機関リポジトリ

英・JiscのPublications RouterとElsevier社の研究情報管理システム“Pure”がシステム連携を開始

2020年6月9日、英・Jiscは、論文のメタデータおよびフルテキストを出版社等から各大学の機関リポジトリ等へ通知・転送するためのシステムPublications Routerが、Elsevier社の提供する研究情報管理システム“Pure”と連携を開始したことを発表しました。

両システムの連携により、Pureを利用して論文のオープンアクセス(OA)状況を管理している英国の約50の機関が、Publications Routerが提供するコンテンツ・アラート等の自動配信等のサービスを利用可能になっています。

両システムの連携は、JiscとElsevier社のオープンサイエンスに関する枠組である“Jisc-Elsevier Open Science Forum”が2019年2月に公開した声明を履行するものとして実施されます。

E2268 - 英国の機関リポジトリにおけるウェブアクセシビリティ対応

英国では公共部門のウェブサイトに対し,誰もが利用できる形で情報や機能を提供すること,すなわちアクセシビリティへの対応が,2010年に制定された“Equality Act”(平等法)において義務付けられている。2018年に施行された規則で対応期限が示されたことを背景に,大学等の機関リポジトリの運営者コミュニティにおいて議論が活性化している。本稿では,英国の機関リポジトリにおけるウェブ技術のアクセシビリティ,すなわちウェブアクセシビリティ対応に関する検討の経緯と現状を概観する。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会、「COVID-19以降の社会に向けたオープンアクセスの加速について」を公開

2020年6月8日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会が、「COVID-19以降の社会に向けたオープンアクセスの加速について」を公開しました。

同文書では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防・収束と教育・研究活動の両立を持続的に行うためには、教育・研究のデジタル変革の拡大、オープンな情報として活用できる環境の整備が必要であるとされています。また、新型コロナウイルス感染症以降の社会における大学教育では教育コンテンツのオープンアクセスの推進、研究活動ではデジタル化およびオープン化、研究データの共有や公開を促進するオープンサイエンスが重要であり、そのためには、教員・研究者の協力が欠かせないと述べています。JPCOARは、今後、機関リポジトリを通じたオープンアクセス・コンテンツの提供の推進、大学や研究機関の研究データ公開に向けた取組を行い、研究者コミュニティと連携しながら教育と研究の発展に寄与していくとしています。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、2020年6月25日から次期JAIRO Cloud(WEKO3)のβテストを実施

2020年6月8日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2020年10月の現行JAIRO Cloud(WEKO2)から次期JAIRO Cloud(WEKO3)への本番移行開始に先立ち、現行JAIRO Cloudの利用機関を対象に、WEKO3のβテストを実施することを発表しました。

βテストは、各機関における移行データの確認・2020年10月から12月の本番移行時に各機関が行う画面レイアウト作業量の把握・WEKO3の基本操作体験を目的として行われます。テスト期間は2020年6月25日から7月31日までとなり、2020年3月末時点で現行JAIRO Cloud(WEKO2)環境を提供済の機関が対象です。

JPCOARのコンテンツ流通促進作業部会JAIRO Cloudチームは、βテストサポートのために、JAIRO Cloudの共同運用を行う国立情報学研究所(NII)と連携して画面操作の説明動画を準備しています。また、2020年7月頃にテレビ会議システムを利用したオンライン講習を複数回開催する予定です。

国・大学レベルのオープンアクセス状況の調査(文献紹介)

2020年5月21日、英Open Universityの機関リポジトリにおいて、国・大学レベルのオープンアクセス(OA)状況調査の論文”Open Access 2007 - 2017: Country and University Level Perspective”のプレプリントが公開されました。著者は同大学のBikash Gyawali氏ら3名です。同論文は2020年8月開催のACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)に採択されています。

調査は8カ国(オーストリア, ブラジル, ドイツ, インド, ポルトガル, ロシア, 英国, 米国)と、それらの国の約400大学を対象とし、Microsoft Academic Graph(MAG)と英国の機関リポジトリアグリゲーターであるCOREのデータを使用して実施されました。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、リポジトリにおけるCOVID-19研究成果の利用可能性・発見可能性向上のための推奨事項を公表

2020年5月25日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、リポジトリにおけるCOVID-19研究成果の利用可能性・発見可能性向上のための推奨事項を発表しました。

世界中でCOVID-19に関する研究が前例のない速度で進み、リポジトリを通じその成果が発表されている状況を踏まえ、リポジトリ間での協調・相互運用性を高めることが研究成果の利用可能性・発見可能性向上につながるとし、リポジトリに対して3点、リポジトリネットワークに対して4点の推奨事項を示しています。

