オランダ

E2228 - 研究データ同盟第14回総会<報告>

研究データ同盟(RDA;E2144ほか参照)第14回総会は,“Data Makes the Difference”(データが社会を変える)を全体テーマとして,2019年10月23日から25日にかけてフィンランドのヘルシンキで開催された。2019年10月時点で,RDAには137の国・地域から9,000人以上の個人会員が登録しており,本総会への参加者数は571人(うち日本からの参加者は15人)であった。参加者の属性は,主にデータ共有に関する研究者,データ管理者,図書館員,行政関係者等である。

オランダ王立図書館(KB)とオランダ・デルフト工科大学(TU Delft)が共同で“Future Libraries Lab”を設立

2020年2月6日、オランダ王立図書館(KB)とオランダ・デルフト工科大学(TU Delft)が、共同で“Future Libraries Lab”を設立したと発表しています。

図書館が、物理的な、また、デジタルのコレクションを、革新的な方法で提供し続けることが可能となるために、新しいタイプのサービスの開発を支援するもので、TU Delftの工業意匠学及び電子数理情報工学の研究者と修士課程の大学院生が未来の図書館を概念化し、その知識を図書館等と共有することを目的とした組織です。

最初の取組として2つのプロジェクトが紹介されており、“Parels van Drenthe”は、ドレンテ州の住民を対象に、拡張現実(AR)といった新技術を用いての、地域の歴史や遺物の体験・実感の強化方法を調査するプロジェクトです。また、“Describing Images”は、視覚障害者が新聞・雑誌・図書の図版にアクセス可能となるための方法を調査するプロジェクトで、画像認識とクラウドコンピューティングの可能性を調査し実装することを目標としています

両機関では、参加する公共図書館・大学図書館を募集しています。

独・De Gruyter社、オランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアムUKBと“Read & Publish”契約を締結

2020年1月31日、独・De Gruyter社は、オランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアムUKB(Unibersiteitsbibliotheken & Koninklijke Bibliotheek)と“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

同契約にはUKBの会員機関のうち、ラドバウド大学・ライデン大学等のオランダ国内9大学が署名しています。契約期間は2020年から2022年までの3年間です。契約に署名した機関に所属する著者は、De Gruyter社の305タイトルのハイブリッド誌へ追加費用を支払うことなくオープンアクセス(OA)で論文を公開可能となり、同社の110タイトルのゴールドOA誌へ投稿する際には、論文処理費用(APC)が20%割引されます。また、同社の刊行する347タイトルの学術誌へアクセスすることが可能になります。

Brill社、13世紀にイスラム圏で執筆された医学史に関する参考図書英訳のオンライン版を英・ウェルカム財団等と共同製作しオープンアクセス(OA)で公開

2020年1月30日、オランダの学術出版社Brill社は、英国のウェルカム財団・オックスフォード大学と共同製作した“A Literary History of Medicine - The ʿUyūn al-anbāʾ fī ṭabaqāt al-aṭibbāʾ of Ibn Abī Uṣaybiʿah Online”をオープンアクセス(OA)の参考図書として公開したことを発表しました。

OA公開された参考図書は、13世紀シリアの医師ウサイビア(Ibn Abī Uṣaybiʿah)による、古代ギリシャから著者の同時代までの432人以上の医師らの伝記等で構成された、包括的な医学史に関する最初期の著作『ウユーン(Uyūn al-anbāʾ fī ṭabaqāt al-aṭibbā)』英訳版をデジタル化したものです。『ウユーン』は、イスラム圏におけるギリシャ・ローマ文化の遺産、古代・中世の医療、アラビア語文学と詩、イスラム文化におけるキリスト教徒とユダヤ教徒、中世の歴史社会の研究者にとって、特に重要な資料であるとされています。このBrill社刊行の『ウユーン』英訳版では、ウサイビアによるアラビア語の原テキスト、完全な注釈付きの翻訳、著作の重要な背景を示す導入的なエッセイが提供されています。

英IOP Publishing、オランダの4大学との間で”Read & Publish”契約を締結

2020年1月22日、英IOP Publishingはオランダの4つの大学との間で、”Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

