2020年1月28日・29日に、研究データ公開プラットフォームfigshare上で、報告書“The Atlas of Digitised Newspapers and Metadata: Reports from Oceanic Exchanges”と同報告書内で扱われている様々なデジタル化された新聞データベースで用いられている全てのメタデータのマッピング結果が公開されました。
これらは、大規模データ解析を活用した人文・社会科学研究助成プログラム“Digging into Data Challenge”の2016年の助成対象となった研究プロジェクトである“Oceanic Exchanges”による研究成果物です。“Oceanic Exchanges”は、豊富で急速に流通する情報による世界的な文化を生み出した19世紀の新聞の劇的拡大を背景とした研究プロジェクトです。フィンランド・ドイツ・メキシコ・オランダ・英国・米国の研究機関が参加し、国境・言語を越えた情報フローのパターンを調査するため、2017年から2019年にかけてこれら6か国のコンピューターを用いた先進的な定期刊行物研究を結集させて研究プロジェクトが進められました。
2020年2月6日、研究データの共有と活用の向上にむけて活動を行っている国際コンソーシアム“DataCite”は、研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”に関する36か月のプロジェクト“re3data - Community Driven Open Reference for Research Data Repositories(re3data COREF)”が2020年1月に開始したことを発表しました。
“re3data.org”は独・カールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology:KIT)図書館がホスティングを提供するDataCiteのサービスです。2012年の立ち上げ以来、研究データリポジトリに関する信頼できる情報源として発展し、現在では2,450以上のリポジトリの情報を提供しています。
1990年代後半に設計されたオリジナルの15項目で構成される「ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合(DCMES)」は2003年に初めてISO規格(ISO 15836)となり、更新されたISO 15836 Part 1(ISO 15836-1:2017)が現在も利用可能になっています。ISO 15836 Part 2として設計された今回の規格は、ダブリンコアに基づく記述の精度と表現力を向上できるように、オリジナルの15項目を拡張した40のプロパティと20のクラスで構成されています。また、各語彙をLinked Open Data(LOD)形式で参照できるようにプロパティとクラスがURIで識別可能になっています。
2020年1月15日、Taylor & Francisグループは、電子ジャーナルプラットフォーム“Taylor & Francis Online”上に公表された論文と臨床試験データとのリンク形成を実施することを発表しました。
Taylor & Francisグループは医学・医療分野において250タイトル以上の学術雑誌を刊行しており、同分野で公表された論文はしばしば登録済の臨床試験と関連しています。論文と臨床試験とのリンク形成は、著者が登録済の臨床試験の番号を論文内に記載することで、自動的にCrossref及びPubMedへ臨床試験データの登録が実施される形で行われます。これによりPubMedのメタデータの充実とCrossrefの機能を利用した論文と臨床試験との恒久的な関連付けが可能になる、としています。