医療情報

2020年の新型コロナウイルス感染症の大流行は学術出版・研究成果公開にどのような影響を与えたか(記事紹介)

2020年12月16日付で、Nature誌のオンライン版に、同誌の収集・分析したデータに基づいて、2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行が学術出版・研究成果公開にどのような影響を与えたかを解説する記事が掲載されています。

同記事では、主に次のようなことを指摘しています。

・Digital Science社のディスカバリープラットフォームDimensionsのデータによると、2020年に発表された論文の約4%が新型コロナウイルス感染症に関連している。医学文献データベースPubMedでは、2020年に索引された論文の約6%が新型コロナウイルス感染症に関連している。

・米国の人工知能(AI)技術開発等の専門企業Primer社の、PubMedに収録された新型コロナウイルス感染症関連論文に対する分析によると、当初は感染症の拡大・入院患者の予後・診断・検査などのテーマが扱われていたが、5月以降こうしたテーマの論文の発表は停滞し、メンタルヘルスに関する研究への関心が高まっている。

令和2年度全国公共図書館研究集会(サービス部門 総合・経営部門)、2021年1月にインターネット配信により開催:研究主題は「図書館とバリアフリー-あらゆる人に開かれた図書館とは-」

大阪府立中央図書館のウェブサイト上に、令和2年度全国公共図書館研究集会(サービス部門 総合・経営部門)の開催概要が掲載されています。

今回の研究集会は、「図書館とバリアフリー-あらゆる人に開かれた図書館とは-」を研究主題とし、図書館利用等に関するバリアを取り除くための様々な取組みの報告が行われます。主催は公益社団法人日本図書館協会 公共図書館部会、近畿公共図書館協議会、大阪公共図書館協会であり、主管は大阪府立中央図書館です。

インターネット配信により開催され、配信期間は2021年1月15日10時から1月31日17時までです。参加費は無料ですが、2021年1月22日までにオンラインでの参加申込みが必要です。

主なプログラムは次のとおりです。

〇基調講演
「読書バリアフリーと図書館」
野口 武悟氏(専修大学文学部)

〇講演
「すべての人が必要ながん情報を得られる社会へ -図書館と医療分野の連携-」
八巻 知香子氏(国立がん研究センター)

〇事例報告(1)
「矯正施設・児童自立支援施設等への支援」
正井 さゆり氏(広島県立図書館)

PubMed Central(PMC)で利用可能なコロナウイルス関連文献が10万点に到達

2020年12月21日、米国国立医学図書館(NLM)傘下の米・国立生物工学情報センター(NCBI)は、医学系学術文献の全文提供アーカイブであり、同センターが管理するPubMed Central(PMC)において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)をはじめとするコロナウイルスに関連した文献の利用可能点数が10万点に到達したことを発表しました。

全米人文科学基金(NEH)と米国国立医学図書館(NLM)が研究・教育・キャリア開発における協力関係を2024年まで延長

2020年12月14日、米国国立医学図書館(NLM)は、全米人文科学基金(NEH)との研究・教育・キャリア開発における協力関係を2024年まで延長したことを発表しました。

2012年以来、NLMとNEHは生物医学研究と人文学研究のコミュニティ同士が専門知識を共有し、新たな研究課題の開発等に取り組むことを目的とした協力関係を構築しています。

NLM and NEH Renew Partnership to Collaborate on Research, Education, and Career Initiative(NLM,2020/12/14)
https://www.nlm.nih.gov/news/NLM_NEH_RenewPartnership.html

米国国立医学図書館(NLM)、米国国立衛生研究所(NIH)の試行プロジェクト“NIH Preprint Pilot”の図書館員向けの情報を提供するツールキットを公開

2020年12月8日、米国国立医学図書館(NLM)は、米国国立衛生研究所(NIH)が実施中の試行プロジェクト“NIH Preprint Pilot”について、図書館員向けの情報を提供するツールキット“NIH Preprint Pilot: A Librarian Toolkit”を作成・公開したことを発表しました。

“NIH Preprint Pilot”は、NIHの助成による研究成果物の早期提供を目的としたプロジェクトです。試行期間の第1段階では特に新型コロナウイルス感染症に関わるものを中心に、NLMはNIHから助成を受けた研究成果物に当たる未査読のプレプリントを、PubMed Central(PMC)及びPubMedで公開しています。

図書館員やその他の医療専門職がプレプリントの役割、アクセス方法、利用方法等を学ぶことができるように、NLMは“NIH Preprint Pilot: A Librarian Toolkit”を作成しました。このツールキットには、NIHの試行プロジェクトの概要、NIHが助成対象の研究者向けに提供している情報、プレプリントに関する知識を学ぶための資料、学術雑誌のプレプリントに関するポリシーを得るための資料、プレプリントに対するピアレビューに関する資料などが収録されています。

