ウェブアーカイブ

米国議会図書館(LC)の新型コロナウイルス感染症感染拡大下におけるウェブアーカイビング(記事紹介)

2020年12月30日付で、米国議会図書館(LC)が、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における同館のウェブアーカイビング事業に関するブログ記事を公開しました。

同館では、2020年3月中旬から、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のための休館や職員のテレワークといった対応を行っていました。その時点から、感染拡大に関するウェブコンテンツの収集を行っていたということが述べられています。

ウェブアーカイビングを実施する中で明らかになったこととして、収集するウェブサイト数を急速に増やした一方、十分な収集計画がなかったこと、次年度予算に関する不確実性の高まり等が挙げられています。

また、記事中では、6月中旬に承認された、ウェブアーカイビング事業の範囲と資金を考慮した収集計画についても言及されています。計画策定は、新型コロナウイルス感染症感染拡大に関する同館のウェブアーカイブコレクションに関するギャップを解消すること、米国内で優先度が高いトピックを決定すること、既に収集しているコンテンツの識別と組織化の改善を目的に行われました。

Internet Archive、Andrew W. Mellon財団からの助成をうけ、地域の歴史のウェブアーカイブ構築のための公共図書館を対象としたプログラム“Community Webs”の規模拡大を発表

2020年12月8日、Internet Archive(IA)は、地域の歴史のウェブアーカイブ構築のための公共図書館を対象としたプログラム“Community Webs”が、Andrew W. Mellon財団から113万ドルの助成を受けたと発表しています。

同プログラムは2017年の創設以来、21州の40の公共図書館で実施され、文書・画像・動画といった媒体からなる地域の市民の生活を記録した300ものコレクション(50TB以上)をウェブアーカイブしてきました。

今回の助成を受け、全米50州の各州最低2館づつに加え、米国領土内の地域の歴史団体もあわせて150から200の参加が可能となるとしています。参加館は、ウェブアーカイブや閲覧のためのサービスのほか、研修、コミュニティウェブアーカイブ促進のための資金の提供をうけることができます。

また、公共図書館によるコミュニティウェブアーカイブの成果を、専門的なツールやデータセットを通じて研究者が使用できるよう、米国デジタル公共図書館(DPLA)といったプラットフォームと提携を行なうとともに、地域の歴史のデジタル保存の努力を進展させるため、州や地域の団体と連携するとしています。

12月の上旬には参加館を募集する予定としています。

米・アイビー・プラス図書館連合、南アジア地域のジェンダー・セクシュアリティに関連する運動等の記録を収集したウェブアーカイブを公開

2020年11月25日、米国のアイビー・プラス図書館連合は、ウェブアーカイブ“South Asian Gender and Sexuality Web Archive”が公開されたことを発表しました。

同アーカイブは、家父長制に対抗する人々を支援するために、南アジア及び南アジアから世界各地に離散した性的マイノリティ(LGBTQAI+)や女性運動の記録を保存する目的で構築されました。NGOや活動家団体、個人がウェブ上で作成したコンテンツに特に重点を置いて、南アジア地域のジェンダー・セクシュアリティ問題に関連するアドボカシーや教育、社会基盤強化の取り組みに、これらの組織がどのようなアプローチを試みているかを示したものである、と説明しています。また、当事者である女性やLGBTQAI+の人々の直接の意見が反映された口述記録・文章・パフォーマンス等の収集も重視したことで、疎外された人々の苦闘や逆境に対抗するあり方についての洞察を得ることが可能な貴重資料を提供している、としています。

米国議会図書館(LC)の法律図書館が今夏に公開した“Indigenous Law Web Archive”:先住民の部族政府策定の法律情報等を収集

2020年11月18日、米国議会図書館(LC)の法律図書館が、同館のブログにおいて、今年の夏に公開した“Indigenous Law Web Archive”を紹介しています。

先住民の部族政府においても法律の公布が紙媒体からデジタル媒体に移行しつつあることから、オンラインで公開された米国の578の連邦承認部族の政府や裁判所の法令・書式、および、カナダのいくつかの先住民の法律情報を収集し構築されたウェブアーカイブです。1年間のエンバーゴを経て公開されました。

先住民の法律に関する実務家や研究者を支援すること等が意図されています。

View Our New Web Resource: Indigenous Law Web Archive(In Custodia Legis Law Library of Congress, 2020/11/18)
https://blogs.loc.gov/law/2020/11/view-our-new-web-resource-indigenous-law-web-archive/

【イベント】2020年「NDLデジタルライブラリーカフェ」(第1回12/10、第2回1/15・オンライン)

2020年12月10日と2021年1月15日に、国立国会図書館(NDL)が、2020年「NDLデジタルライブラリーカフェ」をオンラインで開催します。

デジタルライブラリーに関わる研究や最新動向をより身近に、より楽しくする講演会であり、科学者と市民が気軽に科学の話題について語り合う「サイエンスカフェ」の手法を取り入れ、ゲストが紹介する最新の話題について、参加者を交えて語り合います。

