情報専門職

Library Journal誌、2019年の米国の図書館情報学大学院卒業生の就職・給与状況調査の結果を掲載

2020年10月15日、Library Journal誌が実施している、米国の図書館情報学(LIS)大学院卒業生の就職・給与状況調査について、2020年版(2019年の状況)のデータが公開されています。

米国図書館協会(ALA)から認定を受けた図書館情報学大学院のうち、米国に所在する52の大学院に対し調査の呼び掛けが行われ、36の大学院が調査に協力しました。2019年、これら36の大学院では4,263人に学位を授与しましたが、全体の約26%に当たる1,106人が調査に回答しています。

調査結果のハイライトとして、次の6点が挙げられています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、図書館におけるデータサイエンスやその分析手法の応用に関するワーキンググループを新たに設置

2020年10月1日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、図書館におけるデータサイエンスやその分析手法の応用に関する取り組みの調査・促進を目的としたワーキンググループを新たに設置することを発表しました。

同WGは、蔵書コレクション・メタデータ・デジタル情報基盤・図書館サービス等に関わるあらゆる種類の処理・ワークフローを検討対象とし、主に次のような分野で活動することを想定しています。

・欧州およびその他の地域における重要な取り組み・プロジェクトの特定と分析
・図書館固有の環境や要件に応じたデータサイエンスの手法やツールの調整手段に関する研究
・優れた実践や課題等の特定
・技術・能力開発のための方法と戦略への評価

LIBERは現在、データサイエンス、データアナリティクス、機械学習、テキスト・データ・マイニング等の分野に専門知識を持ったWGへの参加者を募集しています。同WGは2021年の第1四半期から正式に活動を開始する予定です。

文部科学省、令和3年度の概算要求等の発表資料一覧を公表

2020年9月29日、文部科学省が、令和3年度の同省の概算要求に関する発表資料の一覧を公表しています。

文部科学省の概算要求では、「学校教育・社会教育を担う教育人材(社会教育主事、司書等)の資質能力の向上」、「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン(図書館のデジタル化(貴重資料等のデジタル化システムの構築))」、「特別支援教育の生涯学習化を進める「障害者活躍推進プラン」等の推進(図書館における障害者利用の促進)」等が挙げられています。

また、文化庁の概算要求では、「日本映画の創造・振興プラン(国立映画アーカイブとの有機的な連携)」「メディア芸術の創造・発信プラン(アーキビスト等人材の育成促進・メディア芸術DBの充実)」「文化遺産オンライン構想の推進」「災害等から文化財を護るための防災対策促進プラン」「博物館等の国際交流の促進」「文化関係資料のアーカイブの構築等に関する調査研究事業」「被災ミュージアム再興事業」等が挙がっています。

日本学術会議、提言「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」を公表

2020年9月14日、日本学術会議は、同会議の若手アカデミーによる提言「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」を公表しました。

同提言は、職業科学者ではない一般の市民によって行われる科学的活動「シチズンサイエンス」について、海外と比べて拡大の兆しが見えず、展開されたとしても実施のための基盤整備が十分とは言えない点を日本における推進の課題として指摘しています。具体的な問題点として、「シチズンサイエンスを広げるシステムの不足」「シチズンサイエンスの研究倫理を保持する基盤整備の不足」「職業科学者とシチズンサイエンスを行う市民を橋渡しし、双方向性のあるシチズンサイエンスを推進するための基盤整備の不足」「シチズンサイエンティストの活動を支援する研究資金制度の不足」の4点を挙げ、これらの現状と問題点を踏まえて以下の4点を提言しています。

(1) シチズンサイエンスの知識生産活動への拡大に向けた広報活動
(2) シチズンサイエンスの研究倫理を保持する基盤整備
(3) シチズンサイエンスを推進するための社会連携の基盤整備
(4) シチズンサイエンティストの活動を支援する研究資金制度の確立

日本学術会議、提言「博物館法改正へ向けての更なる提言~2017年提言を踏まえて~」を公表

2020年8月27日、日本学術会議は、提言「博物館法改正へ向けての更なる提言~2017年提言を踏まえて~」を公表しました。

この提言は2017年の提言「21世紀の博物館・美術館のあるべき姿―博物館法の改正へ向けて」を背景に作成されました。2017年の提言発出後の法改正や中央省庁の組織改編により、文化財保護法と博物館法の一元化に向けた議論の素地が生まれた一方、公立博物館の地方独立行政法人化の加速が見込まれることから、博物館法改正による多様化が進む博物館の現状との乖離を解消、及び、学芸員資格制度や公立博物館における人事・予算・運営の窮迫の改善の必要等を指摘しています。

新たに発出された提言では、「登録博物館制度から認証博物館制度への転換」、「学芸員資格制度の改革及び研究者としての学芸員の社会的認知の向上」、「博物館の運営改善と機能強化」の3点を来るべき博物館法改正とその後の展望として示し、文化審議会博物館部会等での検討を期待する提言として以下の5点を挙げています。