うち、リポジトリに対する推奨事項には、COVID-19関連資源に対し基本的な推奨メタデータ付与とタグ付けを行うことが含まれており、推奨メタデータ要素計8点もあわせて示しています。

COAR Recommendations for COVID-19 resources in repositories(COAR, 2020/5/25)
https://www.coar-repositories.org/news-updates/covid19-recommendations/

2019年におけるフィンランドの大学等の研究成果物のオープンアクセス(OA)化状況:査読付学術論文の64.9%がOAで出版(記事紹介)

デジタルリサーチサービスやオープンサイエンスに関する話題を扱うフィンランド・ヘルシンキ大学のブログ“Think Open”に、2020年5月20日付で、フィンランドの高等教育機関による研究成果物のオープンアクセス(OA)化が近年大きく進展していることを紹介した記事が掲載されています。

フィンランドのOAに関するモニタリングは教育文化省の実施する国内の出版データ収集と一体化して取り組まれており、2016年からOA状況の報告には同一フォーマットが利用されているため、2016年から2019年までの4年間については同一基準で比較可能になっています。出版物の質と量は大学への予算配分基準の一つになっており、2021年以降、OA出版物には1.2の係数を掛ける運用が導入されるため、フィンランドの大学は出版物に関する正確なデータ収集・OA出版物の増産へ強い関心を持っています。フィンランド国立図書館が運営する国内の研究成果物の書誌情報検索サイトJuuli経由で収集された最新のデータに基づいて、ブログ記事ではフィンランドのOA状況として主に以下のことを紹介しています。

大阪大学、「大阪大学オープンアクセス方針」を策定

2020年5月14日、大阪大学附属図書館は、4月17日に「大阪大学オープンアクセス方針」が策定されたことを発表しました。

大阪大学では、2012年度に複数の研究科で研究成果の公開ポリシーが策定されましたが、同大学の研究成果をより積極的に社会に発信し、学術研究の発展及び社会的貢献に寄与することを目的に、大学全体の意思表明として「大阪大学オープンアクセス方針」が策定されました。学術雑誌に掲載された同大学の教職員の研究成果を、機関リポジトリ又は著者が選択するその他の方法によって可能な限り公開することなどが定められています。

大阪大学オープンアクセス方針を策定しました(大阪大学附属図書館,2020/5/14)
https://www.library.osaka-u.ac.jp/news/20200514_common/

英・Jiscと米・LYRASIS、米国の機関リポジトリへ全国規模で標準利用統計Institutional Repository Usage Statistics(IRUS)を導入するため提携

2020年5月5日、英・Jiscと米国の図書館等のネットワークLYRASISは、米国において全国規模で機関リポジトリの標準利用統計であるInstitutional Repository Usage Statistics(IRUS)を導入するため提携することを発表しました。

IRUSは米国のリポジトリについての標準的な利用統計を提供する初めてのサービスとなり、米国のリポジトリに関する比較可能なデータの提供・収集が可能となるほか、利用統計の国際的な比較の際の基準を提供するものになることが見込まれています。

米国の大学及び研究機関は、2020年7月1日からLYRASISの担当者に連絡することでIRUSへの登録が可能になります。

E2255 - 分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”

1665年のオルデンバーグ(Henry Oldenburg)による英語圏で最古の学術雑誌Philosophical Transactionsの出版から355年,学術出版の形態は大きく変わることなく現在も続いている。1994年,ハーナッド(Steven Harnad)は「転覆提案(The Subversive Proposal)」を公表し,学術出版に係るコストの適正化を目的に,ギンスパーグ(Paul Ginsparg)によるプレプリントサーバー(後のarXiv.org)を参考にした,インターネットを活用した既存の学術出版システムに依存しない新たな学術出版のあり方を提案した。ハーナッドの提案は,その後のオープンアクセス(OA)運動に大きな影響を与え,学術論文などの研究成果物を保存・公開する数多くのリポジトリを生み出したが,学術雑誌を中心とした学術出版の変革までには至らなかった。Pubfairは,この旧態依然の学術出版を取り巻くシステムを,機関とそのリポジトリによるリポジトリネットワークとそこにあるコンテンツを利用して構築される,分散型のオープンな出版フレームワークに置き換えることを目指している。Pubfairに関するホワイトペーパーの初版は2019年9月に,第2版は同年11月に公開された。

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