オープンサイエンス

日本学術会議、提言「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」を公表

2020年9月14日、日本学術会議は、同会議の若手アカデミーによる提言「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」を公表しました。

同提言は、職業科学者ではない一般の市民によって行われる科学的活動「シチズンサイエンス」について、海外と比べて拡大の兆しが見えず、展開されたとしても実施のための基盤整備が十分とは言えない点を日本における推進の課題として指摘しています。具体的な問題点として、「シチズンサイエンスを広げるシステムの不足」「シチズンサイエンスの研究倫理を保持する基盤整備の不足」「職業科学者とシチズンサイエンスを行う市民を橋渡しし、双方向性のあるシチズンサイエンスを推進するための基盤整備の不足」「シチズンサイエンティストの活動を支援する研究資金制度の不足」の4点を挙げ、これらの現状と問題点を踏まえて以下の4点を提言しています。

(1) シチズンサイエンスの知識生産活動への拡大に向けた広報活動
(2) シチズンサイエンスの研究倫理を保持する基盤整備
(3) シチズンサイエンスを推進するための社会連携の基盤整備
(4) シチズンサイエンティストの活動を支援する研究資金制度の確立

【イベント】第25回情報知識学フォーラム「アフターコロナの学術研究分野におけるオープンサイエンスを考える」(1/9・オンライン)

2021年1月9日、情報知識学会が主催する、第25回情報知識学フォーラム「アフターコロナの学術研究分野におけるオープンサイエンスを考える」がオンラインで開催されます。

発表によると、同フォーラムでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における歴史、民俗、生物研究と学会支援の経験者による、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下での学術活動の難しさ、新たな学術活動・コミュニティの形についての講演が行われる予定です。また、ポスターセッションの時間も設けられる予定です。

参加費は無料で、事前に申込が必要です。

第25回情報知識学フォーラム「アフターコロナの学術研究分野におけるオープンサイエンスを考える」
http://www.jsik.jp/?forum2020

参考:
E2218 - 第24回情報知識学フォーラム<報告>
カレントアウェアネス-E No.383 2020.01.16
https://current.ndl.go.jp/e2218

2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」の講演資料が公開される

2020年8月28日にオンラインで開催された、2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」の講演資料が、9月14日に公開されました。

同セミナーで行われた以下の講演について、資料が掲載されています。

・研究データ公開が学術コミュニケーションにもたらす変化
倉田敬子氏(慶應義塾大学)

・Research data and scholarly journals: developments, policy and implementation
Dugald McGlashan氏(INLEXIO)、Caroline Hadley氏(INLEXIO)
※試訳が付いています。

・社会科学分野における研究データの公開
朝岡誠氏(国立情報学研究所)

・実験技術開発における研究データ公開の役割について
笹川 洋平氏(理化学研究所)

・J-STAGE Dataのご紹介
科学技術振興機構(JST)

E2301 - オープンな画像の利活用を開拓するIIIF Curation Platform

IIIF(E1989参照)はライブラリやミュージアムにおける画像配信形式として,ここ数年の間に国際的にも急速に普及が進んだ技術である。画像配信形式をIIIFで共通化できれば,画像の公開や閲覧に必要なソフトウェアを共通化でき,利活用に伴う学習コストも低下することが期待できる。しかしIIIFがもともと画像提供者側の問題意識から提案されたこともあり,現在のIIIF仕様は提供者側のニーズに焦点を合わせており,利用者側のニーズを反映しているとは言えない。このギャップに着目し,IIIF画像の新たな利活用を開拓するのが本稿で紹介するIIIF Curation Platform (ICP)の目標である。

【イベント】第4回京都大学研究データマネジメントワークショップ(9/19・オンライン)

2020年9月19日、ウェブ会議サービスZoomを用いたオンライン会議形式で、「第4回京都大学研究データマネジメントワークショップ」が開催されます。

同ワークショップは、京都大学の研究データ管理体制検討等に関する部門横断型組織「京都大学アカデミックデータ・イノベーションユニット(葛ユニット)」が主催するワークショップです。京都大学では2020年度から科学研究費助成事業として、大学における研究データの蓄積・共有・公開及び長期保管を通じて、研究者自らが研究データマネジメント(RDM)スキルを高められるとともに、研究データを軸とした研究コミュニティ形成や異分野連携を可能にするアカデミックデータ・イノベーション成熟度モデルの開発を進めます。第4回のワークショップは、RDMに関する最新情勢を踏まえながら、このモデルをどのように開発すべきなのかを深めるためのキックオフイベントに位置付けられています。参加費は無料で、京都大学関係者に限らず参加可能ですが、所定のフォームから事前の申し込みが必要です。当日の主な内容は次のとおりです。

イスラエル科学財団(ISF)、F1000 Researchと提携して同財団の研究助成による成果物をオープンアクセス(OA)出版するゲートウェイ“ISF Gateway”の運用を開始