米国アーキビスト協会(SAA)、「アーキビストの中核的価値」「アーキビストの倫理綱領」を改訂

2020年8月6日、米国アーキビスト協会(SAA)は、8月3日にオンラインで開催された評議会において、倫理・専門家行動委員会(Committee on Ethics and Professional Conduct)が提案した「アーキビストの中核的価値(Core Values of Archivists)」「アーキビストの倫理綱領(Code of Ethics for Archivists)」の改訂が承認されたと発表しています。

2018年の意見聴取期間に寄せられた会員からの意見を反映させたものです。今後も、定期的に会員の意見を聴取し見直していくとしています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、政府による図書館情報学課程の学費の値上げ方針に反対する声明を発表

2020年6月29日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、政府による大学の学費の改訂方針に関し、図書館情報学課程の値上げに反対する声明を発表しました。

政府が提案する“Job-ready Graduates Package”では、労働市場での優先分野に合致した課程では学費が大幅に削減される一方(情報技術(IT;20.6%減)、教育(45.6%減))、図書館情報学課程は113%値上げとされたことをうけ発表されたものです。

そして、近年の新型コロナウイルス感染拡大下において示された、オンライン環境での活動への適応のためにITの知識と技術を活用した革新的な教育者としての図書館情報学分野の専門家の価値や、図書館情報学の専門家が教職の労働人口の重要な部分を占めていることを示したうえで、政府は、図書館情報学の卒業者が労働市場の優先分野に合致していることを考慮し、ITや教育に関する課程と同等の学費とするよう求めています。

ALIAでは図書館情報学課程の学費を削減することで、ITに詳しい教育者としての多様な労働人口として、図書館情報学分野の専門家を強化することができると指摘しています。

学術出版協会(SSP)、学術出版界において役割ごとに必要とされる専門職としてのスキル等をマッピングしたキャリア開発のためのツール“Professional Skills Map”を公開

2020年6月17日、学術出版界の部門間のコミュニケーション促進等を目的に活動する非営利団体・学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)は、学術出版界において役割ごとに必要とされる専門職としてのスキル等をマッピングしたキャリア開発のためのツール“Professional Skills Map”を公開したことを発表しました。

“Professional Skills Map”は、どのようなキャリア段階にいるユーザーであっても、その役割を発見し、キャリアアップに必要な要素を直接比較可能になるツールとして、学術出版界では初めての試みとして開発されました。ツールは会員メンバー等235人に対して、SSPが電子メールやソーシャルメディア上で実施した、それぞれの役割に求められる専門的技能に関する調査に基づいて作成されています。調査は、所属組織の種類、現在の役割が扱う領域、肩書き、学術出版界での所属年数や、現在までのキャリアアップと将来のキャリア開発に関連する複数の個人的特性とスキルの回答を求めて、2019年後半に実施されました。

国立公文書館、2020年度のアーキビスト認証を開始:申請方法等を示した『令和2年度 認証アーキビスト 申請の手引き』など関係文書をウェブサイト上で公開

国立公文書館が同館ウェブサイト上で、2020年度から開始するアーキビスト認証について、申請スケジュールや申請方法等を案内したページとして、「アーキビストの認証について」を公開しています。

アーキビスト認証は、公文書等の管理に関する専門職員に係る強化方策として、国民共有の知的資源である公文書等の適正な管理を支え、かつ永続的な保存と利用を確かなものとする専門職を確立するとともに、その信頼性及び専門性を確保するため、2020年度から国立公文書館が開始する制度です。同制度により認証された「認証アーキビスト」には、国立公文書館長名による認証状が授与されます。

公開された「アーキビストの認証について」では、2020年度のアーキビスト認証のスケジュールとして、2020年9月1日から30日まで申請を受付し、10月から12月の審査期間を経て、2021年1月に認証が行われることなどが案内されています。また、申請方法等を案内した2020年6月付の『令和2年度 認証アーキビスト 申請の手引き』などのアーキビスト認証に関する関係文書が同ページで公開されています。

国文学研究資料館、アーカイブズ・カレッジ(史料管理学研修会)の地方開催継続を目的としたクラウドファンディングを開始

国文学研究資料館が、アーカイブズ・カレッジ(史料管理学研修会)の地方開催継続を目的としたクラウドファンディングを開始しています。

同館が、歴史記録の保存を担う人材(アーキビスト)の育成を目的に行っている「アーカイブズ・カレッジ」のうち、地方で開催する1週間の短期コースが、予算削減により2020年度から中止せざるを得なくなったことから、その継続のため実施されるものです。

目標金額を達成した場合、それをもとに、2021年から2年間、「アーカイブズ・カレッジ」を秋(10月・11月)に1週間開催するとともに(2021年:松江市、2022年:富岡町(福島県))、地方の危機という現実問題に取り組むために、これまでの蓄積を基にしながら、より現実即応型の人材育成とそのような人材による全国ネットワーク化を目指すとしています。そのうえで、3年目以降のさらなる事業展開を図っていくと説明されています。

また、人材育成に止まらず、開催地での市民向け講演会を開催し、一般社会にもアーカイブズの重要性を伝えていくとのことです。

目標金額は300万円で、期限は2020年8月7日の午後11時です。

ページ