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オープンアクセス出版で使用されているライセンス(記事紹介)

2021年1月10日、出版系コンサルタント企業であるDeltaThinkのウェブサイトにて”News & Views: Breaking Out Open Access License Types”という題目で記事が公開されました。記事では、オープンアクセス出版で使用されているライセンスの調査結果が報告されています。

記事では、ライセンスの種別を寛容(permissive)と制限付き(restricted)に分類しています。寛容なライセンスにはCC-BY、CC-0、制限付きのライセンスには商業利用や改変を禁止しているCC BY-NC、CC BY-ND等が分類されています。

全体としては寛容なライセンスがより一般的に使用されており、制限付きのライセンスとの比率はおおよそ3:2となっています。オープンアクセスジャーナル内では比率が2:1であるのに対して、ハイブリッドジャーナルでは半々になっています。分野ごとの分析では、健康科学分野、特に医学分野では制限付きのライセンスがより大きな割合を占めているとしています。社会科学は、平均と比較すると制限付きのライセンスがわずかに多いことを報告しています。物理学、工学では、寛容なライセンスがより普及しているとしています。

「プランS」の発効と研究成果物のオープンアクセス(OA)化を巡る最新の論点(記事紹介)

2021年1月1日付の米国科学振興協会(AAAS)のScience誌Vol. 371, Issue 6524掲載の記事として、“Open access takes flight”がオープンアクセス(OA)で公開されています。

同記事は、欧州を中心とした研究助成機関のコンソーシアムcOAlition Sのイニシアティブ「プランS」が、2021年1月に発効したことを受けたものです。プランSに対して、購読モデルを基盤とした学術出版の伝統を覆すためのOA運動の現れである一方で、地理的な広がりの停滞、財政的な持続可能性への疑義等の問題点も存在することを指摘しつつ、研究成果物のOA化を巡る最新の論点をテーマ別に解説しています。記事は主に以下のことを指摘しています。

・OAが被引用数に与える影響範囲は一部のスター論文に限られるという指摘がある一方で、ダウンロード数・ビュー数・ソーシャルメディア等における非学術的な言及にはOA論文が優位であるという指摘があり、この点でOAは学術論文の著者に恩恵を与える。また、学術雑誌には研究機関に所属しない読者も一定の割合で存在し、こうした読者層へ研究成果を届けやすいという点もOAが著者に与える恩恵と言える。

E2346 - 著作権とライセンスからみるオープンアクセスの現況

「著作権はオープンアクセスへの鍵を握る課題」。SPARC Europeは,2020年9月に公開した報告書“Open Access: An Analysis of Publisher Copyright and Licensing Policies in Europe, 2020”の序文で,こう述べている。本報告書は,出版社各社の著作権・出版権に係る規約やオープンライセンス方針が,どの程度オープンアクセス(OA)の推進を支援できているかという調査の結果を,関係者への提言とともにまとめたものである。2021年1月に発効したPlan S(CA1990参照)に留意しつつ,内容を概説する。

カナダ研究図書館協会(CARL)、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開

2020年12月17日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開したことを発表しました。

CARLが新しく公開した“Copyright Open Educational Resource for University Instructors and Staff”は、大学の教職員に対して複雑なカナダの著作権法の内容を案内するために作成されました。4分から6分程度の動画と簡単なクイズで構成されたモジュールが7種類公開されています。

公開されたモジュールのコンテンツには、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NCが付与されています。また、授業で採用・利用を検討している大学向けに、実務ガイド(Implementation Guide)を公開しています。

オープンアクセス学術出版協会(OASPA)、加盟機関が2019年に出版したオープンアクセス論文のライセンス種類別統計を公表:2019年のCC-BY論文は約36万2,000本

2020年12月16日、オープンアクセス学術出版協会(OASPA)は、加盟機関が2019年に出版したオープンアクセス(OA)論文の、ライセンス種類別の統計を公表しました。

統計に基づいて、主に次のようなことが報告されています。

・会員機関の出版した2000年から2019年までの累計OA論文数は約210万本であり、2019年には前年から約17%の増加となる42万5,000本以上が出版された

・2019年には、完全OAジャーナルで約32万3,000本、ハイブリッドジャーナルで約3万9,000本の論文がCC BYライセンスの付与されたOA論文として出版された