IOP Publishingとの間で契約を締結したのはアムステルダム大学、デルフト工科大学、フローニンゲン大学(the University of Groningen)、トゥウェンテ大学(University of Twente)です。

IOP Publishingは2019年12月に英Jsicとの間でも”Read & Publish”契約を締結しています。プレスリリースではそのほかにも同種の契約について交渉中の機関があるとしています。

オランダ大学協会(VSNU)、改正著作権法第25fa条(“Taverne Amendment”)による学術成果のオープンアクセス(OA)化の実施拡大に対する支援を決定

オランダのオープンアクセス(OA)に関する情報を提供するウェブサイト“open access.nl”の2020年1月7日付の記事で、オランダ大学協会(VSNU)が2019年末に、改正著作権法第25fa条(“Taverne Amendment”)の実施拡大に対する支援を決定したことが紹介されています。このVSNUの決定は2020年までに学術成果の全てをOA化するという目標を再加速させるためである、と説明されています。

“Taverne Amendment”は、オランダの公的助成を受けた学術論文や図書の一部は、公表後、合理的な期間を経るとOAで公開可能になるという内容の条項です。VSNUはこれによる学術成果のOA化を加速させるため、2019年1月に公表から6か月を経た学術成果の出版社版を、著者らが機関リポジトリによりOA化することを支援するパイロットプロジェクト“You share, we take care”を開始しました。2019年中、“You share, we take care”には600人以上の研究者が参加し、2,800件以上の学術成果がOA化されています。

【イベント】講演会「デジタル時代の国立図書館の挑戦―オランダ国立図書館の戦略を事例として」(3/17・東京)

2020年3月17日、国⽴国会図書館東京本館新館講堂において、講演・パネルディスカッション「デジタル時代の国立図書館の挑戦―オランダ国立図書館の戦略を事例として」が開催されます。

社会に対する国立図書館の在り方や、将来像実現のための戦略とテクノロジーとネットワークの活用について、講演とディスカッションが行われます。

参加無料、定員200人(先着順、事前申し込み要)、日英同時通訳付きです。当日のプログラムは次のとおりです。

〇講演「ネットワーク、オープン、包摂(Networked, open and inclusive)」(仮)
リリー・クニベラー⽒(オランダ国立図書館長)

〇講演「言葉との協働(Working with Words)」(仮)
エルスベート・クワント⽒(オランダ国立図書館戦略アドバイザー)

〇パネルディスカッション
・ファシリテータ
⽵内⽐呂也⽒(千葉大学副学長兼附属図書館長/アカデミック・リンク・センター長、同大学人文研究院教授)
・パネリスト
リリー・クニベラー⽒
エルスべート・クワント⽒
佐藤毅彦(国立国会図書館電子情報部長)

オランダ大学協会(VSNU)をはじめとしたオランダ国内の研究機関がElsevier社とオープンアクセス(OA)出版等に関する「枠組み協定」に合意する

2019年12月19日付で、オランダ大学協会(VSNU)・オランダ大学病院連合(NFU)・オランダ科学研究機構(NWO)とElsevier社が「枠組み協定(framework agreement)」に合意したことが発表されています。

合意された枠組み協定は、2020年1月1日から5月1日までの間、オランダ国内の研究者に対して、Elsevier社の全ての学術雑誌へのアクセスを認め、かつ同社の学術雑誌への研究成果のオープンアクセス(OA)出版を無制限に可能とする内容です。また、オープンサイエンスや研究情報分析支援のためツールやサービス開発のため、様々な試験的な試みが実施されます。

この枠組み協定にあたって、VSNU・NFU・NWO、及びElsevier社は、以下の4つの原則を相互に確認しています。

1. 相互運用性:ベンダーロックインを回避し、研究者や研究機関が自らツールを使用できること
2. 将来にわたる有効性:さまざまな設定や契約に柔軟に対応できるシステムであること
3. ベンダー・出版社に対する中立性:特定のベンダーに依存しないシステム開発が可能であること
4. 研究者や研究機関が自ら研究データを保有すること

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