参加費は無料で、定員は各回30人(要事前申込)です。

<第1回「ウェブアーカイブの活用と課題:WARPと国内外の事例から」>
・日時:2020年12月10日 14時00分から15時40分
・講師(登壇予定順):
高峯康世(国立国会図書館関西館電子図書館課ネットワーク情報第一係長)
志村努(同課情報システム係主査)
上島邦彦氏(株式会社日本データ取引所事業企画部/一般社団法人データ流通推進協議会技術基準検討委員会副主査・書記/研究データ利活用協議会データライセンス小委員会委員)
浅原正幸氏(国立国語研究所コーパス開発センター教授)

WARCnet、新型コロナウイルス感染症に関するウェブアーカイブの概要を調査した一連のレポートを公開中:欧州の複数機関を対象として担当者にインタビューを実施

2020年11月3日、WARCnet(Web ARChive studies network)は、レポートシリーズ“Exploring special web archives collections related to COVID-19”として、新たに3つのレポートを公開したことを発表しました。

同シリーズでは、新型コロナウイルス感染症に関する欧州各国のウェブアーカイブの概要を、担当者へのインタビューにより調査しています。これまでに、フランス国立視聴覚研究所(INA)、ルクセンブルク国立図書館(BnL)、デンマークのウェブアーカイブ“Netarkivet”、ハンガリーの国立セーチェーニ図書館を対象としたレポートが公開されており、新規公開分では英国のウェブアーカイブ“UK Web Archive”、スイス国立図書館、国際インターネット保存コンソーシアム(IIPC)を対象としています。

なお、WARCnetは、ウェブアーカイブ研究者等を対象としたネットワーク活動であり、研究者らに国際的・学際的な活動の場を提供しています。デンマーク・オーフス大学のコミュニケーション・文化学部(School of Communication and Culture)による主導の下、活動は2020年から2022年にかけて実施されます。

E2322 - オランダ・ILP Labによるウェブサイト収集への提言

オランダのアムステルダム大学情報法研究所(Institute for Information Law)が所管する学生イニシアチブ,The Glushko & Samuelson Information Law and Policy Lab(ILP Lab)は,2020年8月,ポリシーペーパー“Web harvesting by cultural heritage institutions”を公開した。

Internet Archive(IA)、ファクトチェック団体から虚偽情報と指摘されたアーカイブ情報等に注釈付きの黄色のバナーを表示

2020年10月30日、Internet Archive(IA)は、ファクトチェック団体から虚偽情報と指摘されたり、問題が指摘され元のウェブサイトから削除されたアーカイブ情報等に関し、“Wayback Machine”において、注釈付きの黄色のバナーを表示させると発表しています。

黄色のバナーには、ファクトチェック団体の該当ページへのリンクも貼られています。

Fact Checks and Context for Wayback Machine Pages(IA,2020/10/30)
http://blog.archive.org/2020/10/30/fact-checks-and-context-for-wayback-machine-pages/

栃木県立図書館、「栃木県立図書館デジタルコレクション行政資料アーカイブ」の運用を開始

2020年10月1日、栃木県立図書館は、「栃木県立図書館デジタルコレクション行政資料アーカイブ」の運用開始を発表しました。

栃木県が発行する行政資料のうち、県のウェブサイトで公表している統計書、年報等の電子ファイルの一部を収集・保存・提供するものであり、同館の蔵書検索システムでの検索・閲覧が可能となっています。

運用開始の背景として、行政資料のペーパーレス化に伴い、電子ファイルでの行政資料の刊行が増加していることを挙げています。

Internet Archiveによる学術論文のためのデータベース、Internet Archive Scholar(記事紹介)

2020年9月22日、ウェブ上で公開されている無料の文化・教育リソースを紹介するブログ“Open Culture”が、Internet Archive Scholarについて紹介しています。

オープンアクセスが進展してオンラインで閲覧可能な学術論文が増加する一方、それらの永続的な保存が課題となっています。このような背景から、Internet Archiveは、Internet Archive Scholar(アルファ版)を提供しています。Internet Archive Scholarは2,500万件以上の学術論文等の学術資料をインデックスしており、本文検索が可能となっています。

またブログ記事は、出版社がInternet Archive Scholarのサービスを停止するための法的な理由がないことにも触れており、学術界で望まれている革新に寄与できる可能性があることを指摘しています。神経学者のShaun Khoo氏の「研究者と一般の最善の利益に貢献する唯一の方法は、公共のインフラストラクチャと非営利の出版物を通してのみである」という言葉を引用して、Internet Archive Scholarが貢献できるだろうと述べています。

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