学術情報流通

arXiv、論文に対し関連するコードへのリンクを表示する機能を全カテゴリの論文に拡大

プレプリントサーバーarXivが、2020年12月10日付けのブログ記事で、論文に対し関連するコードへのリンクを表示する機能を全カテゴリに拡大することを発表しました。

2020年10月、arXiv は、arXiv内の論文ページ下部に表示されるarXivLabsに“Code”タブを追加しました。“Code”タブは論文に対し関連するコードへのリンクを表示する機能ですが、当初は機能適用範囲が機械学習分野の論文に限定されていました。

“Code”タブの開発は、研究者・実務者が機械学習に関する最新の論文・コードを見つけるための無料リソースである“Papers with Code”との連携により行われましたが、今回の機能適用範囲拡大にあわせ、“Papers with Code”も新たなウェブサイト“Papers with Code Portal for Sciences”を立ち上げています。同ウェブサイト上では、従来の機械学習分野に加え、コンピューター・サイエンス、物理学、数学、天文学、統計学分野についても、コードが追加された論文を検索できる分野別ポータルが設けられています。

Elsevier社、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名

2020年12月16日、Elsevier社は、研究評価の改善を求める「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名したことを発表しました。

発表では、同社のジャーナルに掲載された全論文の参考文献リスト(reference lists)をCrossref経由で公開し、再利用可能とする意向もあわせて表明しています。このことにより、引用データのオープン化を推進するI4OCのような他のイニシアティブもこのメタデータを利用できるようになると述べています。

Advancing responsible research assessment(Elsevier, 2020/12/16)
https://www.elsevier.com/connect/advancing-responsible-research-assessment

SPARC Europe、オープンサイエンス基盤サービスを提供する10人の運営者に実施したインタビューを公開

2020年11月30日付で、SPARC Europeは、オープンサイエンス基盤サービスを提供する10人の運営者に実施した全てのインタビューの公開が完了したことを受けて、一連のインタビューに共通する知見の要約版を公開したことを発表しました。

SPARC Europeは2020年の夏に、学術情報基盤サービスが成長・持続的な運営・革新を目指す際の意思決定・課題を明らかにする目的で、持続性・拡張性を備えたオープンサイエンス基盤の実現を目指して活動するイニシアチブInvest In Open Infrastructure(IOI)との共同によるインタビューを実施しました。実施したインタビューの内容は2020年9月29日から数回に分けてリポジトリZenodoで公開され、11月30日付で10件全てのインタビューが公開されました。インタビュー対象となったのは、以下の10件のオープンサイエンスに関連する基盤的なツール・サービスの運営者です。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、「リポジトリのグッドプラクティスのためのCOARコミュニティフレームワーク」の日本語訳を公開

2020年12月14日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)が、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)により10月8日に公開されたペーパー“COAR Community Framework for Good Practices in Repositories”の日本語訳「リポジトリのグッドプラクティスのためのCOARコミュニティフレームワーク」を公開したことを発表しました。

日本語訳はJPCOARの機関リポジトリからダウンロードでき、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC BYで利用可能です。

お知らせ(JPCOAR)
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/
※2020年12月14日付で、「「リポジトリのグッドプラクティスのためのCOARコミュニティフレームワーク」日本語訳を公開しました」と掲載されています。

全国遺跡報告総覧、全国の文化財地図・遺跡地図、発掘調査報告書等の書誌情報1,814件を一括登録:全国遺跡報告総覧搭載の「文化財動画ライブラリー」のメタデータはジャパンサーチに搭載

2020年12月10日、奈良文化財研究所が、全国遺跡報告総覧に、全国の文化財地図・遺跡地図、発掘調査報告書等の書誌情報1,814件を一括登録したと発表しています。

今回の登録の対象は、奈良文化財研究所が所蔵する報告書のうち、全国の文化財地図・遺跡地図の書誌情報および山梨県・長野県・宮崎県分の発掘調査報告書等の書誌情報です。

また、12月11日には、全国遺跡報告総覧搭載の「文化財動画ライブラリー」のメタデータをジャパンサーチに登録したと発表しています。

全国遺跡報告総覧:全国の文化財地図・遺跡地図、発掘調査報告書等の書誌情報1814件を一括登録(なぶんけんブログ,2020/12/10)
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2020/12/isekimap.html

