米国

米・アレン人工知能研究所(AI2)の学術文献検索サービス“Semantic Scholar”、論文の内容を人工知能で自動的に一文に要約して表示するTLDR機能のベータ版提供を開始

2020年11月17日、米国のアレン人工知能研究所(Allen Institute for AI:AI2)は、同研究所の学術文献検索サービス“Semantic Scholar”において、“Too Long; Didn’t Read(TLDR)”機能のベータ版が利用可能になったことを発表しました。

TLDR機能は、人工知能(AI)によって論文の内容の一文の要約を自動生成して提供するサービスです。最新の言語生成AI“GPT-3”による自然言語処理技術等が活用されています。ベータ版では、Semantic Scholarに収録されたコンピューターサイエンス分野の1,000万件近くの論文について、同機能により一文の要約が表示されます。

AI2はTLDR機能について、近年Semantic Scholarへのモバイル端末経由のアクセスが大幅に増加していること等も背景に、ユーザーが検索した論文の重要性を迅速に判断する際などに役立てることができることを説明しています。

米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館、利用者データのプライバシーの取り扱いに関する新方針を発表

2020年11月30日付のお知らせで、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)図書館が、利用者データのプライバシーの取り扱いに関する新方針を発表しています。

同館は、電子資料の提供が進むにつれて、これまで以上に利用者のプライバシー保護のための取り組みが重要になっていることを背景として説明し、図書館による利用者データの収集・利用・保護・共有についての透明性の確保を目的として、2020年11月付で新方針を作成しました。新方針は、データ収集・収集したデータにアクセス可能な範囲・第三者との共有・データ保持など、同館による来館者やサービス利用者の個人情報(Personally identifiable information:PII)の取り扱いの詳細を定めています。

The MIT Libraries has a new Patron Data Privacy Policy(MIT Libraries,2020/11/30)
https://libraries.mit.edu/news/libraries-patron-privacy/31491/

米国の大学図書館のデジタル人文学に関する求人広告の内容分析(文献紹介)

2020年11月14日付で、Elsevier社が刊行する査読誌“The Journal of Academic Librarianship”の第47巻第1号(2021年1月)に掲載予定の論文として、“A content analysis of job advertisements for digital humanities-related positions in academic libraries”が公開されています。

同論文は、デジタル人文学分野の専門家に求められる能力の特定のため、同分野に関する求人広告上に記載された資格等の内容を評価する目的で取り組まれました。調査のために、米国図書館協会(ALA)等が運営する図書館・図書館情報学関係の求人・求職サイト“ALA JobLIST”を利用しています。調査では、“ALA JobLIST”に掲載された2006年から2018年までの72件の求人広告について、役職名・機関の種類と所在地・要求される学歴・経験・知識と技能・職務内容等をテキスト分析によって検討しています。

米・アイビー・プラス図書館連合、南アジア地域のジェンダー・セクシュアリティに関連する運動等の記録を収集したウェブアーカイブを公開

2020年11月25日、米国のアイビー・プラス図書館連合は、ウェブアーカイブ“South Asian Gender and Sexuality Web Archive”が公開されたことを発表しました。

同アーカイブは、家父長制に対抗する人々を支援するために、南アジア及び南アジアから世界各地に離散した性的マイノリティ(LGBTQAI+)や女性運動の記録を保存する目的で構築されました。NGOや活動家団体、個人がウェブ上で作成したコンテンツに特に重点を置いて、南アジア地域のジェンダー・セクシュアリティ問題に関連するアドボカシーや教育、社会基盤強化の取り組みに、これらの組織がどのようなアプローチを試みているかを示したものである、と説明しています。また、当事者である女性やLGBTQAI+の人々の直接の意見が反映された口述記録・文章・パフォーマンス等の収集も重視したことで、疎外された人々の苦闘や逆境に対抗するあり方についての洞察を得ることが可能な貴重資料を提供している、としています。

米国議会図書館(LC)の議会調査局(CRS)、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による州への助成金プログラムの概要を報告したCRSレポートを公開

2020年11月17日付で、米国議会図書館(LC)の議会調査局(CRS)は、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による州への助成金プログラム(Grants to States program)について報告したCRSレポートとして、“Institute of Museum and Library Services Grants to States Funding Formula: In Brief”を公開しました。

同レポートは、IMLSによる州への助成金プログラムの概要、州・準州・海外領土等への配分額を決定するための手順、2020会計年度を具体例とした資金配分の実際などを概説しています。

Institute of Museum and Library Services Grants to States Funding Formula: In Brief [PDF:8ページ](CRS,2020/11/17)
https://crsreports.congress.gov/product/pdf/R/R46611

