本稿ではOCLCとIthaka S+Rが2018年10月に発表した報告書“University Futures, Library Futures: Aligning library strategies with institutional directions”について紹介する。報告書では,米国の高等教育機関のワーキングモデルを教育活動及び提供形態の点から定義し,主要な9つの図書館サービスの枠組みから機関の類型を比較し,図書館のサービス内容が大学の組織上の優先事項に対応しているという仮説を検証することを試みている。教育活動は,博士課程の「研究」,学士課程の「教養教育」,その他の「職業教育」について各機関が最も重心を置く活動の点から分類しており,提供形態としてキャンパスへの通学を前提とする授業と,オンラインコースの2つが挙げられている。OCLCは大学の3つの類型を検討し,Ithaka S+Rは図書館サービスについての調査を担当した。