記録遺産の長期保存を保証するためのカナダの国家計画である国家遺産デジタル化戦略(National Heritage Digitization Strategy:NHDS)は、2020年1月17日付けのニュースにおいて、デジタル化資料の長期保存において推奨されるファイルフォーマットのガイド“Digital Preservation File Format Recommendations”の公開を紹介しています。
カナダ遺産情報ネットワーク(Canadian Heritage Information Network:CHIN)のメンバー等により作成され、NHDSの運営委員会への提出を経て公開されたものです。カナダの文化遺産機関が、デジタル化資料の長期保存に適したファイルフォーマットを選択するにあたり、その参考資料となるものと位置付けられています。
その他、ファイルフォーマットやソフトウェア、コンピューティング環境に関する技術メタデータのレジストリ構築を目指す“Wikidata for Digital Preservation”など、OPFが参加しているデジタル保存関連のプロジェクトや、OPFのデジタル保存用ツールを強化・統合し単一のGUIを通じて利用できるようにするツール“JHOVE2020”の構築に取り組んでいること等への言及がなされています。
発表論文集はiPRES2019のウェブサイトで公開されており、PDF形式及びEPUB形式でのダウンロードが可能となっています。また、iPRES2019に関する一連の資料は、非営利団体Center for Open Science(COS)が開発した研究プロジェクト管理システム“Open Science Framework”(OSF)上のページ“iPRES 2019 Conference”にまとめられています。
2019年11月29日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、カナダの記憶機関におけるデジタル保存の現状とニーズについての調査レポート“Final Report of the Survey on Digital Preservation Capacity and Needs at Canadian Memory Institutions, 2017-2018”の英語版及びフランス語版の公開を発表しました。