デジタルアーカイブ

北米の研究図書館センター(CRL)、ブラジルのジェトゥリオ・ヴァルガス財団によるブラジル史上で重要な役割を果たした9人の女性の個人アーカイブのデジタル化公開を支援

2020年11月30日、北米の研究図書館センター(CRL)は、ブラジルのジェトゥリオ・ヴァルガス財団(Fundação Getulio Vargas)が同センターの支援により、アーカイブコレクションの公開を実現したことを発表しました。

公開されたアーカイブコレクションは、20世紀を中心にブラジルの女性参政権・社会運動・政治活動等で重要な役割を果たした9人の女性について、その個人アーカイブをデジタル化したコレクションです。同財団に所属するブラジル現代史研究・資料センター(Centro de Pesquisa e Documentação de História Contemporânea do Brasil:Center for Research and Documentation of Contemporary History of Brazil:CPDOC)がキュレーションした3万5,000点以上の画像等が収録されており、CPDOCのウェブサイト上で公開されています。

同コレクションは、地域研究・国際研究にとって必要な一次資料やデータに対する電子的なアクセスを拡大するためのCRLのイニシアチブ“Global Collections Initiative”の枠組みで取り組まれました。

フランス国立図書館(BnF)、デジタル事業に関する枠組み“Schéma numérique”の2020年版を公開

2020年11月23日、フランス国立図書館(BnF)が、同館のデジタル事業に関する枠組み“Schéma numérique”の2020年版を公開したことを発表しました。

同館におけるデジタルコレクションの構築や公開、同館の活動や戦略における位置づけ、デジタル分野の発展領域等に関して、地図上に表現する形で示されています。

地図は、デジタルコレクション、データ、インフラストラクチャ-、コレクションの扱い、可能性と予測、技術、リソースの探索と共有、報告と目録の8領域に分けられています。また、デジタル納本、デジタル化、労働環境、探索ツール、同館の電子図書館“Gallica”、総合目録をはじめとした、10の項目が点在しています。

“Schéma numérique”の全文では、各領域にマッピングされた要素について解説が行われています。

Schéma numérique 2020 de la BnF(BnF, 2020/11/23)
https://www.bnf.fr/fr/actualites/schema-numerique-2020-de-la-bnf

京都大学貴重資料デジタルアーカイブが公開3周年:蔵経書院文庫所収資料、谷村文庫猪苗代家本、菊池三渓自筆稿本等の画像も追加公開

2020年12月1日、京都大学図書館機構は、京都大学貴重資料デジタルアーカイブが2017年12月1日の正式公開から3周年を迎えたことを発表しました。

2017年12月1日時点の公開件数は3,719タイトル39万4,069画像でしたが、2020年12月1日時点では1万9,427タイトル161万3,314画像であり、150万画像を超える規模となっています。

同日には、以下の資料画像の追加公開についても発表されています。

・仏典・仏教関係コレクション「蔵経書院文庫」163タイトル
・谷村文庫猪苗代家本、菊池三渓自筆稿本等1,507タイトル

【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ: 公開3周年、画像が150万件を超えました(京都大学図書館機構, 2020/12/1)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1387870

オランダ・ライデン大学図書館、2万点超の地図資料をオンラインで公開:旧オランダ植民地の地図等

2020年12月1日、オランダ・ライデン大学図書館は、同館が所蔵、又は寄託により保管している複数のコレクションに含まれる地図資料を同館のデジタルコレクションで公開したことを発表しました。

計2万点超の地図資料が利用可能となっており、旧オランダ植民地の地図等が含まれます。発表では、オランダで最も大規模かつ重要な地図コレクションの一つが、今回の公開により研究・教育・一般向けにデジタル形式で利用可能となった、と述べています。

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)、関西大学デジタルアーカイブで「鱒澤文庫コレクション」を公開:中国語教育史に関わる資料群

2020年11月30日、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)は、関西大学デジタルアーカイブで「鱒澤文庫コレクション」を公開したことを発表しました。

「鱒澤文庫コレクション」では、鱒澤彰夫氏(元日本大学教授)が収集した中国語教育史に関わる資料群「鱒澤文庫」の一部を公開しています。「鱒澤文庫」は同氏からの寄贈により関西大学が所蔵しており、その目録「関西大学東西学術研究所鱒澤文庫目録(初稿)」も関西大学学術リポジトリ上で公開されています。

鱒澤文庫コレクションを公開しました(KU-ORCAS, 2020/11/30)
https://www.iiif.ku-orcas.kansai-u.ac.jp/news/20201130

【イベント】東北大学狩野文庫デジタルアーカイブシンポジウム「江戸に学び、江戸に遊ぶ」(12/20・オンライン)

2020年12月20日、東北大学附属図書館と東北大学文学研究科の主催により、東北大学狩野文庫デジタルアーカイブシンポジウム「江戸に学び、江戸に遊ぶ」がオンラインで開催されます。

同シンポジウムでは、「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」事業で、2020年9月24日に東北大学所蔵の狩野文庫232点が公開されたことを記念した国文学研究資料館長の講演や、当該事業の概要、狩野文庫のデジタル化計画、活用事例の紹介、デジタルアーカイブの今後についての議論などが行われます。