米国アーキビスト協会(SAA)ら、連邦政府記録の管理に関する推奨事項をバイデン氏の政権移行チームに提出

2020年12月1日、米国アーキビスト協会(SAA)は、連邦政府記録の管理に関する推奨事項“Recommendations on Federal Archives and Records Management Issues”をバイデン氏の政権移行チームに提出したことを発表しました。米・州公文書館館長会議(CoSA)、米・地域アーカイブ協会コンソーシアム(Regional Archival Associations Consortium:RAAC)、米・全国政府アーカイブズ記録管理者協会(National Association of Government Archives and Records Administrators:NAGARA)との連名による提出です。

推奨事項では、公務員の記録管理責任、連邦政府の電子記録管理、米・国立公文書館(NARA)、連邦政府によるアーカイブズへの助成、(文書の)機密解除、情報公開法(Freedom of Information Act)の遵守、米国著作権法と知的財産権に関する内容に言及しています。

南相馬市立中央図書館(福島県)、2020年の全米図書賞翻訳部門を受賞した同市在住の作家・柳美里氏に関する記念展示を実施中

2020年11月29日、福島県の南相馬市立図書館は、同市在住の作家・柳美里氏が2020年の全米図書賞(National Book Awards)翻訳部門を受賞したことを記念して、同市の中央図書館において柳氏に関する記念展示を実施していることを発表しました。

柳氏はホームレスとして生活する南相馬市出身の男性の生涯を描いた物語『JR上野駅公園口』で、2020年の全米図書賞の翻訳部門に選ばれました。南相馬市立中央図書館は同館特別コーナーで、柳氏の著作や、2019年12月の同館10周年事業において柳氏が直筆で寄せたメッセージなどを展示しています。

新着情報(南相馬市立図書館)
https://www.city.minamisoma.lg.jp/portal/culture/chuotoshokan/index.html
※2020年11月29日欄に「柳美里さん全米図書賞受賞記念企画」とあります。

米・ワシントンD.C.公共図書館、特別区内全域の図書館建築に関する2030年までの基本計画として“Next Libris: Library Facilities Master Plan”を発表

2020年11月20日、米国のワシントンD.C.公共図書館は、今後10年間の地域のニーズに応え得る、特別区内全域の図書館建築の基本計画として“Next Libris: Library Facilities Master Plan”を発表しました。

同館は発表した基本計画を、地区の図書館を維持するだけでなく、新たな利用に対応し、成長するための戦略的機会を追求し続け、より多くの住民に地区の生活の原動力を提供できるように、同館の関与を明確に示したものとして位置付けています。中央館であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念図書館をはじめ、地区内の26館中24館が2024年までに新築・改築予定であることを表明しています。

基本計画では、優れた施設管理、責任ある設計と建築、公平で活発な成長の3つの目標の下で、2021年から2030年における地区内の図書館の新築・改築や来館サービスの改善に向けた同館の見通しが示されています。

@dcpl(Twitter,2020/11/20)
https://twitter.com/dcpl/status/1329492182915555329

米国の大手出版社ペンギン・ランダムハウス社、サイモン&シュスター社の買収を発表

2020年11月25日、ドイツの世界的メディア企業グループのベルテルスマンは、グループ傘下で米国に本拠を置く大手出版社ペンギン・ランダムハウス社による、米国のメディア企業バイアコムCBS傘下の大手出版社サイモン&シュスター社の買収を発表しました。

プレスリリースによると、ペンギン・ランダムハウス社のサイモン&シュスター社買収額は21億7,500万ドルです。ベルテルスマンはサイモン&シュスター社の買収により、グループにとって第2位の規模の米国市場における地位の強化を意図しています。規制当局の承認を得ることが前提となりますが、ペンギン・ランダムハウス社による買収は2021年中に完了する予定です。

米国議会図書館(LC)の法律図書館が今夏に公開した“Indigenous Law Web Archive”:先住民の部族政府策定の法律情報等を収集

2020年11月18日、米国議会図書館(LC)の法律図書館が、同館のブログにおいて、今年の夏に公開した“Indigenous Law Web Archive”を紹介しています。

先住民の部族政府においても法律の公布が紙媒体からデジタル媒体に移行しつつあることから、オンラインで公開された米国の578の連邦承認部族の政府や裁判所の法令・書式、および、カナダのいくつかの先住民の法律情報を収集し構築されたウェブアーカイブです。1年間のエンバーゴを経て公開されました。

先住民の法律に関する実務家や研究者を支援すること等が意図されています。

View Our New Web Resource: Indigenous Law Web Archive(In Custodia Legis Law Library of Congress, 2020/11/18)
https://blogs.loc.gov/law/2020/11/view-our-new-web-resource-indigenous-law-web-archive/

ページ