図書館設備

E2344 - ドイツ・ベルリン国立図書館における日記調査

ドイツ・ベルリン国立図書館(以下「同館」)は,2020年初めに同館ポツダム通り館(以下「本施設」)で利用者を対象とする日記調査を実施し,同年8月にその報告書を公表した。様々な図書館利用者調査の中でも,本調査は特に利用者の内面に踏み込んでそのニーズの分析を試みたものである。本稿では本調査の目的と方法を中心にその概要を紹介する。

電気通信大学附属図書館(東京都)、感染症対策として館内にサーマルカメラと環境可視化パネルを設置

東京都調布市の電気通信大学附属図書館が2020年11月27日付で、感染症対策用の人工知能(AI)による顔認証付きサーマルカメラ(熱感知カメラ)と環境可視化パネルを館内に設置したことを発表しています。

同館はこれらの設備の導入の目的として、ICTを活用した環境・行動制御によって図書館の安全・安心な利用を可能にし、学生の能動的な学びの再生を図ることを挙げています。

サーマルカメラは同館の入館ゲートと連携するように設置され、従来からの利用証による認証に加えて、マスクの未着用または規定値を超えた体表面温度を検知した場合にはゲートが開かない仕組みとなっています。

また、同館のアクティブラーニングスペースである“UEC Ambient Intelligence Agora(AIA)”には、環境可視化パネルが設置されました。AIAは学修利用のほか、研究利用が可能な空間として設計され、従来から温湿度や二酸化炭素濃度等を測定するセンサーを備えていますが、新たに設置した環境可視化パネルは、各センサーが取得した環境データを大型ディスプレイに可視化するものです。感染リスクの指標となるデータをリアルタイムで確認しながら、利用者による適切な自律的行動、職員によるデータに基づく館内換気が可能になる、と説明しています。

クロアチアのザグレブ国立・大学図書館、欧州国立図書館員会議による助成金を活用して感染症対応のためのICTシステム整備プロジェクトとロマ社会に関するオンライン展示プロジェクトを実施

2020年10月19日、クロアチアのザグレブ国立・大学図書館(NSK)は、2件のプロジェクトの助成金申請が欧州国立図書館員会議(CENL)によって承認されたことを発表しました。

CENLは2020年8月に、新型コロナウイルス感染症による危機対応支援のための基金“Covid-19 Support Fund”と、国内の少数コミュニティ支援プロジェクト促進のための基金“Hidden Stories Fund”を設立し、加盟館から申請を募集していました。NSKはそれぞれの基金に助成金を申請し、2件ともに承認されています。

NSKは“Covid-19 Support Fund”による2,500ユーロの助成金を活用して、感染症拡大対応のためのICTシステム整備を進めます。感染症対応に基づく運営体制や利用条件の変更を利用者へお知らせするために、館内に大型スクリーンやフロア案内板等の設置を実施します。

宮城県図書館、資料搬送機の紹介動画を公開

2020年11月6日、宮城県図書館が資料搬送機を紹介する動画を公開したことを発表しました。

同館の資料搬送機の内部を撮影したもので、同館が実施している相互貸借サービス等の案内も行われています。

@ Miyagi_pref_Lib(Twitter, 2020/11/6)
https://twitter.com/Miyagi_pref_Lib/status/1324640771132125184?s=20

資料搬送機動画を公開します(宮城県図書館)
https://www.library.pref.miyagi.jp/latest/news/1662-2020-11-06-04-36-40.html

遠隔医療受診のための施設としての地方の公共図書館の可能性:米バージニア大学(UVA)に所属する看護学研究者の研究から(記事紹介)

米・バージニア大学(UVA)は、2020年8月19日付のお知らせで、同大学の看護学研究者であるデグズマン(Pamela DeGuzman)准教授が2020年7月に公衆衛生看護学分野の査読誌“Public Health Nursing”に発表した論文の内容を紹介しています。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、インターネットを介してリアルタイムで医療者からの診療を受ける遠隔医療(telemedicine)の重要性が高まっていますが、自宅におけるブロードバンドインターネット環境の整備の遅れた地方では、十分に遠隔医療を受診できない状況にあります。そのような中、デグズマン准教授は、利用者向けにブロードバンドインターネット環境を提供することが一般的な公共図書館について、遠隔医療受診のための施設として役割を十分に果たすことができるか検証する研究を行いました。

ベルリン国立図書館(ドイツ)、利用者行動研究プロジェクト“StaBi 2030”の一環として行われた利用者16人による図書館滞在中の日記記録実験の報告書を公開

ドイツのベルリン国立図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)は、2020年8月5日付で公開したブログ記事において、利用者行動研究プロジェクト“StaBi 2030”の一環として2020年初頭に同館が実施した、利用者16人による図書館滞在中の日記記録実験の結果を紹介しています。

