU11)、「産学連携活動における情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料に関する要望」を発表

学術研究懇談会(RU11)のウェブサイトで、産業界に対して取りまとめした2019年8月付のRU11による要望書「産学連携活動における情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料に関する要望」が公開されています。

同要望書は、近年増大している情報セキュリティ・図書資料関連経費が大学予算を圧迫していること、これまであまり考慮されてこなかった大学教員の提供する「知」の対価(研究指導料)という新たな要因・要素への対応について関係者の理解を求める、という趣旨の下で取りまとめ・作成されました。「図書館資料関連経費」については、電子ジャーナル経費の高騰等に伴い、大学の運営費・研究費を圧迫している実情が指摘されています。

同要望書では、産官学連携活動の関係者に対する要望事項として、次の2点に言及しています。
・「情報セキュリティ・図書資料関連経費」、及び「知」の対価としての「研究指導料」について、該当事項を立てて所要額を負担すること
・情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料等以外の企業側から提供される経費(直接経費、間接経費)について、さらに柔軟に措置されるような工夫を企業側と意見交換・検討するために協力すること

スウェーデン王立図書館(NLS)、学術出版社との「転換契約」におけるBibsamコンソーシアム内での新しい費用配分モデルを検討した委託調査報告書を公開

2019年12月19日、スウェーデン王立図書館(NLS)は、コンサルタント会社への委託により実施した調査の報告書として、“Introducing pay-to-publish in cost distribution models of ‘The Bibsam Consortium, Sweden’”の公開を発表しました。

この調査は、近年Bibsamコンソーシアムがオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」として、複数の学術出版社と“Read & Publish”契約締結を実現していることを背景に、こうした新しい種類の契約に関するコンソーシアム内部での費用配分の課題の検討を目的として実施されました。完全なOA出版の状況下における費用配分について、将来にわたって有効な基礎とすることが意図されています。報告書では、将来的な費用配分のシナリオ、国際的な状況との比較、費用配分モデルの変更がコンソーシアム参加機関へ与える財政上の影響の推定などの内容が扱われています。

独・OA2020-DE、オープンアクセス(OA)出版のための資金調達要件に関する調査レポートを公開

2019年10月29日、学術雑誌のオープンアクセス(OA)化を目指すイニシアチブ“OA2020”のドイツにおける連絡窓口“OA2020-DE”は、OA出版のための資金調達要件に関する調査レポートとして、“Transformationsrechnung: Mittelbedarf für Open Access an ausgewählten deutschen Universitäten und Forschungseinrichtungen”を公開したことを発表しました。

購読型の学術雑誌が、論文処理費用(APC)の支払によるOA化という現在国際的学術誌で支配的なビジネスモデルへ移行するにつれて、機関の学術雑誌への財政負担の構造に変化が生じます。各機関で学術雑誌のOA化に適切に対応し積極的な役割を果たすためには、予想される機関のAPC支払総額について信頼できる推定が必要となります。OA2020-DEは、機関が学術雑誌のOA化への転換に備えコストモデルを形成できる方法を解説することを目的として調査レポートを作成しています。

英国図書館情報専門家協会(CILIP)とThe Big Issue Groupによる公共図書館の肯定的な影響関係に関する報告書が公開される

英国図書館情報専門家協会(CILIP)の2019年10月14日付のお知らせで、CILIPと街頭新聞の製作等を通してホームレスの社会復帰等に取り組むThe Big Issue Groupが共同製作した、公共図書館の肯定的な影響関係に関する報告書“Public Libraries: The Case for Support”の公開が発表されています。

報告書は英国図書館(BL)、カーネギー英国財団(Carnegie UK Trust)、英国公認会計士協会(CIPFA)等の様々な機関が実施した調査をエビデンスとして、公共図書館が地域コミュニティに与える変革的な影響関係として以下の6点を指摘しています。

・地域形成と包括的な経済成長
・教育、インフォーマルな学習と技術習得
・健康、幸福、社会福祉
・住民のデジタル技術の向上とオンライン化の促進
・起業とビジネス支援
・貧困の防止、社会的流動性の確保、社会的孤立の解消

宮城県富谷市、市内初の図書館開設のため図書館建設費の一部を募るクラウドファンディングを開始

2019年8月9日、宮城県富谷市は、市内初の図書館「富谷市民図書館」建設に向けて、図書館建設費の一部を募るクラウドファンディングを開始しました。募集期間は2019年11月7日までです。

富谷市には市内6つの公民館図書室があるのみで、図書館法及び図書館設置条例に基づく図書館が整備されておらず、「富谷市民図書館」の2022年度開館に向けて取り組みが進められています。今回のクラウドファンディングプロジェクトの目標金額は1,038万円で、支援金は総額8億円を予定している図書館整備費用の一部に充てられます。

このクラウドファンディングへの個人からの寄付金は「ふるさと納税」の対象となり、所定の手続きを経た場合には、寄付額から2,000円を除いた金額が所得税・個人住民税から控除されます。

@tomiya.seikatu(Facebook,2019/8/9)
https://www.facebook.com/tomiya.seikatu/posts/1346832522146449

E2145 - 民主主義の宝庫:スウェーデンの図書館戦略に関する提案

2019年3月7日付けのニュースによると,スウェーデン国立図書館(KB)は,同国政府に提案書「民主主義の宝庫―国の図書館戦略に関する提案」を提出した。この提案書は,2015年に政府がKBを指名して作成を委託していたものである。

全国学校図書館協議会(全国SLA)、「学校図書館整備施策の実施状況(2018年度最終集計)」を公表

2019年4月1日、全国学校図書館協議会(全国SLA)が、「学校図書館整備施策の実施状況(2018年度最終集計) 」を公表しました。

2018年5月に全国1,741の市区町村教育委員会(悉皆調査) を対象に行ったもので、回答数は973教育委員会(2019年3月4日現在。回収率55.9%) です。

1校あたりの平均図書費・図書費予算学算定方式・「図書費」及び「学校図書館用の新聞購読費」の予算化状況・利用できない古い図書の廃棄状況・学校司書配置の予算化状況と雇用形態・自治体による学校図書館担当者の研修状況が調査されています。

市区町村ごとの結果がPDFファイルで公表されています。

お知らせ(全国SLA)
http://www.j-sla.or.jp/news/sn/
※2019年04月01日欄に「学校図書館整備施策の実施状況(2018年度最終集計)」とあります。

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