米国国立医学図書館(NLM)、医学件名標目表(MeSH)2021年版の適用をはじめとした医学学術文献データベースMEDLINEの年末更新処理を実施

2020年12月4日、米国国立医学図書館(NLM)が、同館が整備する医学学術文献データベースMEDLINEについて、2021年に向けた年末処理の実施に伴う変更点の内容を発表しています。

NLMは2020年の年末処理によるMEDLINEの主要な変更点を以下のように紹介しています。

・12月3日付でNLMの整備するシソーラスである医学件名標目表(MeSH)について、最新の2021年版がMeSH用語のデータベース“MeSH Browser”のデフォルトへ設定された。PubMedへの2021年版MeSHの反映は12月中旬までに完了予定である。

・2021年版MeSHでは、2020年版の14件の標目について新しい用語への更新が行われた。また、277件の新しい用語が標目に追加された。

・2020年1月以降、MeSHの補足用語(Supplementary Concept Record)として追加された“COVID-19”や“SARS-CoV-2”をはじめ、新型コロナウイルス感染症に関連する多数の語彙が標目に昇格している。

新型コロナウイルス感染症関連論文が撤回されるリスクを最小限に抑えるために最適な査読プロセス(文献紹介)

2020年11月20日付で、Springer Nature社の刊行する欧州医療哲学会(European Society for Philosophy of Medicine and Health Care)の機関誌“Medicine, Health Care and Philosophy”に、論文“Optimizing peer review to minimize the risk of retracting COVID-19-related literature”のオンライン速報版が掲載されています。

同論文は、The New England Journal of Medicine(NEJM)やThe Lancetなどの著名な査読誌も含め、根拠データが不十分である等の理由により、公表された新型コロナウイルス感染症に関連する論文の撤回がしばしば発生していることを受けて執筆されました。著者らは、文献データベース上の表記が明確でなかったり、ソーシャルメディア等で拡散済であるために撤回済の論文の引用がしばしば確認されることや、研究者の多忙等のため時間をかけた厳格な査読よりも迅速な出版が重視される傾向が見られ査読の質の低下が懸念されることなど、現在の状況が内包する公衆衛生上の懸念を指摘しています。

吹田市立健都ライブラリー(大阪府)が開館

2020年11月11日、大阪府吹田市の北大阪健康医療都市(健都)内に吹田市立健都ライブラリーが開館しました。

『健康に「気づき」、「楽しみ」ながら「学べる」』をコンセプトとした図書館で、1階には医療やスポーツに関する本を集めた「健康・医療・スポーツコーナー」のほか、血圧計など健康測定機器等が設置されています。

また、0系新幹線の先頭車両も展示されています。

吹田市立図書館
http://www.lib.suita.osaka.jp/
※「健都ライブラリーが開館します」とあります。

@Twitter(suita_toshokan,2020/11/11)
https://twitter.com/suita_toshokan/status/1326326259299741699

Taylor & Francisグループ、同グループが刊行する医学分野の学術雑誌32誌において会議資料をオープンアクセスの補足資料として公開するオプションを提供

2020年10月23日、Taylor & Francisグループは、2020年のオープンアクセス(OA)ウィークに合わせた取り組みの一環として、会議資料(conference material)をOAの補足資料(supplement)として公開するオプション“Open Access conference material supplements”を提供することを発表しました。

同オプションは、Taylor & Francisグループの刊行する医学分野の主要誌32誌で利用することができます。ポスター発表・プレゼンテーション・学会抄録等が対象となり、同オプションで受付された会議資料は、査読を経て、同グループの電子ジャーナルを掲載するオンラインプラットフォームTaylor & Francis Online上で、引用可能な形で利用できるようになります。

【イベント】第29回京都図書館大会「ウィズコロナ時代の図書館」(11/30・オンライン)

2020年11月30日、ウェブ会議サービスZoomによるオンライン開催の形で、第29回京都図書館大会「ウィズコロナ時代の図書館」が開催されます。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、多くの図書館が臨時休館や感染対策を行った再開館を経験したことを踏まえ、これからの図書館員がどのように情報を収集・提供すればよいか、図書館サービスをどうしていくべきかについて考えることを目的として開催されます。

プログラムは次のとおりです。

・基調講演「ウィズコロナ時代の信頼できる医療情報の見分け方」
北澤京子氏(京都薬科大学客員教授、医療ジャーナリスト)

・事例発表1「ウェブでつながるコミュニティ -動き続ける図書館をめざして-」
朝倉久美氏(県立長野図書館司書)

・事例発表2「どんな時にも図書館サービスを継続するためのデジタル技術」
吉本龍司氏(株式会社カーリル 代表取締役/エンジニア)

・事例発表3「ウィズコロナ時代の図書館が持つべき『しなやかな強さ』とは」
岡本真氏(アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg) 代表取締役/プロデューサー)

参加費は無料ですが、事前の申し込みが必要です。

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