英・Jisc、機関向けのSaaS型ソリューションとしてPlan Sの要件に準拠した次世代研究リポジトリの提供を開始

2020年12月8日、英国のJiscは、機関向けのSaaS型ソリューションとして、“Research repository”の提供を開始したことを発表しました。

“Research repository”は、オープンアクセス論文・研究データ・学位論文等を含む多様な研究成果を単一のシステムで管理可能なリポジトリを提供するサービスです。研究機関はサービスの利用により、Plan Sが求める要件や研究助成機関・出版社等のオープンスカラシップに関する義務の順守が可能になることなどを、その特徴として紹介しています。

また、相互運用性の高いシステムを採用しているため、最新研究情報システム(CRIS)データの自動収集をはじめ、各研究機関の研究管理システムとの効率的な連携が可能なこと、登録された研究データの「FAIR原則」順守状況を確認できる“FAIR checker”機能を備えていることなどが説明されています。

欧州委員会出版局、研究用ソフトウェアのための学術基盤に関する報告書を公開

欧州委員会出版局(Publications Office of the EU)のウェブサイト上で、2020年12月7日付けで研究用ソフトウェアのための学術基盤に関する報告書“Scholarly infrastructures for research software”が公開されています。

同報告書は、「欧州オープンサイエンスクラウド」(European Open Science Cloud:EOSC)に研究用ソフトウェアを含めるための一連の推奨事項を示したものとあり、研究用ソフトウェアに関する学術基盤の現状、ベストプラクティス、課題等の整理も行っています。EOSC執行委員会のアーキテクチャ・ワーキンググループに属する「研究用ソフトウェアの学術基盤に関するタスクフォース」が同報告書の作成に携わりました。

Scholarly infrastructures for research software(Publications Office of the EU, 2020/12/7)
https://doi.org/10.2777/28598

英・オックスフォード大学出版局(OUP)、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加する意向を表明

2020年12月10日、英・オックスフォード大学出版局(OUP)は、抄録データ(abstracts)のオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加する意向を表明しました。

OUPは、I4OAへの参加を通じ、自社による学術出版物の抄録データをオープンかつ機械的にアクセス可能な方法で利用可能とすることに取り組むとしています。

I4OAのコーディネーターであるLudo Waltman氏のコメントも掲載されており、OUPがI4OAへの参加メンバーの中で最大規模の出版社であること等を述べています。

Oxford University Press joins Initiative for Open Abstracts (I4OA)(OUP, 2020/12/10)
https://academic.oup.com/journals/pages/open-abstracts-i4oa

Springer Nature社、特別冊子“Nature Index Artificial Intelligence”を刊行:機械生成による論文要約3本を掲載

2020年12月9日、Springer Nature社が、特別冊子“Nature Index Artificial Intelligence”を刊行したことを発表しました。同冊子には、3本の研究論文の機械生成による要約が掲載されています。

同冊子では、ディープフェイクの検出や顔認識のバイアスの認識をはじめとした、新たな人工知能(AI)の応用事例や、研究機関や国等におけるAI関連の研究状況の調査、学術出版におけるAIの応用に関する考察等が行われています。

また、“Nature Index”が調査対象としている82の自然科学系ジャーナルにおける、2015年から2019年までのAI分野における論文シェアについて、国、機関等のランキングも掲載されています。日本は国別ランキングでは8位であり、学術機関のランキングでは東京大学と大阪大学がトップ100にランクインしています。

米国国立医学図書館(NLM)、米国国立衛生研究所(NIH)の試行プロジェクト“NIH Preprint Pilot”の図書館員向けの情報を提供するツールキットを公開

2020年12月8日、米国国立医学図書館(NLM)は、米国国立衛生研究所(NIH)が実施中の試行プロジェクト“NIH Preprint Pilot”について、図書館員向けの情報を提供するツールキット“NIH Preprint Pilot: A Librarian Toolkit”を作成・公開したことを発表しました。

“NIH Preprint Pilot”は、NIHの助成による研究成果物の早期提供を目的としたプロジェクトです。試行期間の第1段階では特に新型コロナウイルス感染症に関わるものを中心に、NLMはNIHから助成を受けた研究成果物に当たる未査読のプレプリントを、PubMed Central(PMC)及びPubMedで公開しています。

図書館員やその他の医療専門職がプレプリントの役割、アクセス方法、利用方法等を学ぶことができるように、NLMは“NIH Preprint Pilot: A Librarian Toolkit”を作成しました。このツールキットには、NIHの試行プロジェクトの概要、NIHが助成対象の研究者向けに提供している情報、プレプリントに関する知識を学ぶための資料、学術雑誌のプレプリントに関するポリシーを得るための資料、プレプリントに対するピアレビューに関する資料などが収録されています。

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