学術雑誌

ユサコ株式会社、信頼できるジャーナル・ハゲタカジャーナルに関するCabells社提供のデータベース商品について総代理店契約を締結

ユサコ株式会社は2020年8月26日付の「ユサコニュース第319号」の中で、学術出版におけるジャーナルの評価・分析ツール等を提供する米国のCabells社の2件のデータベース商品について、総代理店契約を締結したことを発表しました。

ユサコ株式会社が総代理店契約を締結した商品はCabells社の“Cabells Journalytics”と“Cabells Predatory Reports”です。“Cabells Journalytics”は、信頼できるジャーナルの情報を提供するデータベースで、専門家の選定による18分野1万1,000誌の書誌情報、質評価メトリクス、エディターのコンタクト情報、投稿情報、オープンアクセス、採択率、募集中の論文情報などが収録されています。“Cabells Predatory Reports”は、ハゲタカジャーナル情報を検索できるデータベースで、専門家の選定による疑わしい雑誌のタイトル、ISSN、発行国、分野、ウェブサイトや、各タイトルの問題点などが収録されています。

英・ケンブリッジ大学、UKRIの新オープンアクセス方針案に対するケンブリッジ大学出版局(CUP)との共同回答の内容を報告

2020年8月18日付で、英・ケンブリッジ大学のOffice of Scholarly Communicationによるブログ“Unlocking Research”に、英国の研究助成機関UK Research and Innovation(UKRI)の新オープンアクセス(OA)方針案に対する同大学とケンブリッジ大学出版局(CUP)の共同回答の内容を報告する記事が公開されています。

ケンブリッジ大学はUKRIの新OA方針案に対して、CUPを含む大学内全体の幅広い分野の意見を反映して共同回答を作成し、2020年5月27日にオンラインフォームから回答しました。ブログ記事は共同回答の内容を以下のように要約して報告しています。

・著者の研究成果物に対する著作権保持、学術雑誌・出版社に対する透明性向上の要求、学術情報流通・研究評価基盤としての主要メタデータの重要性など、留保なしに支持できる点が多くある

・最終的な研究成果物へのアクセスを提供する持続的な雑誌出版モデルと研究集約型大学にとっての合理的な価格設定とは両立しがたく持続可能性に欠けるため、UKRIは全ての利害関係者の出版慣行の大幅な転換を支援しつつ、短期的にはより柔軟な方針を採用する必要があると思われる

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、“Research4Life”に参加し低所得国120か国の機関・組織に対して刊行する学術誌へのアクセスを提供

2020年8月13日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、途上国向けに無料・安価に学術情報を提供することを目的とした官民連携パートナーシップ“Research4Life”に参加したことを発表しました。

このことにより、低所得国120か国の機関・組織で、物理学・材料科学・生物科学・環境科学・工学・教育学など40以上の分野に及ぶIOP Publishing刊行の学術雑誌約90誌へのアクセスが可能となります。

Research4Lifeにアカウントを持つユーザーは、IOP Publishingの学術雑誌をResearch4Lifeのプラットフォーム上で利用することができます。

米国・カナダ・ラテンアメリカの大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組み(文献紹介)

2020年7月8日付で、図書館情報学分野の査読誌“Aslib Journal of Information Management”にて、研究論文“Investigating academic library responses to predatory publishing in the United States, Canada and Spanish-speaking Latin America”が公開されていました。カナダ・オタワ大学の機関リポジトリで、著者版が公開されています。

論文では、米国、カナダ、スペイン語圏のラテンアメリカの国々の大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組みについて比較調査が実施されています。Times Higher Education(THE)社の世界大学ランキングで上位に位置している各地域の大学の大学図書館が対象となっています。各大学図書館のウェブサイトを閲覧して、学術コミュニケーション司書の雇用、学術コミュニケーションに関するワークショップの開催、ウェブサイトでの学術コミュニケーションに関する情報の提供の有無について調査しています。さらに、これらのイベントや情報にて、ハゲタカ出版が扱われているか探っています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、Hindawi社との共同出版契約により2021年1月刊行号から5誌の編集・制作を同社に移管して完全オープンアクセス(OA)化

2020年8月6日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、オープンアクセス(OA)に向けた継続事業の一環として、OA出版を手掛けるHindawi社と刊行中の5誌に関する共同出版契約を締結したことを発表しました。

両者が締結した契約により、CUPが刊行する“Global Health, Epidemiology and Genomics”、“Genetics Research”、“Journal of Smoking Cessation”、“Wireless Power Transfer”、“Laser and Particle Beams”の5誌について、2021年1月刊行号からHindawi社が同社のオープンソースの出版プラットフォーム“Phenom”により編集・制作を担います。また、5誌全てが2021年1月以降完全OA化します。

学術機関・図書館との協同関係や価値観の共有に基づいた学術雑誌出版社評価システム(文献紹介)

