障害者サービス

韓国で図書館法改正案3本が国会に提出される:広域代表図書館の機能強化・公共図書館の登録制・図書館の日の制定・特化図書館の規定・公共図書館設置前の事前評価制・障害者用デジタルファイルの提出先変更等

韓国の国会に、図書館法の改正案が3本提出されており、2020年8月25日、韓国図書館協会(KLA)が各案の内容を紹介しています。

42人の議員の連名で発議された「図書館法全部改正法案」(議案番号2222、提案日2020年7月21日)は、1963年の同法制定以降、現行法体系が、図書館の社会的責任やその役割遂行に大きな貢献をしてきたものの、図書館を取り巻く環境が大きく変化したこと、また、図書館の運営と発展に対して国が責任を負えるように体系を再整備するとともに、障害者等の情報弱者に対する配慮を強化し、市民が図書館を普遍的に利用できるように関連規定を整備する必要があることから、広域代表図書館を公共図書館の一つのタイプとして、管轄地域の図書館の公共性強化の中心機関としての役割を実行させるとしています。また、公共図書館を登録制に変更し図書館に対する管理・監督を強化する一方、毎年4月12日を図書館の日と定め、同日から1週間を図書館週間として、図書館の発展を通じた文化先進国を実現することを意図するもの、とされています。

米国議会図書館(LC)、活字による読書が困難な利用者に対する優れたサービスを提供している図書館を表彰

2020年8月19日、米国議会図書館(LC)の障害者サービス部門「視覚障害者及びプリントディスアビリティのある人々のための全国図書館サービス(National Library Service for the Blind and Print Disabled:NLS)」が、活字による読書が困難な利用者に対し、優れたサービスを提供している図書館を表彰すること発表しました。

受賞館は以下の2館です。

・Oklahoma Library for the Blind and Physically Handicapped
発表の中では、同館が、合計15万点以上の点字図書、録音図書、雑誌等の貸出を行ったことが述べられています。また、オンデマンドの情報提供サービスをはじめとした活字による読書が困難な人の情報アクセスを向上するプログラムや、点字、大活字等での教科書や教材の子ども、学校への貸出を行ったこと等に触れられています。

八王子市中央図書館(東京都)で「障害者と支援者のためのiPad・電子書籍の活用講座」が開催

2020年9月27日及び10月4日に、東京都の八王子市中央図書館3階の視聴覚ホールで、八王子市心身障害者福祉センターの主催・八王子市図書館等の共催により、「障害者と支援者のためのiPad・電子書籍の活用講座」が開催されます。

八王子市内に在住・在勤・在学の障害者とその家族及び支援者(視覚障害を除く)を対象に、タブレットを使った八王子市図書館の電子書籍サービスの活用方法を紹介する内容です。参加費は無料ですが、参加を希望する場合には往復はがきで申し込みする必要があります。定員は5人までで応募多数の場合は抽選となります。

CDNLAOニュースレター、最新号で「障害者向け図書館サービス」を特集:3か国の国立図書館におけるサービス状況を紹介

2020年8月17日、国立国会図書館(NDL)は、NDLが編集するCDNLAO(アジア・オセアニア国立図書館長会議)の英文ニュースレター“CDNLAO Newsletter”第96号の公開を発表しました。

特集として「障害者向け図書館サービス」を取り上げており、中国、日本、ニュージーランドの国立図書館によるサービス状況を紹介する以下の記事を掲載しています。

中国:“Services for Persons with Disabilities in the National Library of China”
日本:“Services for persons with disabilities at the National Diet Library”
ニュージーランド:“The National Library of New Zealand – supporting the Print Disabled since 1980”

日本図書館協会(JLA)、文部科学大臣等宛に「令和3(2021)年度予算における図書館関係地方交付税について(要望)」を提出

2020年7月30日、日本図書館協会(JLA)が、文部科学大臣・総務大臣・図書議員連盟会長・学校図書館議員連盟会長宛に「令和3(2021)年度予算における図書館関係地方交付税について(要望)」を提出しています。

以下の4項目を要望するものとなっています。

1 新型コロナウイルス感染症による新たな生活様式の維持経費

2 公立図書館関係経費の改善への地方交付税又は補正予算等の予算措置
2.1 地方交付税における基準財政需要額の充実
2.2 公立図書館への正規の専門職員の配置
2.3 図書館協議会経費の充実
2.4 トップランナー方式の非適用
2.5 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る経費の新設

