2019年5月7日、Europeanaは2018年の年次報告書及び年次会計報告書である“Europeana Foundation Annual Report & Accounts 2018: A decade of democratising culture”の公開を発表しました。
年次報告書は、2018年は欧州文化遺産年(European Year of Cultural Heritage)であると同時にウェブサイト公開10周年に当たる重要な年であったとして、2018年を10のハイライトで振り返るという形式で構成されています。2018年の活動として、欧州内の移民の個人的体験共有のキャンペーン、第1次世界大戦期に書かれた手書き文書2,800点以上の翻刻、データ取り込みプロセスの更新、システム更新によるコレクション発見可能性の向上、Impact Playbookを利用したデジタルアーカイブ評価、教員向け教材の作成とMOOCによる配信などのトピックが示されています。
ドイツ・ボン大学のNeda Abediyarandi氏とGESIS- Leibniz Institute for the Social SciencesのPhilipp Mayr氏による、2000年から2017年までにドイツ国内の大学で発表された文献分析に基づくドイツのオープンアクセス(OA)状況に関する論文“The State of Open Access in Germany: An Analysis of the Publication Output of German Universities”がarXiv上で公開されました。この論文は2019年開催の17th International Conference on Scientometrics and Informetricsのポスター発表としてアクセプトされています。
この研究は、2000年から2017年までの期間に、所属機関の研究者の発表文献がWeb of Science(WoS)内に2,000件以上収録されているドイツ国内66大学を対象としています。研究では、WoSから66大学が対象期間内に発表した文献を抽出し、無料公開の研究論文に誘導するサービスUnpaywallを用いるなどして、抽出した文献をOA状況によりゴールドOA、グリーンOA、非OAに分類する方法で分析されています。
長期間引用されていなかったにもかかわらず、ある時期から急に被引用数が増加する論文は、計量書誌学分野においてしばしば”sleeping beauty”(「眠れる森の美女」)論文と呼ばれてきましたが、この比喩の妥当性についてオランダ・ライデン大学の科学計量学者Ton van Raan氏と、米国の情報科学技術協会(ASIS&T)の雑誌編集部との間で論戦が起こっていることが、英The Guardian紙等で報じられています。