2020年7月23日付で、オープンアクセス(OA)出版社MDPIの学術出版に関するテーマを扱う査読誌“Publications”第8巻第3号(2020年9月)に、論文“A Provisional System to Evaluate Journal Publishers Based on Partnership Practices and Values Shared with Academic Institutions and Libraries”が公開されています。

同論文は、学術機関・図書館との協同関係(Partnership Practices)や価値観の共有に基づいて学術雑誌出版社を評価する暫定的なシステムを提案する内容で、米国テネシー大学ノックスビル校図書館のRachel Caldwell氏により執筆されました。著者は、研究者の学術雑誌や出版社に対する見方に大きな影響を与えているインパクトファクター(IF)では、出版社による図書館・学術機関への関わり方を評価できないことを研究の背景に挙げています。IFによらない暫定的な評価システムを導入することにより、出版社の展開する事業が図書館や高等教育機関の価値観とどの程度一致しているかを測り、図書館・機関がリソース配分に関する戦略的な意思決定を行う際に役立てることが研究の目的である、としています。

【イベント】2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」(8/28・オンライン)

2020年8月28日、2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」が、ウェブ会議システムZoomによるオンラインセミナーとして開催されます。

2020年度のJ-STAGEセミナーは、オープンサイエンスの進展や研究不正の防止といった観点で、研究データの公開を重視する動きが増えていることから、年間テーマを「ジャーナルから見た研究データ」と定め、論文根拠データの公開に関する情報提供が実施される予定です。第1回セミナーでは、「研究データ公開の意義」をテーマに、研究データ公開が学術コミュニケーションにもたらす変化や、海外ジャーナルの動向等についての解説と共に、論文著者の研究データ公開に関する実践事例の紹介が行われます。

参加無料ですが事前申込が必要です。主な内容は以下のとおりです。

・開会挨拶

・「研究データ公開が学術コミュニケーションにもたらす変化」 (仮)
 倉田敬子氏(慶應義塾大学)

・「Research data and scholarly journals: developments, policy and implementation」
 Dugald McGlashan氏(INLEXIO)

cOAlition S、欧州研究評議会(ERC)科学評議会のオープンアクセスとPlan Sへの声明に対する返答を公表

2020年7月21日、cOAlition Sは、欧州研究評議会(ERC)の科学評議会(Scientific Council)によるオープンアクセスとPlan Sへの声明に対する返答を公表しました。

声明では、過去20年間にわたってハイブリッドジャーナルへの支援がオープンアクセスの速やかな進展を妨げてきたこと、転換契約がないハイブリッドジャーナルには出版社の二重取り(double-dipping)を阻止する手段がないことが指摘されています。

さらに、ハイブリッドジャーナルの現状を維持することは、潤沢な研究資金が与えられている研究者のみがハイブリッドジャーナルでのOA出版に要する費用を調達できることから、欧州の研究者間の不平等を悪化させると述べられています。リポジトリへの登録によるPlan Sへの準拠を可能とする権利保持戦略が存在することから、研究者はハイブリッド型を含むいずれのジャーナルも選択することが可能であると指摘しています。

また、cOAlition Sは若手研究者の懸念に特に注意を払っており、若手研究者を支援する機関との緊密に協働していることが述べられています。

オランダの学術雑誌にオープンアクセス(OA)出版を提供するプラットフォーム“OpenJournals.nl”の構築が始まる:2020年秋に運用開始予定

オランダのオープンアクセス(OA)に関する情報を提供するウェブサイト“open access.nl”の2020年7月14日付の記事で、オランダ王立芸術科学アカデミー (KNAW)が同国の学術雑誌へOA出版を提供するプラットフォーム“OpenJournals.nl”の構築を開始したことが紹介されています。

プラットフォームの構築には、オランダ科学研究機構(NWO)が助成しており、KNAWとNWOはOpenJournals.nlによって、規模が小さく独自にOA出版へ移行する手段に乏しい社会科学・人文科学分野のOAを促進することを意図しています。OpenJournals.nlは学術雑誌をOA出版するためのデジタル基盤と技術的支援を提供するものであり、各雑誌及び編集者のコンテンツ・購読構造等に関する自律的な運営機能は維持される、と説明しています。

cOAlition S、研究者の知的所有権を保護し不当なエンバーゴを抑止するための「権利保持戦略」を策定・公表

2020年7月15日、cOAlition Sは、研究者の知的所有権を保護し不当なエンバーゴを抑止するための「権利保持戦略」(Rights Retention Strategy)の策定を発表しました。cOAlition S の参加機関から助成を受けている研究者が、Plan Sの要件に完全に準拠しつつ、購読型を含むジャーナル上で研究成果を発表できるようにするものです。

Plan Sに準拠するための3ルートのうち、1つはリポジトリ経由となっていますが、その場合は、最低でも著者最終稿(AAM)をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY相当のライセンスの下で公開する必要があります。

今回発表された権利保持戦略はこのリポジトリルートに沿ったものであり、cOAlition S 参加機関による助成条件を変更し、以下の規定を含めることが示されました。また、変更後の助成条件について、出版社への周知を行うとしています。

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