デンマーク

最新の研究情報へのアクセスと中小企業のイノベーションとの密接な関係(デンマーク)

デンマークの科学技術イノベーション省(Danish Agency for Science, Technology and Innovation)とデンマーク電子研究図書館(Danmarks Elektroniske Fag- og Forskningsbibliotek)が、“Access to Research and Technical Information in Denmark”と題したレポートを刊行しています。レポートは、デンマークの研究ベースの中小企業における、科学・技術情報のニーズとその活用について調査したもののようです。調査の結果、中小企業が持つイノベーションと最新の研究成果へのアクセスとの間には密接な関係が認められるとして、現状では中小企業が研究文献や規格等の科学・技術情報へアクセスすることは難しいこと、その情報入手の遅れが企業のコスト増加や開発の遅れにつながること等が明らかになったとのことです。また、レポートは、文献や特許情報、法情報や規格、市場情報等に対して、より簡単により早く、そしてより安価にアクセスしたいという、中小企業のニーズがあると指摘しているようです。

Access to Research and Technical Information in Denmark

国家規模での研究成果オープンアクセス化方針の導入に向けた提言等をまとめたレポート(デンマーク)

2011年3月29日付けで、デンマークの科学技術イノベーション省(Danish Agency for Science Technology and Innovation)のオープンアクセス委員会がまとめた最終報告書“Recommendations for implementation of Open Access in Denmark”が公開されています。この報告書は、デンマークにおいて国家規模で科学研究成果のオープンアクセス化を導入することに向けた、同委員会による提言等がまとめられているとのことです。このようなオープンアクセス化導入の検討の背景には、同国の研究者や企業の研究成果を世界に発信し、同国が国際的な研究開発において主要な位置を占め続けることにつながるとの考えがあるようです。提言では、「科学技術イノベーション省はオープンアクセスポリシーを設定する」、「大学や研究機関はオープンアクセスポリシーを実施・促進する」、「全国規模で一つの共通な研究データベースを構築する」、「科学関係出版物の包括的で長期的な保存サービスを構築する」、「重要な研究データをオープンアクセス化とともに長期的な保存を行うための国家レベルの計画を策定する」等の16項目が挙げられているようです。

デンマーク電子研究図書館、研究の将来に関するレポートを公開

デンマーク電子研究図書館(Danmarks Elektroniske Fag- og Forskningsbibliotek)が、レポート「研究と研究図書館の将来」(The Future of Research and the Research Library)を公開しています。レポートでは、数多くの課題と将来に向けたシナリオが記されており、将来的な研究図書館の機能として以下の3つを挙げています。

・資料の提供と学習プロセスのサポートを行う学習センター
・研究グループとの共同により知識の生成を行う知識センター
・知識を統合するためのきっかけとなるメタ知識機関

The future of research and the research library(Panlibus Blog 2010/2/26付けの記事)
http://blogs.talis.com/panlibus/archives/2010/02/the-future-of-research-and-the-research-library.php

The Future of Research and the Research Library(英語)

「生きている本」を読む“Living Library”が“Human Library”に名称を変更

2000年にデンマークで開始された“Living Library”は、障害者や性的マイノリティといった人々を“Living Books”(生きている本)として「貸出」し、「読書」を通じて偏見を乗り越えるという試みですが、2010年から、その名称を“Human Library”に変更するとのことです。変更の理由として、“Living Library”という名前を米国の企業が所有していること、デンマーク語からの正しい翻訳は“Human Library”になることがあげられれています。2010年は名称の移行期間になるとのことです。

Major changes in 2010(2010/1/5付けHUMAN Libraryのウェブサイトの記事)
http://human-library.org/major-changes-coming-up-for-2010.html

Living Library becomes Human Library(2010/1/9付けPeter Scott's Library Blogの記事)
http://xrefer.blogspot.com/2010/01/living-library-becomes-human-library.html

参考:

