2018年3月20日、米国化学会(ACS)は、化学分野のプレプリントサーバーChemRxivの財政的・戦略的発展を支援するため、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry:RSC)、ドイツ化学会(Gesellschaft Deutscher Chemiker:GDCh)と提携することを発表しました。
2018年3月21日、米・公共図書館協会(PLA)が、米国図書館協会(ALA)図書館アドヴォカシー部及びOCLCと連携して実施した共同調査の報告書“From Awareness to Funding: Voter Perceptions and Support of Public Libraries in 2018”を公開しました。
2017年11月28日,オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の次世代リポジトリワーキンググループは,「次世代リポジトリの機能要件および技術勧告(Next Generation Repositories Behaviours and Technical Recommendations of the COAR Next Generation Repositories Working Group)」を発表した。同報告書には,次世代リポジトリとしての11の機能要件とその機能要件に関係する技術勧告が示されている。同ワーキンググループは,次世代リポジトリのビジョンを「リポジトリを,分散型でグローバルにネットワーク化された学術コミュニケーションのインフラストラクチャの基礎として位置付け,その上に付加価値サービスを積み重ね,それにより(商業出版社に支配された)既存のシステムを,より研究中心的で革新的な,学術コミュニティによって共同管理されたシステムに,変えていくこと。」と定義している。次世代リポジトリは,従来の人間によるアクセスだけでなく機械的な処理が可能であることを重視しており,11の機能要件は付加価値サービスおよび機械アクセスを強く意識した内容である。以下,11の機能要件と,関係する技術勧告を挙げる。
2017年11月,Digital Science社は,学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性に関するレポート“Blockchain for Research - Perspectives on a New Paradigm for Scholarly Communication”を公開した。ブロックチェーンは,仮想通貨ビットコインの中核技術として発案された。すべての取引記録が,サーバのような機能を有するビットコイン使用者のPCに分散して同期・保存されるので,その改ざんは極めて難しく,また中央集権的なシステムとは違いシステムダウンの心配がなく堅牢性が高い。すべての取引記録は暗号化されて保存されるため,公開されてはいるが匿名性はほぼ保持される。また契約を自動的に執行するスマートコントラクトをブロックチェーン上で利用すれば,あらかじめ定めたとおりに自動的に取引を執行することもできる。ブロックチェーンは最近,教育・医療などの分野でその適用が模索されており,また出版業,小売業・製造業などの業界にも大きな影響を与えている。このレポートでは,学術コミュニケーションや研究一般を変容させうるブロックチェーンの可能性に焦点を当て,学術コミュニケーションの課題,それへのブロックチェーン適用の可能性,適用に際しての注意点などを,ブロックチェーンの最近の活用事例を交えながらまとめている。これらのうち,本稿では,ブロックチェーン適用の可能性を中心に紹介する。