2013年12月16日付けのThe Chronicle of Higher Educationの記事で、MOOCプラットフォームの一つであるedXが過去に、MOOCで良い成績を収めた受講者を選び出し、企業とのマッチングを図るパイロットプロジェクトを行っていたものの、失敗に終わっていたことが報じられています。
米国プリンストン大学、ボストン大学、マイクロソフト社の研究者らにより、"Learning about social learning in MOOCs: From statistical analysis to generative model"と題する、MOOCで提供された講座における利用者行動の調査レポートが発表されました。報告書では、MOOC受講者が意見交換するフォーラムの顕著な特色として、コース期間を通してのディスカッションの減少率の高さと、コースに直接関係ない話題も多く含む、読み切れないほどのディスカッションスレッドの多さの2点をあげています。また、このディスカッションの減少率の関連要因を調査し、スレッドを分類、及び関連性をランクづけする効果的な方策を見つけたと述べています。
Learning about social learning in MOOCs: From statistical analysis to generative model (arXiv 2013/12/8) http://arxiv.org/abs/1312.2159v1
米国のNPO・EDUCAUSEが刊行する”EDUCAUSE Review”の2013年9・10月号に、米ニューヨーク市立大学のCurtis Kendrick氏とIrene Gashurov氏が執筆した” Libraries in the Time of MOOCs”という記事が掲載されました。MOOCsの概要や論点紹介のほか、図書館とMOOCsの関わりについて、特に情報資源の提供に関する見解が示されています。例えばMOOCs利用者に必要な情報資源を提供するためのライセンスモデルについて、オプトインモデルでの提供の可能性が論じられています。
ノースカロライナ大学チャペルヒル校の情報学部(School of Information and Library Science)の運営するMOOCで、“Metadata: Organizing and Discovering Information”というコースが公開されています。このコースは、Europeanaのスタッフが、Europeanaのメタデータを例として、ウェブ上やデータベースなどで、情報ツールとしてメタデータがどのように使用されているのかについて取り上げています。
同コースは8週間、1週あたり4~6時間で設定されており、シラバスは以下の通りです。
Unit 1: Organizing Information
Unit 2: Dublin Core
Unit 3: How to Build a Metadata Schema
Unit 4: Alphabet Soup: Metadata Schemas That You (Will) Know and Love
Unit 5: Metadata for the Web
Unit 6: Metadata for Networks
Unit 7: How to Create Metadata
Unit 8: How to Evaluate Metadata
2013年10月17日、Times Higher Education紙が、"Mooc"という語を5年前にカナダで最初に使用した発案者達へのインタビュー記事を掲載しています。カナダ国家研究会議(National Research Council of Canada)の研究員であるStephen Downes氏と、Athabasca Universityの教員であるGeorge Siemens氏は、2008年に"Connectivism and Connective Knowledge"と呼ばれるオンライン講座を創設し、これが最初のMoocであると広く認められているとのことです。
EDUCAUSE Review(オンライン)に"Five Myths about MOOCs"と題した記事が掲載されています。この記事はJames G. Mazoueによるもので、伝統的な教育を改革する動きとしてのMOOCsが過小評価されているという認識にたち、MOOCsは教育の改善というよりコストカットなどの利益を目的としたものである、また、教育を二極分化させるなどの5つの俗説をあげ、それぞれについて、現状の教育の問題点などを指摘しながら反証しています。
同サイトでは、上記の他、MOOCsにおけるコミュニティのあり方について再考を提議する記事"Rethinking Online Community in MOOCs Used for Blended Learning"や、教育者であり研究者でもあるGeorge Siemens氏がMOOCsとオンラインラーニングの将来について論じたポッドキャストなど、MOOCsに関する情報が掲載されています。