学術情報

Clarivate Analytics社の科学情報研究所(ISI)、共著論文の計量書誌学上の影響関係を分析した調査報告書を公開

2019年12月4日、Clarivate Analytics社は、計量書誌学手法の開発等に従事する同社の事業部門である科学情報研究所(Institute for Scientific Information:ISI)が、共著論文の計量書誌学上の影響関係を分析した調査報告書“Multi-authorship and research analytics”を公開したことを発表しました。

Web of Science(WoS)のデータに基づいて分析が行われ、次のようなことが指摘されています。

機関リポジトリにセルフアーカイブされる著作物の権利問題に関する資料種別ごとの実用的な担当者向けガイド(米国)(文献紹介)

2019年11月30日付けで、Journal of Copyright in Education and Librarianship誌のVol. 3 No. 3に、“Checking Rights: An IR Manager’s Guide to Checking Copyright”と題する記事が掲載されています。記事は米・西オレゴン大学のStewart Baker氏・Sue Kunda氏の共著により執筆されました。

同記事は米国の機関リポジトリ担当者を想定して、登録される代表的な資料の種別、資料種別ごとの潜在的な著作権問題、その他の考慮事項、参考になる情報源等を解説・紹介した実用的なガイドとして作成されています。

まず資料種別によらず、担当者が抱える共通の問題として、学術的な著作物が「職務著作」に当たるかどうかの判断、教員・学生の著作権に関する知識の不足に起因する問題等が取り上げられています。前者については、判例でも明確な判断はなく機関内で明文化された規定がないと関係部署へ個別に問い合わせの必要な場合があること、後者については、セルフアーカイブを教員・学生が自発的に行えないことや引用・分析等に使用した第三者の著作物を適切に処理できないことに対して、ガイダンス等で啓発が必要であることなどに言及されています。

学術雑誌契約のオープンアクセス(OA)要項モニタリングに必要な論文レベルのメタデータのチェックリスト化(文献紹介)

2019年11月26日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌において、論文“Monitoring agreements with open access elements: why article-level metadata are important”が掲載されました。英・JiscのMafalda Marques氏、オランダ・ライデン大学図書館のSaskia Woutersen-Windhouwer氏、フィンランド国立図書館のArja Tuuliniemi氏による共著論文です。

近年、コンソーシアムや学術機関が、論文処理費用(APC)の割引・オフセット契約・“Read and Publish”契約といったオープンアクセス(OA)要項を含む契約を出版社と締結する事例が増加しています。こうした契約を締結した場合、コンソーシアムや学術機関はOAで出版された論文数、契約のコスト、契約の価値をモニタリングする必要があるため、出版社は契約に基づきOAで出版された論文に関して、コンソーシアム・研究機関・資金助成機関に対する説明責任を負います。出版社がこうした説明を行うための方法の1つは定期的に論文レベルのメタデータをレポートとして報告することです。

メールマガジン『人文情報学月報』が第100号に到達:巻頭言「『人文情報学月報』100号を迎えて」を掲載

一般財団法人人文情報学研究所の編集によるメールマガジン『人文情報学月報』が、2019年11月30日付けの発行号で第100号に到達しました。2011年に同研究所とAcademic Resource Guide株式会社との共同編集により創刊され、2018年6月刊行の第83号からは同研究所が単独で編集を担当しています。

第100号では、同研究所主席研究員の永崎研宣氏による巻頭言「『人文情報学月報』100号を迎えて」のほか、連載記事2本、イベントレポート2本等が掲載されています。

人文情報学月報第100号(人文情報学月報)
https://www.dhii.jp/DHM/dhm100

関連:
人文情報学月報第83号【後編】(人文情報学月報)
https://www.dhii.jp/DHM/dhm83-2
※編集後記に、同号から人文情報学研究所の単独刊行となった旨の記載があります。

米・カリフォルニア大学、1992年以来の改訂を目指す新しい同大学構成員の著作権保有に関するポリシー草案について大学構成員からのフィードバックを募集

米・カリフォルニア大学のOffice of Scholarly Communicationが、2019年11月20日付で、新しい同大学構成員の著作権保有に関するポリシー草案の内容と、2019年12月15日までこの草案への大学構成員からのフィードバックを募集していることを紹介したブログ記事を掲載しています。

カリフォルニア大学は同大学構成員の著作権保有に関するポリシーについて1992年以来の改訂を目指しています。新しいポリシーの草案は2019年9月16日に同大学のProvostであるMichael T. Brown教授からの大学構成員向けのカバーレターとともに示されています。カバーレターではポリシー改訂の目的として、文言の簡素化と曖昧な部分を減らすことを挙げ、具体的な改訂草案の例として以下のような内容を挙げています。

・文言の簡素化や「学内人事マニュアル(Academic Personnel Manual)」への言及の撤廃によって著者の定義を改訂し、著作権保有資格のある大学構成員の範囲を拡大する。

・既存のポリシーでは明確でない学術著作物・芸術著作物の定義化と、ソフトウェアの著作権に関する製作した大学構成員への帰属の明確化により、大学構成員が著作権を保有できる著作物の対象範囲を拡大する。

【イベント】第2回 SPARC Japan セミナー2019「オープンサイエンスを支える研究者情報サービスとその展望」(12/20・東京)