・2019年のOA論文のうち、完全OAジャーナルでは約88%、ハイブリッドジャーナルでは約66%についてCC BYライセンスが付与されている

・近年、完全OAジャーナルではCC BYライセンスの付与されたOA論文の割合は減少傾向にあったが2019年は増加に転じた。ハイブリッドジャーナルでは2019年には増加傾向がやや後退したものの、依然としてCC BYよりも制限の強いCC BY-NC・CC BY-NC-NDライセンスの付与が伸長している

PubMed Central(PMC)で利用可能なコロナウイルス関連文献が10万点に到達

2020年12月21日、米国国立医学図書館(NLM)傘下の米・国立生物工学情報センター(NCBI)は、医学系学術文献の全文提供アーカイブであり、同センターが管理するPubMed Central(PMC)において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)をはじめとするコロナウイルスに関連した文献の利用可能点数が10万点に到達したことを発表しました。

福井県文書館、「福井県史年表データセット」と「福井県史統計データセット」をオープンデータとして公開

2020年12月11日付で、福井県文書館が、「福井県史年表データセット」と「福井県史統計データセット」をオープンデータとして公開しました。

同館ウェブサイトで従来から公開している『福井県史』のうち、『福井県史 年表』の507年から1995年までの約1万2,000項目の歴史年表をExcelファイル形式でデータ化した「福井県史年表データセット」と、『福井県 資料編17 統計』の表題・項目名・年次の一覧をExcelファイル形式でデータ化した「福井県史統計データセット」が、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BYの利用条件で提供されています。

お知らせ(新着情報)(福井県文書館)
https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/bunsho/contents/newinfo/index.html
※2020年12月11日欄に「「福井県史 年表データセット」と「福井県史統計データセット」を公開しました!」とあります。

DOAJ、収録誌一覧のCSVファイルとメタデータのライセンス条件に関する変更点を発表

2020年12月14日、DOAJ(Directory of Open Access Journals)は、収録誌一覧のCSVファイル(Journal CSV)とメタデータのライセンス条件に関する変更点を発表しました。

“Journal CSV”では、DOAJ上での当該誌の最終更新日、当該誌のURLなど、合計5項目が新たに追加されました。また、項目順の変更や、メタデータの収集を中止した項目の削除も実施しています。

メタデータのライセンス条件変更では、“Journal CSV”やDOAJが提供するデータダンプで利用できる収録誌メタデータ(journal metadata)は従来通りクリエイティブ・コモンズ・ライセンス“CC BY-SA 4.0”での提供とする一方で、収録論文メタデータ(article metadata)については“CC0 1.0”での提供に変更したことを発表しています。

東京大学農学生命科学図書館、「農場博物館デジタルアーカイブ」を公開

2020年10月7日、東京大学農学生命科学図書館は、「農場博物館デジタルアーカイブ」の公開を発表しました。

「農場博物館デジタルアーカイブ」は、東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構が運営する農場博物館(東京都西東京市)蔵書のデジタル化画像を収録したデジタルアーカイブです。明治初期に刊行されドイツの農業技術を図版とともに解説する「獨逸農事圖解」の全巻と、同じく明治初期に刊行され日本各地の産業の製造過程を図版とともに解説する「教草」の一部が同アーカイブで公開されています。「教草」はいずれ全巻がデジタル化される予定です。

「農場博物館デジタルアーカイブ」に掲載された画像は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの「CC BY」相当の利用条件で公開されています。

「農場博物館デジタルアーカイブ」を公開しました(東京大学農学生命科学図書館,2020/10/7)
https://www.lib.a.u-tokyo.ac.jp/html/news/2020/20201007_agrifarm_archive

米ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)、Plan Sに準拠した2022年1月発効の新オープンアクセス方針とcOAlition Sへの参加を発表

2020年10月1日、米国の医学研究機関ハワード・ヒューズ医学研究所(Howard Hughes Medical Institute:HHMI)は、従来のオープンアクセス(OA)方針から大幅な変更を伴う新OA方針を発表しました。

HHMIの新OA方針は2022年1月に発効します。2022年1月以降、HHMI所属の研究者による論文について、クリエイティブ・コモンズのCC BYライセンスの下で即時OA公開することが義務付けられました。HHMIは、新OA方針が欧州の研究助成機関を中心としたコンソーシアムcOAlition Sの「Plan S原則」に準拠した内容であり、OAの推進に取り組むため、同日付でcOAlition Sに参加したことを合わせて発表しています。

Nature誌も同日付のお知らせとしてHHMIの新OA方針を紹介しており、米国の主要な研究助成機関としてはビル&メリンダ・ゲイツ財団に次いで2番目に研究成果の即時公開を義務付けたOA方針を定めたことなどを解説しています。

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