英国

E2312 - デジタルコレクション購入の手引き:英Jiscの4原則

2020年6月,英国の非営利団体Jiscは文書,写真などの一次資料をデジタル化したものから成るデジタルコレクションの購入に関する図書館員向けガイド“Purchasing digital archives:Guidelines for librarians when negotiating with publishers”を公開した。

文化遺産保全のための知識を学ぶ教育用カードゲーム“The Game of Heritage Destruction”(記事紹介)

英国文化財保存修復学会(The Institute of Conservation:ICON)による2020年10月2日付けの記事で、文化遺産保全のための知識を学ぶ教育用カードゲーム“The Game of Heritage Destruction”が紹介されています。

“The Game of Heritage Destruction”は、英・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の「芸術・遺産・考古学における科学と工学」課程で講師を務めるJosep Grau-Bove博士が2017年に作成したゲームであり、新型コロナウイルス感染症による英国のロックダウン期間中にさらなる改善が行われました。

同ゲームは販売もされていますが、説明書を含むベータ版のデータは無料で公開されています。説明書によれば、2組以上のチーム(又は2人以上のプレイヤー)により行うゲームであり、物体(文化遺産等)のカードセットと、その物体にダメージを与える様々な要因(化学物質、光、湿度、気温等)のカードセットを使用します。ルールの概要は以下のとおりです。

デジタル保存に関する研修のニーズ:英・電子情報保存連合(DPC)内での調査結果(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)による2020年10月8日付けのブログ記事で、DPCがメンバー向けに実施したデジタル保存に関する研修ニーズのアンケート調査について、結果の一部が紹介されています。なお、調査結果をまとめたレポートはメンバー限定の公開となっています。

記事によれば、今回の調査は年2回の頻度で実施されるメンバー向けの研修ニーズ調査の一環であり、2020年の晩春にアンケート送付が行われました。実施目的として、メンバーの増加・多様化を受けての研修ニーズに関する情報収集、研修拡大に当たっての優先順位の把握を挙げています。

回答数は108件であり、英国以外の国(10カ国)からの回答が46%と前回調査時(20%)から大幅増となったこと、52%が実務者(Practitioner)、42%が管理者(Manager)と回答したこと、デジタル保存に関する知識レベルについて63%が「中級」又は「上級」と回答したこと等が紹介されています。また、メンバーが研修に期待する主なメリット、興味がある研修テーマも調査対象となっており、回答結果の上位が示されています。

英国図書館(BL)、新型コロナウイルス感染症からの経済・社会・文化の再生を支援するための戦略的方向性を示した文書を公表

2020年10月6日、英国図書館(BL)は、新型コロナウイルス感染症からの経済・社会・文化の再生を支援するための戦略的方向性を示した文書“Living Knowledge For Everyone”を公表しました。

BLが2015年1月に発表した、2015年から2023年にかけての戦略計画“Living Knowledge”を補足する内容となっており、「経済成長とイノベーション」「社会と文化の再生」という2つのテーマのもと、以下の6つの戦略的方向性について説明が行われています。

(経済成長とイノベーション)
・英国の起業家と中小企業(small business)を支援する
・英国の南北において大規模インフラ投資を行う
・英国の科学・研究・イノベーションを支援する

(社会と文化の再生)
・図書館を通じて人々を結びつける
・アクセス・エンゲージメント・多様性の面において向上を図る
・英国の国際的影響力向上に寄与する

英国図書館(BL)のビジネス・知財センター(BIPC)、中小企業のコロナ後のビジネスを支援し国の経済を回復させるためのResetプログラムを開始

2020年10月5日、英国図書館(BL)のビジネス・知財センター(Business & IP Centre:BIPC)が、Resetプログラムの開始を発表しました。

中小企業のコロナ後のビジネスを支援し国の経済を回復させるための6か月のプログラムで、既存のBIPCの国内ネットワークによるサービスと並行して行われます。

専門用語を用いない、カスタマイズされた、実践的な訓練・アドバイスを提供する無料のプログラムで、毎月10回のウェビナー型式で行なわれます(毎月繰り返し実施)。

「ニューノーマル」でのビジネスの機会、製品やサービスのイノベーション、マーケティング、融資、ビジネスモデルといったテーマが扱われ、参加者は、各地域の図書館にあるBIPCからさらなる支援を受ける事ができます。

米・ITHAKAと英・Jisc、JSTORにおけるデジタルコレクションの公開に関する協定を締結

2020年10月6日、JSTORを運営する米国のITHAKAと英国のJiscが、JSTORにおけるデジタルコレクションの公開に関する協定を締結したことを発表しました。

