図書館研究シリーズ

1.3.2 人気ある職業にするには ~How to be popular~

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James M. Matarazzo
Dean and Professor Emeritus at the Simmons College Graduate School of Library and Information Science in Boston
(シモンズ・カレッジ図書館情報学大学院 名誉大学院長・名誉教授  ジェームズ・マタラーゾ)
Joseph J. Mika
Director of the Library and Information Science Program at Wayne State University in Detroit
(ウェイン州立大学 図書館情報学プログラム長  ジョゼフ・ミカ)

(※本稿は著者の許諾を得て、Matarazzo, James M. et al. How to be popular. American Libraries, 2006, 37(8), p. 38-40. を翻訳したものである。

1.3.1 司書養成・研修・採用

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獨協大学 経済学部  井上 靖代(いのうえ やすよ)

はじめに――現状および将来的な課題

 アメリカでは2004年段階で、librarianが15万9千人、para-professionalとよばれるlibrary technicianが12万2千人、library assistantが10万9千人働いている(1)

1.2.4 障害者サービスに対する法の動向

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筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科  山本 順一(やまもと じゅんいち)

 アメリカには、現在、約4,300万人の身体や精神に障害を持つ人たちがいる。この数は年々増加している。これら障害をもつ人たちは、教育を受けるうえで、また職業に就く際、そして生活を支える所得を得る場合など、生活の様々な局面で実質的に差別されてきたし、現に差別されている。アメリカ連邦憲法修正14条が保障する「平等原則」に照らせば、障害をもつ人たち自身に帰責できない差別については、基本的人権を守るという観点から、極力是正する努力が払われるべきである。

(1) アメリカ議会図書館

 アメリカ議会図書館の中に全国盲人・身体障害者図書館サービス局(National Library Services for the Blind and physically Handicapped:NLS)が設置されている。

1.2.3 知的自由に関する法の動向 ~ 愛国者法、CIPA、COPA、DOPA ~

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大阪教育大学 生涯教育計画論講座  高鍬 裕樹(たかくわ ひろき)

(1) 愛国者法の成立とその改正

 愛国者法(Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism: USA PATRIOT Act)は2001年10月26日の成立である(1)。いうまでもなく2001年9月11日の同時多発テロを受けたものであるが、わずか6週間で成立したこともあって、成立時にその是非についてほとんど議論はなかったといってよい。そのため、社会が冷静さを取り戻すにつれて愛国者法の危険性が叫ばれるようになってきている。

1.2.2 近年の米国の著作権法の動向

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早稲田大学大学院法学研究科 博士後期課程・研究助手  張 睿暎(ちゃん いぇよん)

(1) 米国著作権法の沿革(1)

 米国連邦議会は、米国憲法第1条第8節第8項(2)で委任された権限を行使して、1790年に著作権法を制定した。その後1909年、1971年の改正を経て成立した1976年の著作権法(3)が現行の著作権法(1976年法)である。

1.2.1 公共図書館の設置・運営に関する法的基盤

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立正大学 文学部 平野 美惠子(ひらの みえこ)

(1) 連邦、州、地方の権限

 米国では、公共図書館の設置・運営に関わる法律は、州ごとに制定されている。連邦レベルで制定されない理由は、合衆国憲法に文化・教育に関わる明文規定がなく、さらに1791年に成立した合衆国憲法修正第10条で「合衆国に委任されず、州に対して禁止されていない権限は、それぞれ州又は人民に留保される」と規定したことにある。連邦政府はこの規定を狭く解釈して、文化・教育への積極的な関与を極力控えてきたが、1956年成立の「図書館サービス法(Library Services Act:LSA)」に基づき農村図書館の振興を助成するモデル事業に成功してから、州権を乗り越えて連邦政策を遂行する方向に大きく転換を図った。この背景には、連邦資金の投入を求める州との利害一致があった。

1.1.2 図書館における「民営化」

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獨協大学 経済学部 井上 靖代(いのうえ やすよ)

(1) 背景

 1990年代は、アメリカで全国的に公立公共図書館の運営財源の大幅な削減がおこなわれた。これは全米の景気後退を受け、図書館運営資金、特に地域の不動産(固定資産)の税割合にもとづく図書館税収入や地域で決定する直接税としての図書館税収入の減少の影響である。図書館の設立時期が古く、図書館運営歴の長いウースター図書館(マサチューセッツ州、市の人口17万人)が、1990年に6つの地域館すべてを閉鎖して以降、全米で閉鎖される図書館が急増した。ネヴァダ州では州立図書館の資料費が1992年に15万3千ドルから1993年にはゼロとなるなど、各地で閉鎖ないしは資料費などの運営費が大幅削減を迫られた時期にあたる。

1.1.1 図書館の運営形態

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筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 山本 順一(やまもと じゅんいち)

 図書館は、公共図書館であれ、大学図書館、学校図書館、専門図書館であっても、それぞれ地域社会、キャンパス・コミュニティ、校内の児童生徒・教職員、当該専門主題に関心をもつ社会層といった、ある種の「コミュニティ」の抱える情報ニーズを満たすためにサービスを提供することを任務としている。それだけではなくて、そもそもその図書館自体が当該コミュニティによって産み出され、日常的な維持・管理に必要な多様な諸資源をそこから調達していることが一般的である。ここでは、アメリカの公共図書館を念頭におきつつ、図書館の運営形態について論じることにしたい。

5.2 米国におけるオープンアクセスの動向

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慶應義塾大学大学院 図書館・情報学専攻  三根 慎二(みね しんじ)

(1) オープンアクセス運動の世界的展開

 世紀をまたぐころから、学術情報流通においては電子化とオープンアクセスが一大テーマとなっている。それは、これら2つの現象が、学術情報流通を根本的に変革させる可能性を持つからである。これまで研究者、図書館、学協会・出版社を主な利害関係者として成立していたが、ここに大学、政府、研究助成機関が新たに加わることにより、既存の利害関係者が果たしてきた機能や役割が改めて問われる事態になっている。オープンアクセスとは、学術情報への制限のない無料でのアクセスをオンライン上で提供する理念であり運動であるが、オープンアクセスを巡って百家争鳴の時代を迎えている。本稿では、米国の最近の動向に関して、パブリックアクセス方針や図書館の活動を中心に述べる。

5.1 Googleの動向 ~Scholar、Book Searchを中心に~


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国立国会図書館関西館 事業部図書館協力課  村上 浩介(むらかみ こうすけ)

(1) はじめに

 2004年、優れた検索エンジンを擁してインターネットビジネスを主導してきたGoogleが、2つのサービスを発表し、米国の図書館界に大きな衝撃を与えた。学術文献専用の検索サービス“Google Scholar”と、図書館蔵書や出版社の販売書籍をデジタル化して提供する“Google Print”(後の“Google Book Search”)である。

 実のところ、これらのサービスは、Googleが新規に創出したものではない。学術文献の検索サービスとしては、EBSCOの“Academic Search Premier”やThomson Scientificの“Web of Science”など、すでに商用のものが存在しており、研究図書館を中心にサービスの重要な一翼を担っていた。

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