Google、デンマーク王立図書館の資料をデジタル化

Googleとデンマーク王立図書館が、同館所蔵のデンマーク語文学作品160万点をデジタル化することで合意したと報じられています。合意の背景には、Googleが資料デジタル化プロジェクトに供する金額の大きさと、アングロサクソン文化の普及でデンマークの文化や資料が消えるのではないかという危惧があるようです。

Google to digitise national literature(Copenhagen post 2009/12/21付けの記事)
http://www.cphpost.dk/culture/culture/122-culture/47794-google-to-digitise-national-literature.html

OCLC、「研究評価プロセスにおける研究図書館の役割」に関する報告書を刊行

OCLCが、研究評価プロセスにおける研究図書館の役割を分析し、研究図書館の新たな役割の検討に役立てることを目的とした報告書“A Comparative Review of Research Assessment Regimes in Five Countries and the Role of Libraries in the Research Assessment Process”を刊行しました。この報告書では、英国、アイルランド、オランダ、デンマーク、オーストラリアの5か国の高等教育機関における研究図書館の比較研究を行っています。2010年の1月にはこの報告書の概要に、レコメンデーションを追加したものが発表されるということです。

New Report, "A Comparative Review of Research Assessment Regimes in Five Countries and the Role of Libraries in the Research Assessment Process"
(プレスリリース)
http://www.oclc.org/research/news/2009-12-17.htm

カザフスタン国立図書館の建築デザインが決定

カザフスタン共和国の首都アスタナに建築予定の新国立図書館のデザインとして、デンマークの建築会社BIG社のデザインが選ばれました。環、円形建築、アーチ、ユルト(遊牧民のテント式住居)などのカザフスタンのシンボルを融合させた、「メビウスの帯」の形のデザインになっているとのことです。

BIG to Design Kazakhstan’s New National Library in Astana(Designing Libraries 2009/9/7付けの記事)
http://www.designinglibraries.org.uk/news/story.php?subaction=showfull&id=1252329903

BIG will design Kazakhstan’s new National Library(Design Inspiration 2009/8/25付けの記事)
http://www.ddoxa.com/big-will-design-kazakhstans-new-national-library/

BIG to design Kazakhstan’s new National Library in Astana(archinnovations 2009/8/26付けの記事)

WorldCat、欧州・中東の4機関と連携

OCLCは2009年8月25日、デンマーク、スイス、スロベニア、イスラエルの4つの国の機関と、WorldCatへのレコード提供で合意に至ったと発表しています。デンマークの総合目録からは1,000万件のレコード、ドイツ語圏スイス情報ネットワーク(Informationsverbund Deutschschweiz: IDS)からはルクセンブルグやリヒテンシュタインのレコードも含めた1,600万件、スロベニアの情報科学機関“IZUM”からは300万件、イスラエルの大学コンソーシアム“MALMAD”からは所蔵情報の提供を受けるとのことです。

OCLC announces agreements in Europe to extend coverage in WorldCat(OCLCのニュースリリース)
http://www.oclc.org/news/releases/200946.htm

デンマークの公共図書館による老人ホームでの図書館サービス紹介記事の日本語訳

デンマークのゲントフテ公共図書館が老人ホームで実施している、回想法を使用した図書館サービスを紹介したScandinavian Public Library Quarterly誌の記事の日本語訳が、日本障害者リハビリテーション協会 情報センターのウェブサイトで公開されています。

老人ホームにおける回想法を使用した図書館サービス
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/library/library_service.html

Second Life上での図書館サービスの成功例とその課題(デンマーク)

インターネット上の仮想空間“Second Life”上で、2007年からサービスを行っているバーチャル図書館"Info Island DK"について、その成功と課題を、利用者を含むInfo Island DKコミュニティのメンバーからの聞き取りなどをもとに分析した論文が、First Monday誌14(6)号に掲載されています。

Simon B. Heilesen. Remediating cultural services in Second Life: The case of Info Island DK. First Monday. 2009, 14(6).
http://firstmonday.org/htbin/cgiwrap/bin/ojs/index.php/fm/article/view/2315/2209

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