ベルリン国立図書館は、築40年以上が経過した建物の大規模改修において、利用者の要望やニーズを十分に反映させるための利用者行動研究プロジェクト“StaBi 2030”を2019年10月から2021年9月までの2年間実施しています。同プロジェクトの一環として、2020年初頭に図書館滞在中の様子を日記(Tagebuch)形式で利用者に記録させる実験が行われました。公募で集まった16人の利用者が実験に参加し、それぞれ3日間の図書館滞在中の「日記」を残しています。同館は「日記」の内容から得られた結果として、以下のようなことを紹介しています。

・ベルリン国立図書館は静かな雰囲気を湛えた勉強のための場所としての評価が高いが、自由に電話ができるスペースの要望など、改善のためのアイデアも数多く見られた

合同会社AMANE、デザイン事務所と共同して新型コロナウイルスの流行により低迷する文化活動を再活性化するためのプロジェクト「キテンプロジェクト」を開始

2020年7月28日、合同会社AMANEは、石川県金沢市のデザイン事務所「root design office」とともに、新型コロナウイルスの流行で苦境に立たされた図書館や博物館施設の文化活動を後押しすることを目的とした「キテンプロジェクト」を立ち上げたことを発表しました。

同プロジェクトは、新型コロナウイルスの流行を背景にソーシャルディスタンシングが日常化し、公共空間に「利用禁止」や「X(バツ)」といった拒絶を示す表示が増加したことを背景に立ち上げられました。このような拒絶を示す表示に代わって、文化施設と人々を繋ぐ学術資料の社会的活用と意義を担ったプロダクト「キテンの木」を設置する「植樹」を進めることで、低迷する文化活動の再活性化を意図したプロジェクトである、と説明されています。また、「キテンの木」には、各施設のデジタルアーカイブを素材とした「キテンの葉」の展示も行われ、制作の過程でデザイナーと学芸員・司書が協力・連携し、さらに博物館・図書館・カフェなど多様な施設や空間を対象とすることにより、デザイン・学術双方において豊かな表現の創出と安心安全な公共環境の実現を目指す、としています。

ドイツ図書館協会(DBV)、小規模自治体図書館の「サードプレイス」化を支援する資金援助プログラムを実施

2020年4月20日、ドイツ図書館協会(DBV)は、人口2万人以下の小規模自治体の図書館を対象とした資金援助プログラム「全ての人のための場所(Vor Ort für alle)」の実施を発表しました。

公共図書館は、資料の貸出だけでなく、学習スペース・カフェ・メイカースペース・共同作業スペース・イベント会場などの提供を通して、デジタル化の進む社会における住民への文化的資源の供給を保証する重要な機能を担っています。“Vor Ort für alle”は、小規模館や地方の図書館をこのような機能を果たす「サードプレイス」へ変容させるための資金援助プログラムで、デジタル機器の設置や現代的な図書館の取り組みの実施等への支援が行われます。人口2万人以下の自治体の図書館はDBVへ最大2万5,000ユーロの支援を申請することができます。また、DBVに加盟していない図書館も申請することができます。

同プログラムは、ドイツ連邦議会の決議に基づき、文化・メディア庁(Beauftragten der Bundesregierung für Kultur und Medien : BKM)による「農村地域の文化(Kultur in ländlichen Räumen)」プログラムの一部として実施されます。

カナダ・トロント公共図書館、同館の3Dプリンターをトロント総合病院へ貸与:新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者用の個人防護具(PPE)製造支援のため

2020年3月27日、カナダのトロント公共図書館(TPL)は、同館の3Dプリンター“Ultimaker 2+”10台をトロント総合病院の医療チームへ貸与していることを発表しました。新型コロナウイルス感染症対応の最前線に立つ医療従事者が着用する個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)の製造を支援することが目的です。

トロント総合病院では、Azad Mashari医師らによるイメージング研究室内の医療チームが、3Dプリントされた部品を含むフェイスシールドを製造しています。このフェイスシールドはプラスチック・マイラ・伸縮素材を素材とし、顔全体を覆うことで新型コロナウイルスから鼻や目を保護する目的で使用されています。

トロント公共図書館は、世界の多くの公共図書館にはメイカースペースや3Dプリンティングの技術やプログラムが存在し、新型コロナウイルス感染症対応として、オンタリオ州のキッチナー公共図書館やストラトフォード公共図書館などでも、同様の取り組みが行われていることを紹介しています。

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