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黒人・先住民・有色人種(BIPOC)を題材とした児童向け絵本のデータベース“Diverse BookFinder”による蔵書評価:米・フロリダ大学教育学部図書館の報告(文献紹介)

米国大学・研究図書館協会(ACRL)が発行する“College & Research Libraries News”Vol 81, No 10(2020年11月)に、米国のフロリダ大学教育学部図書館(The Education Library at the University of Florida)の2人の図書館員は共著で執筆した、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)を題材とした児童向け絵本のデータベース“Diverse BookFinder”による蔵書評価の取り組みを報告した記事が掲載されています。

“Diverse BookFinder”は、メイン州ベイツ大学の研究者が米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成金を活用して構築した、BIPOCのキャラクターが登場する絵本の総合データベースです。2002年以降に米国で出版または頒布され、小学3年生(K-3)までを対象とし、英語または英語を含む多言語で描かれた絵本を収録しています。データベースは検索に対応しているだけでなく、絵本の中でBIPOCのキャラクターがどのように描かれているかを分析するためのツールとして、“Collection Analysis Tool (CAT)”を提供しています。

島根大学附属図書館、学生団体「図書館コンシェルジュ」が主催する留学生と日本人学生のオンライン交流イベント「ただ日本語で話すだけ@Zoom」を開催

島根大学附属図書館は、学生団体「図書館コンシェルジュ」が主催する「ただ日本語で話すだけ@Zoom」を2020年12月7日に開催すると発表しています。

同大学のグローバル月間にあわせて開催されるもので、留学生と日本人学生(教職員含む)が日本語で気軽に話す場を作ることを目的としています。

2019年度までは、毎週水曜のお昼休みに、図書館のラーニングコモンズで実施していましたが、今回初めてオンラインで開催されます。

ただ日本語で話すだけ@Zoomを開催/Let’s talk with Japanese people @Zoom (12/7)(島根大学附属図書館,2020/11/18)
https://www.lib.shimane-u.ac.jp/new/2020111700017/

米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)、2020年の年次会計報告書を公開:新型コロナウイルス感染症対策を目的とした合計約4,500万ドルの国内機関支援等の事業を報告

2020年11月16日、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)は2020年の年次会計報告書を公開したことを発表しました。

同報告書は、米国行政管理予算局(Office of Management and Budget)の要請に応じて作成された、2019年10月1日から2020年9月30日までの2020会計年度におけるIMLSの財政状況を報告したものです。2020会計年度におけるIMLSの主要な事業として以下の4点が報告されています。

・新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、経済対策法「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES Act)」に基づき、59の州図書館行政機関に対して合計約3,000万ドルの支援を実施した。また、博物館・図書館・先住民団体等に対して、医療上の緊急事態対応のため、同法の助成金から合計約1,500万ドルの支援を実施した。

・博物館や図書館の感染症対策支援のため、柔軟な運用の可能な助成金制度を採用した。

・OCLC、バテル記念研究所との共同事業REALM Project実施のため200万ドルを調達した。また、同事業に対して、米国議会図書館(LC)、アンドリュー W.メロン財団、ニューヨーク・カーネギー財団からの支援を獲得した。

米・ボストン公共図書館(BPL)、 人種的公平(Racial Equity)に関する活動計画を策定

2020年11月10日、米・ボストン公共図書館(BPL)が、評議員会(Board of Trustees)において、人種的公平(Racial Equity)に関する図書館の声明および活動計画が承認されたと発表しています。

同文書は、公衆衛生上の危機としての人種差別に関する市長の声明に沿って起草されたもので、図書館職員・評議員会・市長の公平性に関する専門スタッフの意見を取り入れて策定されました。同館が反人種差別組織の組織となるためのコミットメントを確立し、図書館業務における明確な次の段階を示すものです。同館では現在、表現や包摂性・多様性を通じて有色人種の声を高めることに意図的に焦点をあててBPLの蔵書が構築されていることを保証するため、収集方針を見直しています。

また、同取組を支援するため、BPLの慈善活動部門であるボストン公共図書館基金(BPLF)が、7万5,000ドルの匿名の助成を受けたとしています。助成は、Black Lives Matterや反人種差別に関する図書の利用増に対処するため、新タイトルの購入や複本の購入、ライセンスの追加に用いられました。

北海道大学アイヌ・先住民研究センターと国立アイヌ民族博物館(北海道)が共同研究推進を目的とした学術連携協定を締結

北海道大学が2020年11月13日付のプレスリリースで、同大学のアイヌ・先住民研究センターと国立アイヌ民族博物館(北海道白老町)が共同研究推進を目的とした学術連携協定を締結したことを発表しています。

国内唯一のアイヌ研究と先住民研究に特化した研究を行う同センターと、国立で初めてのアイヌ民族の歴史と文化を主題にした博物館である同館は、アイヌ・先住民研究の推進及び大学院教育を通じた人材育成とアイヌ民族の歴史と文化の国内外への発信及び調査・研究・収集・展示の領域において連携し、北海道という地域的利点を生かした学術研究と教育活動を推進することに取り組む目的で学術連携協定を締結しました。両者の連携協定には、「アイヌ・先住民に関する共同研究の推進」「博物館活動の推進」「研究者の相互交流」「国際シンポジウム・ワークショップの共同開催」「研究施設・機器の相互活用」「その他、北海道大学アイヌ・先住民研究センターと国立アイヌ民族博物館で合意された事項」の6項目が含まれています。