3 学校図書館関係費の改善(学校及び特別支援学校への地方交付税措置と学校司書配置の改善)
3.1 学校図書館図書費の措置
3.2 特別支援学校の学校図書館の整備
3.3 学校司書配置の改善

4 会計年度任用職員導入に伴う措置の検討

韓国・文化体育観光部、新型コロナウイルス感染症対策のための図書館分野の第3次補正38億7,900万ウォンの内容を発表:非対面サービスの拡充・障害者用資料の作成

2020年7月23日、韓国・文化体育観光部は、新型コロナウイルス感染症対応のための図書館分野の第3次補正38億7,900万ウォンの内容を発表しました。

社会的に距離を置く、生活防疫という政府の措置に準拠する事を目的に、公共図書館での非対面サービスを重点的に支援するために25億6,500万ウォンが支出されます。ドライブスルーでの貸出、郵送貸出、予約貸出、地域書店希望図書貸出担当者の育成支援による安全な図書館利用環境の整備や国民の文化享受機会の拡大への寄与に加え、雇用創出による新型コロナウイルス感染症により沈滞した地域経済の活性化が期待されています。

また、非対面学習の拡大に対応するため、障害のある児童・生徒・学生用オンラインコンテンツの作成用として13億1,400万ウォンが支出されます。小・中・高等学校の必読図書や教科書掲載の文学作品など約2,000件の手話映像図書や電子書籍の作成が予定されています。また、作成にあたっては、就職が困難な、結婚や出産・育児などを理由に仕事を辞めた女性や障害者などを採用することで雇用を創出することも意図されています。

障害のある学生12人へのインタビューに基づく米国の大学図書館ウェブサイトのアクセシビリティに関する課題と推奨事項(文献紹介)

2020年7月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.5に、米・イリノイ大学シカゴ校のヘルスサイエンス図書館でリエゾン・ライブラリアンを務めるブランスキル(Amelia Brunskill)氏による論文““Without That Detail, I’m Not Coming”: The Perspectives of Students with Disabilities on Accessibility Information Provided on Academic Library Websites”が掲載されています。

同氏は、米国の多くの大学図書館のウェブサイトには、障害のある利用者向けに情報提供するページがありますが、これらのページに対する利用者のニーズや使い勝手、期待等を調査した研究がほとんど存在しないことを背景に、同校に在籍する障害をもつ学生12人に対してインタビュー調査を実施しました。インタビューでは学生に対して、大学図書館の障害者向けウェブサイトにおける、導線や使用される文言、ウェブサイトのデザイン全体、ページの構成、提供されるコンテンツ等の印象についての質問が行われています。

文部科学省及び厚生労働省、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」を公表

2020年7月14日、文部科学省及び厚生労働省は、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」を公表しました。

同計画は、2019年6月に施行された視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)の第7条に基づき、関連施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、文部科学大臣及び厚生労働大臣が初めて策定したものです。

本計画の公表にあわせ、文部科学省及び厚生労働省が2020年4月14日から5月13日まで実施していた同計画(案)に関するパブリックコメントの結果も公表されています。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」の決定について(文部科学省, 2020/7/14)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00265.html
※同計画、パブリックコメントの結果がPDF及びテキスト形式で公開されています。

CA1974 - 読書バリアフリー法の制定背景と内容、そして課題 / 野口武悟

PDFファイル

カレントアウェアネス
No.344 2020年6月20日

 

CA1974

 

読書バリアフリー法の制定背景と内容、そして課題

専修大学文学部:野口武悟(のぐちたけのり)

 

指宿市立図書館(鹿児島県)、手話による「ご利用案内」の動画配信を開始

2020年6月17日、指宿市立図書館(鹿児島県)が、職員全員での手話による「ご利用案内」の動画配信を開始したことを発表しました。動画はYouTube上で公開されています。

発表によると、今回の利用案内は、地域の手話サークル「なのはな」による同館の職員研修で学んだ手話を活用し制作されました。また、発表の中では、2019年6月28日に施行された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」、2020年3月27日に施行された「言語としての手話の認識の普及及び手話を使用しやすい環境の整備に関するかごしま県民条例」が挙げられ、言語としての手話を図書館運営にも活かしていきたい旨が述べられています。

@ibusukitosyo(Facebook, 2020/6/16)
https://www.facebook.com/ibusukitosyo/posts/1636865679794547

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