2020年9月9日付のF1000 Researchのプレスリリースにおいて、イスラエルの研究助成機関であるイスラエル科学財団(Israel Science Foundation:ISF)が、F1000 Researchのオープンアクセス(OA)出版プラットフォームを利用して、同財団の研究助成による成果物をOA出版するゲートウェイ“ISF Gateway”の運用を開始したことが発表されています。

ISF Gatewayにより、ISFの研究助成を受けた研究者は、共有したい研究成果やデータを迅速で透明性のある形でのOA出版等が可能となります。ISFはISF Gatewayについて、策定中のOA方針の実践に向けた重要な節目とみなしており、助成を受けた研究者の成果の意義を最大化するために、オープンリサーチに求められる全ての原則を支持するような専用の出版プラットフォームとなることを意図しています。

2020年第1四半期に発表された新型コロナウイルス感染症関連文献のオープンアクセス(OA)状況等に関するPubMedを情報源とした調査(文献紹介)

2020年8月12日付で、オープンアクセス(OA)出版プラットフォームを提供するF1000 Researchに、スペインの医学研究者らが共著で執筆した文献として、“Open Access of COVID-19-related publications in the first quarter of 2020: a preliminary study based in PubMed”が公開されています。

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、各出版社は同感染症に関する文献を米国国立医学図書館(NLM)の運営するPubMed Central(PMC)などの適切なリポジトリにおいて、即時OA化することを認める意向を示しています。著者らはNLMの生物医学文献データベースPubMedやOA文献探索のためのブラウザ拡張機能Unpaywall等のツールを用いて、2020年第1四半期に発表された新型コロナウイルス感染症関連文献のOA状況等に関する調査を実施しました。また、過去のコロナウイルス関連文献との比較のために、2000年代前半に中国等で流行した新型肺炎の原因ウイルス「SARSコロナウイルス(SARS CoV-1)」や中東呼吸器症候群(MERS)の原因ウイルス「MERSコロナウイルス(MERS CoV)」に関連する文献のOA状況等も分析しています。

Asia OA Meeting 2020はオンラインで開催

2020年9月9日から9月16日まで、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)と韓国科学技術情報研究院(KISTI)の主催により、Asia OA Meeting 2020がオンラインで開催されます。

9月9日から9月15日のイベント1は、Asia OA Meeting 2020のウェブサイトで実施され、参加申込は不要です。9月15日のイベント2および9月16日のイベント3は、Zoomを用いて実施され、事前に申込が必要です。

Asia OA Meeting 2020
https://2020korea.asiaoa.org/

参考:
E2150 - Asia OA Meeting 2019<報告>
カレントアウェアネス-E No.371 2019.06.27
https://current.ndl.go.jp/e2150

内閣府、「科学技術・イノベーション基本計画の検討の方向性(案)」を公開

2020年8月28日付の「科学技術・イノベーション基本計画の検討の方向性(案)」が内閣府のウェブサイト上で公開されています。

この文書は、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議の下で、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国内外の情勢を踏まえた科学技術基本計画の調査・検討を行う基本計画専門調査会が作成しました。次期の科学技術・イノベーション政策の基本計画の方向性として以下の5点を挙げています。

・Society 5.0 の具体化
・スピード感と危機感を持った社会実装
・人類の幸福(human well-being)や、感染症・災害、一層厳しさを増す安全保障環境を念頭に置いた科学技術・イノベーション政策と社会との対話・協働
・研究力の強化と官民の研究開発投資の在り方
・新しい社会を支える人材育成と国際化

このうち、研究力の強化に向けた具体的な取り組みとして、「研究全体のデジタル・トランスフォーメーションと加速するオープンサイエンスへの対応」、「ポストコロナ時代の研究を支える世界最高水準の基盤整備と共用の促進」、「ポストコロナ時代に対応した新たな国際共同研究・国際頭脳循環の推進」が掲げられています。

Center for Open Science(COS)、オープンアクセス(OA)誌PLOS ONEと共同してオープンで透明性の高い認知発達心理学分野の研究論文の投稿を募集

2020年8月31日、米国の非営利団体Center for Open Science(COS)は、オープンアクセス(OA)誌PLOS ONEとの共同により、2020年11月30日を提出期限としてオープンで透明性の高い認知発達心理学(cognitive developmental psychology)分野の研究論文の投稿を募集することを発表しました。

COSは募集の背景として、心理学分野では、統計上の課題等により研究結果の再現性に限界があることから、研究報告の透明性の向上・メソッドの厳密化への関心が高まっており、研究データやソースコードのオープン化・研究内容の事前登録が特に必要となっていることを挙げています。早期認知発達、言語発達、非定型発達など認知発達心理学分野の幅広いテーマについて、確認的研究・探索型研究・臨床試験・観察研究など様々な研究タイプの論文の投稿が募集されています。

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