2019年12月20日、東京都文京区の筑波大学東京キャンパス文京校舎において、第2回 SPARC Japan セミナー2019「オープンサイエンスを支える研究者情報サービスとその展望」が開催されます。

オープンサイエンスの進展において、研究成果の生産者や研究者のアクティビティを正確に捉えるため、研究者情報サービスの重要性が増していることを背景に、研究者総覧・研究者データベースや機関リポジトリ等の大学・研究機関で組織的に整備されるサービスを中心に取り上げ、researchmap等の大学・研究機関外で整備されるサービスも視野に入れつつ、「令和時代のオープンサイエンス」における研究者情報サービスの課題と展望を議論する、としています。

参加費は無料ですが、定員は70人で、事前の申込が必要です。
当日は動画中継も予定されています。

主な内容は以下の通りです。

・開会/概要説明

・機関研究情報システムの内外展開とこれからの課題
 青木学聡氏(京都大学情報環境機構)

・横浜国立大学における研究者データベースと外部サービスの連携
 矢吹命大氏(横浜国立大学研究推進機構)

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、過去に刊行された科学技術白書の本文情報等を検索できる「科学技術白書検索」を公開

2019年11月28日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、「科学技術白書検索」の公開を発表しました。

昭和33(1958)年版から平成29(2017)年版までの全ての科学技術白書のテキスト情報(本文や図表の表題など)がデータベース化されており、キーワード検索のほか、類義語も併せて検索する「あいまい検索」や、検索したキーワードの各白書における出現回数分布を表示する機能も備えています。

科学技術白書検索の公開について(NISTEP, 2019/11/28)
https://www.nistep.go.jp/archives/43094

科学技術白書検索/関連データ(NISTEP)
https://www.nistep.go.jp/research-scisip-whitepaper-search

米・SPARC、高等教育機関向けに学術データとその基盤への出版業界の統制増大に対抗するためのロードマップを公開

2019年11月19日、米・SPARCは、高等教育機関向けに学術データとその基盤への出版業界の統制増大に対抗するためのロードマップとなる報告書として、“A Roadmap for Action : Academic Community Control of Data Infrastructure”の公開を発表しました。

このロードマップは、2019年前半に公開済の学術出版業界の現況に関するSPARCの詳細分析を踏まえて作成されています。筆頭著者である市場アナリストのClaudio Aspesi氏は、ロードマップ作成の背景として、「学術出版業界は大きな変革期にあり、従来までのコンテンツ提供事業だけでなくデータ分析をも事業化しようとしている。この傾向は重要な意味を持つものであり、高等教育機関の財政、中核的使命、重要情報を管理するための機能に深い影響を及ぼす可能性がある。この変化する状況には、隠れてはいるが負の帰結につながりうる対処すべき重大な問題が含まれている。今行動を起こさなければならない」とコメントしています。

【イベント】龍谷大学法情報研究会×京都府立図書館「法教育フェスタ2019」(12/1・京都)

2019年12月1日、京都府立図書館(京都市左京区)において、龍谷大学法情報研究会が主催する「法教育フェスタ2019」が開催されます。

入場無料、定員60人(予約優先)であり、「当日参加も可能ですが、できるだけ事前にお申込みください」とあります。主なプログラムは以下のとおりです。

【第1講時】「桃太郎の大罪」
講師:石塚伸一氏(龍谷大学法学部・犯罪学研究センター長・弁護士)

【第2講時】「法情報で身につけよう護身術」
講師:中村有利子氏(龍谷大学ローライブラリアン)
京都府立図書館スタッフ

【オプショナルツアー】「京都府立図書館見学」
※京都府立図書館スタッフによる図書館案内

【ランチトーク】「漫画で法学」
講師:水知せり氏(漫画家)
※「昼食付き。ランチをとりながら行います」とあります。

【第3講時】「愉快な国際結婚のなぞなぞ」
講師:金美和氏(青森中央学院大学経営法学部)

【第4講時】「実践!THE模擬裁判」
講師:一般社団法人リーガルパーク&日本学生法教育連合会(USLE)
指導:弁護士 今井秀智氏

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、調査資料「論文の引用・共著関係からみる我が国の研究活動の国際展開に関する分析」を公開

2019年11月22日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、調査資料「論文の引用・共著関係からみる我が国の研究活動の国際展開に関する分析」を公開しました。

文献データベースScopusを用いて、論文の国際的な引用・共著関係の分析を行うことにより、日本の研究活動の国際的影響の把握を試みたものです。要旨では次の内容が紹介されています。

・研究規模の大きな国・地域の中では米国、中国、韓国、台湾が、研究の成長性が高い国・地域ではインドネシア、ベトナム、フィリピンといったASEAN 加盟国が、日本と高引用・高共著関係にある国・地域、つまり研究成果の普及・協力関係の構築において日本と関係が強い国・地域として特定されたこと
・特定された国・地域の多くはアジアに位置しており、本分析の結果は、研究成果の普及・協力関係の構築に地理的近接性がプラスに作用することを示していること
・地理的近接性があり、研究の成長性も高いASEAN 諸国との協力は、日本の研究活動の国際展開を図るうえで今後重要となる可能性があるという政策的示唆が得られたこと

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