発表によると、今回の協定により、Jiscに参加する英国の高等教育機関は、JSTORのデジタルコンテンツをオープンアクセスで提供する“Open Community Collections”上で、各機関が保有するデジタル化した特別コレクションをオンライン公開することが可能となりました。

Free access to digital collections through new Jisc and JSTOR collaboration(JSTOR, 2020/10/6)
https://about.jstor.org/news/new-jisc-and-jstor-collaboration/

大阪府立中央図書館国際児童文学館、企画展示「国際児童文学館移転開館10周年記念 しかけ絵本に驚く、楽しむ ―イギリスの歴史からはじめて―」を開催

大阪府立中央図書館国際児童文学館が、2020年11月13日から12月27日まで、企画展示「国際児童文学館移転開館10周年記念 しかけ絵本に驚く、楽しむ ―イギリスの歴史からはじめて―」を開催します。

しかけ絵本は英国でも多数出版されてきたものの、壊れやすく、ほどんど保存されてきませんでしたが、同展示では、200年ほどの歴史を辿りながら、多様な「しかけ」に読者はどう驚き、楽しんできたかについて、三宅興子氏(大阪国際児童文学振興財団特別顧問)の寄贈資料の中から紹介するものです。破損や修理跡が分かる満身創痍の資料も展示されると説明されています。

大阪府立中央図書館 国際児童文学館 企画展示「国際児童文学館移転開館10周年記念 しかけ絵本に驚く、楽しむ ―イギリスの歴史からはじめて―」(大阪府立中央図書館国際児童文学館,2020/10/9)
http://www.library.pref.osaka.jp/site/jibunkan/shikake.html

英・オックスフォード大学出版局(OUP)、ポートフォリオ内の学術誌に新しい研究データポリシーを導入

英・オックスフォード大学出版局(OUP)は、2020年9月29日付けの発表において、ポートフォリオ内の290を超える学術誌にOUPの新しい研究データポリシーを導入したことを報告しています。

発表によれば、新しい研究データポリシーは2020年初めに正式に開始され、次の2点に重点が置かれています。

・発表された研究の基礎となる研究データの透明性向上のため、データ利用可能性ステートメントを含めること
・国際組織FORCE11(The Future of Research Communications and e-Scholarship)による「データ引用原則の共同宣言」(Joint Declaration of Data Citation Principles:JDDCP)へのOUPの支持を踏まえ、引用文献リストにデータセットの完全な引用を含めること

また、新しい研究データポリシーではマルチレベルのアプローチを採用したことも紹介されています。主題分野を超えた多様なニーズや既存の学問的慣行への対応として、データ利用可能性に関するポリシーに4つのレベルを設定しており、研究データの特性は学術分野間で大きく異なることから、各ジャーナルでは分野に応じたレベルのポリシーを導入しているとしています。

英・Software Sustainability Institute(SSI)、デジタル人文学に関するSSIへの推奨事項をまとめたレポートを公開:デジタル人文学に携わる実務家らによるワークショップの成果

2020年9月29日、英・Software Sustainability Institute(SSI)は、デジタル人文学に関するレポート“Sustaining Digital Humanities: Important developments in the UK landscape”の公開を発表しました。SSIは、持続可能かつ優れた研究ソフトウェア開発のための活動を行う国立の機関であり、英国のエディンバラ大学・マンチェスター大学・オックスフォード大学・サウサンプトン大学に拠点を置いています。

本レポートでは、人文学分野におけるSSIの使命を推進することを目的として、デジタル人文学に関するSSIへの推奨事項をまとめています。デジタル人文学の進展のための推奨事項を提示するという点で、英・アラン・チューリング研究所が2020年8月に公開したホワイトペーパー“Challenges and prospects of the intersection of humanities and data science: A white paper from The Alan Turing Institute”に続くものと位置付けられています。

英・ケンブリッジ大学図書館における著作権教育の合理化・効率化の実践(文献紹介)

2020年9月16日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌に、英・ケンブリッジ大学図書館の図書館員らによる共著論文“Copyright life hacks for librarians”が掲載されています。

「著作権教育」は、図書館員・利用者の双方に十分な知識の伝達が必要なテーマとされながら、研修等への参加の促進にしばしば困難が伴います。同論文は、著作権リテラシーの学習に消極的な層にも働きかけ図書館員全体のリテラシーを向上させるために実践している同館の手法が、様々な不満をシンプルに賢く解決する「ライフハック」として紹介されています。

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