アフリカ

「語り部」が記憶する部族の系譜や伝承を記録し保存する取組(アフリカ):系図記録を収集・保存する米国の非営利団体FamilySearchによる事業(文献紹介)

2019年8月にギリシャのアテネで開催される第85回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、系図記録を収集・保存する米国の非営利団体FamilySearchのブッシュ(Cherie Bush)氏・リンチ(Russell S. Lynch)氏による“Oral Genealogy in Africa: Preserving Critical Knowledge”と題する文献が公開されています。

アフリカの部族では、指名された「語り部」が、6世代から30世代前に及ぶ先祖の名前や部族の伝承を記憶し口承する伝統がありますが、「語り部」の高齢化、若者の離村、自然災害、戦争等により消失の恐れがあることから、FamilySearchでは、2004年から、人々が自身のルーツをたどり、また、研究者が検索できるようすることを目的に、アフリカにおいて、オーラル・ヒストリーの手法で系譜情報を記録化するプロジェクトを開始しました。

同プロジェクトでは、部族・村・氏族の長と交渉・調整し、150を超すアフリカの協力団体と連携して「語り部」を訪問し、記憶している系譜や伝承を記録化しています。

E2159 - ジャーナルプラットフォームの連合体“GLOALL”の結成

ユネスコが提唱する“Inclusive Knowledge Societies”という概念がある。全ての人々は,各々に合った言語や形式により,情報やコミュニケーション手段にアクセスすることが可能で,またそれらを解釈し活用するためのスキルを備えている,という状態を指し,ユネスコはそのような社会の実現を目指さなければならないとしている。科学技術・学術情報の流通も,この概念で言うところの「情報」及び「コミュニケーション手段」に含まれると考えられるが,現在の学術ジャーナルを巡る情勢は,いわゆるオープンアクセス(OA)に関する議論を踏まえても,理想的な状態からは程遠いと言わざるを得ない。特に2018年に欧州の助成機関が発表した,公的助成による研究の成果論文の即時OAを義務化する計画である“Plan S”と,それに関して世界的に展開された激しい議論は,立場による見解の相違はあるものの,科学技術・学術情報流通が多くの問題を抱えた状態にあることの明確な証左として共通認識されたのではないだろうか。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)と西・中央アフリカ研究教育ネットワーク(WACREN)、アフリカのオープンアクセス・オープンサイエンス推進を目的に連携協定を締結

2019年6月3日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)と西・中央アフリカ研究教育ネットワーク(WACREN)が、アフリカのオープンアクセス(OA)・オープンサイエンス推進を目的に連携協定を締結したと発表しています。

広大で多様なアフリカにおいてオープンサイエンスを採用するには、多様な国や地域の優先順位やニーズを反映したサービスが必要であることから、連携することで、OAとオープンサイエンスのための地域・国の能力やサービスを強化することが目的です。

前年の、EIFLとCOARの支援を受けてWACRENが実施したLIBSNSEプロジェクトの成果の上にに締結されたもので、引き続き、COARは、世界的なトレンドや技術(リポジトリやオープンサイエンスに関する知識)をWACRENに提供し、WACRENはCOARの国際的な活動に対してアフリカの視点を提供します。

太田市立新田図書館(群馬県)、東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンであることに因み、マラウイ共和国に関する展示を実施中

群馬県の太田市立新田図書館が、マラウイ共和国に関する展示を、2019年5月12日まで実施しています。

太田市が、マラウイ共和国の2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンであることから実施しているもので、同国関連のパネルや書籍等が展示されています。

また、群馬県立図書館所蔵のマラウイ関連書籍も5月31日まで展示されています。

オリンピック×新田図書館×県立図書館~新田図書館は東京2020を応援します~(太田市)[PDF:2ページ]
https://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0170-014kyoiku-tosyokan/01news/files/orinnpic.pdf

5つの国際的オープンアクセスイニシアティブがオープンアクセスに関するサンパウロ声明を公表

2019年5月1日、ブラジル・サンパウロで開催中であったGlobal Research Council(GRC)の2019年総会において、African Open Science Platform、AmeLICA、cOAlition S、OA2020、SciELOの5つの国際的オープンアクセス(OA)イニシアティブが会合を開き、OAに関するサンパウロ声明(São Paulo Statement on Open Access)を公表しました。