参加費は無料ですが、事前の申し込みが必要で定員は1,000人(先着順)です。主なプログラムは次のとおりです。

●講演「日本古典と感染症」
 ロバート キャンベル氏(国文学研究資料館長)

●パネルディスカッション「デジタルアーカイブへの期待と今後の課題」
・パネリスト
 ロバート キャンベル氏
 佐倉由泰氏(東北大学文学研究科教授、国文学研究資料館拠点連携委員)
 三角太郎氏(東北大学附属図書館情報サービス課長、国文学研究資料館拠点連携委員)
・コーディネーター
 大隅典子氏(東北大学附属図書館長)

九州大学附属図書館、「江崎文庫」の和本をデジタル化し公開:江戸時代以前に刊行された農学、昆虫学、本草学関係資料114点253冊

2020年11月13日、九州大学附属図書館は、同大学が所蔵する「江崎文庫」の和本をデジタル化し九大コレクション上で公開したことを発表しました。「江崎文庫」とは、同大学農学部長等を務めた昆虫学者、動物分類学者である江崎悌三博士(1899-1957)の蔵書からなるコレクションです。

今回のデジタル化は国文学研究資料館「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」により行われたものとあり、江戸時代以前に刊行された農学、昆虫学、本草学関係資料114点253冊(11,106コマ)が対象となっています。

江崎文庫の和本をデジタル化し公開しました(九州大学附属図書館, 2020/11/13, 2020/11/27更新)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/36384

大日本印刷株式会社、重要無形民俗文化財「麒麟獅子舞」のデジタルアーカイブ化を実施

2020年11月26日、大日本印刷株式会社(DNP)は、2020年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された「麒麟獅子舞」を、デジタル映像として撮影・計測し、デジタルアーカイブ化することを発表しました。

「麒麟獅子舞」は、鳥取県東部と兵庫県北西部に江戸時代から伝わる伝統芸能です。デジタル化に際しては、モーションキャプチャスーツを使用し、3人の舞子役の細かい動きの立体的な計測が行われます。

同取組は、鳥取県東部から兵庫県北西部にかけての観光振興を行う一般社団法人麒麟のまち観光局により、日本郵便の年賀寄付金配分事業の寄付金を活用して実施されるものです。作成したデジタルアーカイブは、同観光局から鳥取県と鳥取市に対して寄贈される予定です。また、計測データは、教育分野や観光等に活用していくと述べられています。

鳥取県の伝統芸能、国の重要無形民俗文化財「麒麟獅子舞」をデジタルアーカイブ化(DNP, 2020/11/26)
https://www.dnp.co.jp/news/detail/10158907_1587.html

「石黒忠悳関係文書」など憲政資料計483点が国立国会図書館デジタルコレクションで公開

2020年11月26日、国立国会図書館(NDL)は、「石黒忠悳関係文書」など憲政資料計483点を国立国会図書館デジタルコレクションで公開しました。デジタル化された文書は次のとおりです。

・赤松則良関係文書(6点)
・芦田均関係文書(寄託)(2点)
・石黒忠悳関係文書(68点)
・石坂泰三関係文書(4点)
・内田康哉・政関係文書(1点)
・榎本武揚関係文書(3点)
・大木喬任関係文書(9点)
・大木操関係文書(52点)
・大平正芳関係文書(1点)
・大山巌関係文書(寄託)(45点)
・樺山資紀関係文書(その2)(1点)
・熊谷八十三関係文書(1点)
・憲政資料室収集文書(20点)※幣原喜重郎手帳、福島安正日記 他
・児玉源太郎関係文書(5点)
・小林次郎関係文書(5点)
・阪谷芳郎関係文書(99点)
・鈴木隆夫関係文書(24点)
・龍野周一郎関係文書(65点)
・寺光忠関係文書(3点)
・福島安正関係文書(2点)
・水野直関係文書(36点)
・宮島誠一郎関係文書(所蔵)(31点)

Europeana によるEU孤児著作物指令への評価(記事紹介)

Europeana Proの2020年11月19日付け記事“Evaluating the Orphan Works Directive”で、欧州委員会(EC)が実施したEU孤児著作物指令(2012年10月採択)に関する調査へのEuropeanaの回答が紹介されています。筆者はEuropeana財団のポリシー・アドバイザーであるAriadna Matas氏です。

ECの調査は2020年8月から10月にかけて行われ、孤児著作物のデジタル化・流通を促進する手段としてのEU孤児著作物指令の効率性・有効性の評価が行われました。87の機関が調査に回答しています。

記事では、EU孤児著作物指令には、規定の範囲が限定されている、要件が煩雑、法的な不確実性がある、といった様々な問題があることを指摘しています。その上で、EU「デジタル単一市場における著作権に関する指令」(2019年4月採択)とEU孤児著作物指令の規定がカバーしている範囲に重複がみられるとし、ほとんど使用されていない後者について撤回の検討を勧めています。

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