なお、連携協定の有効期間は協定締結日から1年間ですが、有効期間満了の日の30日前までに両者間で異義の申出がない場合には、更に1年間更新されます。

米・ミシガン大学出版局、学術出版社として初めて査読付きのラップ・アルバム“i used to love to dream”をリリース

米・ミシガン大学図書館が2020年11月3日付のお知らせで、同大学出版局が学術出版社として初めて査読付きのラップ・アルバム“i used to love to dream”をリリースしていることを紹介しています。

“i used to love to dream”は、米・バージニア大学(UVA)でヒップホップ文化やグローバル・サウス問題を研究するカーソン(A.D. Carson)准教授による音楽アルバムです。マイノリティの出自から研究キャリアを重ねる同准教授の個人的かつ学術的なエッセイをラップで表現した8曲で構成されています。

2020年10月5日付のInside Higher Educationの記事では、ミシガン大学出版局のデジタル出版に適した最先端のプラットフォームFulcrum運用が同大学出版局への企画提案の決め手であったこと、同准教授の研究実践やその重要性及び可能な限り幅広く受容される示し方を中心とした査読が行われたことなどが紹介されています。

“i used to love to dream”はFulcrum上で、音楽アルバム、イントロダクション・歌詞・ライナーノーツの収録されたデジタルブック、及び制作過程を記録した短編ドキュメンタリー映像が、全てオープンアクセスにより公開されています。

クロアチアのザグレブ国立・大学図書館、欧州国立図書館員会議による助成金を活用して感染症対応のためのICTシステム整備プロジェクトとロマ社会に関するオンライン展示プロジェクトを実施

2020年10月19日、クロアチアのザグレブ国立・大学図書館(NSK)は、2件のプロジェクトの助成金申請が欧州国立図書館員会議(CENL)によって承認されたことを発表しました。

CENLは2020年8月に、新型コロナウイルス感染症による危機対応支援のための基金“Covid-19 Support Fund”と、国内の少数コミュニティ支援プロジェクト促進のための基金“Hidden Stories Fund”を設立し、加盟館から申請を募集していました。NSKはそれぞれの基金に助成金を申請し、2件ともに承認されています。

NSKは“Covid-19 Support Fund”による2,500ユーロの助成金を活用して、感染症拡大対応のためのICTシステム整備を進めます。感染症対応に基づく運営体制や利用条件の変更を利用者へお知らせするために、館内に大型スクリーンやフロア案内板等の設置を実施します。

筑波大学附属図書館、留学生向けに図書館の使い方を1分間で説明した15本の動画シリーズ「1分チュートリアル」を公開

2020年11月9日、筑波大学附属図書館は、留学生向けに短くシンプルに要点をまとめた図書館の使い方等の動画として、「1分チュートリアル(One minute tutorials)」を公開したことを発表しました。

「本の探し方」、「貸出期間の延長方法」、「リモートアクセスサービスの使い方」などのテーマ別に、英語で作成された15本の動画をYouTubeで視聴することができます。

お知らせ(筑波大学附属図書館)
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/lib/ja/information
※2020/11/09欄に「1分チュートリアル動画を公開しました」とあります

1分チュートリアル動画を公開しました(筑波大学附属図書館)
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/lib/ja/information/20201109

米国図書館協会(ALA)、人種と性のステレオタイプに関する大統領令に対して批判声明を発表

2020年10月29日、米国図書館協会(ALA)は、9月22日付で発令された人種と性のステレオタイプに関する大統領令“Executive Order on Combating Race and Sex Stereotyping”に対する声明を発表しました。

この大統領令は、連邦政府の職員・政府からの契約を請け負った事業者・助成金の受領者に対して、批判的人種理論や白人優位主義に関する議論・検討を禁止し、ダイバーシティに関する教育・研修を中止することを求めています。ALAは発表した声明の中で、この大統領令がダイバーシティに関する教育・研修は人種差別や性差別を再生産するという悪意に満ちた誤りの主張に基づいているとして、否定する立場を明らかにしています。

ALAは、図書館・図書館員が、黒人・先住民・有色人種の人々を抑圧・排除し、女性への機会平等を否定するシステムに加担してきたことを認識し、平等な権利と機会を保障する国家の義務を果たすためには、痛ましく残酷な歴史に学ぶことが不可欠であると主張しています。また、助成金交付の中止を恐れてプログラムの中止を決めた機関が確認され、ホットラインを設置して違反の報告が奨励されていることについて、「マッカーシズム」による検閲を想起させるものとして懸念しています。

ProQuest社、アフリカ系アメリカ人の公民権・人権運動等に関する資料のウェブサイトを公開:学生・教育者等のための無料リソース

2020年10月26日、ProQuest社が、学生・教育者等のための無料リソースとして、米国におけるアフリカ系アメリカ人の公民権・人権運動等に関する資料をまとめたウェブサイトを公開したことを発表しました。

発表によると、以下の6つの重要なフェーズに焦点を当て、2,000件以上の資料がオンライン公開される予定です。

・奴隷制への反対と19世紀の奴隷制度廃止運動
・南北戦争と再建期(Reconstruction Era)における奴隷制の終了
・ジム・クロウ法による差別との闘い
・ニューディール政策と第二次世界大戦
・1946年から1975年にかけての公民権運動とブラック・パワー運動
・1976年以降の現代

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