声明では以下の5点が述べられています。

・5機関は科学的知識は国際的な公共財であると考えている。公的資金によって生み出された科学的知識への自由なアクセスは普遍的な権利である。

・5機関は学術情報に対する普遍的で、制限のない、即時のOA(人および機会による利用・再利用を含む)を提供する、という究極の共通目的を共有している。

・5機関はこの共通目的はさまざまなアプローチを通じて達成できる、という信念を共有している。

・5機関はそれぞれのアプローチ間の整合性と、共通目的を達成するために協力する方法を追求していく。

NIIとWACREN、オープンサイエンス基盤の研究開発に関し覚書を締結

2019年3月15日、NIIは、西・中央アフリカ研究教育ネットワーク(West and Central African Research and Education Network:WACREN)とオープンサイエンス基盤の研究開発に関し覚書を締結したことを発表しました。

最初のプロジェクトでは、リポジトリと研究データ管理システム(RDM)の共同開発を開始するとしています。

NII and WACREN Sign a Memorandum of Understanding on R&D of Open Science Infrastructure(NII, 2019/3/15)
https://www.nii.ac.jp/en/news/release/2019/0315.html

GoogleとWikimedia財団、様々な地域言語によるウェブコンテンツ拡大のための連携を発表

2019年1月22日、GoogleとWikimedia財団が、様々な地域言語(local languages)によるウェブ上の情報が不足しているとの課題認識のもと、そのような言語によるコンテンツを増やすことを目的に連携すると発表しました。

Wikipediaの編集者が、GoogleのTranslate API(翻訳)・Custom Search API(引用情報のメンテナンス)・Cloud Vision API(デジタル化)を無料で利用可能とすることや、インドの12言語によるWikipedia記事を拡充するパイロットプロジェクトのインドネシア・メキシコ・ナイジェリア・中東・北アフリカ地域の10言語への拡大(“GLOW:Growing Local Language Content on Wikipedia”プログラム)が発表されています。

また、Wikimedia財団によるプロジェクトを支援するため、Googleがウィキメディア基金(Wikimedia Endowment)に200万ドル、ウィキメディア財団に110万ドルの寄付を行なうことも発表されています。

カタール国立図書館(QNL)、同館のIFLA/PACアラビア語圏地域センターとしての役割について国際図書館連盟(IFLA)と3年間の延長で合意

2019年1月20日、カタール国立図書館(QNL)は、同館のIFLA/PACアラビア語圏地域センターとしての役割について、国際図書館連盟(IFLA)と3年間の延長で合意したと発表しています。

同館では、ユネスコ(UNESCO)との18か月間の連携プロジェクトを含む、アラブ地域の文献遺産の保存支援に関するいくつかの事業を計画しており、将来的にはアラブのいくつかの国での保存・保全に関する研修やワークショップの開催も予定しています。

Qatar National Library Extends its Role as Regional IFLA Preservation and Conservation Center(QNL,2019/1/20)
https://www.qnl.qa/en/about/news/qatar-national-library-extends-its-role-regional-ifla-preservation-and-conservation

E2096 - 研究データ同盟第12回総会<報告>

「障壁なきデータ共有」をスローガンとする研究データ同盟(RDA;E2029ほか参照)の第12回総会は,“Digital Frontier of Global Science”をテーマに,2018年11月5日から8日にかけてボツワナ共和国のハボローネで開催された。今回の総会はInternational Data Week(IDW)2018として,データサイエンス全般を対象とするSciDataCon 2018と同時開催した。RDAには137の国・地域から7,000人以上が登録している(第12回総会時点)。本総会には820人が参加し,日本からは筆者を含め10人が参加した。参加者の属性は主にデータ共有に関する研究者,データ管理者,図書館員,行政関係者等である。はじめてアフリカで開催されたということもあり,参加者の6割程度がアフリカからの参加者であった。

アフリカ諸国の多様な学術成果の共有を目的としたプレプリントサービス“AfricArXiv”が公開

2018年6月25日、アフリカ諸国の多様な科学分野の学術成果の共有を目的としたプレプリントサービスとしてAfricArXiv(African Science Archive)が公開されました。

非営利団体Center for Open Science(COS)と共同で開設されたもので、ガーナで開催されたAfrican Open Science Hardware Summitにおいて、アフリカにおけるオープンサイエンスのためのリポジトリの必要性が浮上したことに対して、COSのエグゼクティブディレクターがアフリカのためのプレプリントリポジトリを提案したことにより実現したものです。

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