音楽資料

米・ミシシッピ州立大学図書館、ネブラスカ州在住の個人の収集家による約5万曲相当の楽譜コレクションの寄贈を受入:米国最大規模の楽譜所蔵機関に

2020年12月10日、米国のミシシッピ州立大学は、同大学の図書館に対して、ネブラスカ州オマハに在住する個人の収集家であるクリアリー(Janice Cleary)氏が楽譜コレクションの寄贈を行ったことを発表しました。

現在95歳のクリアリー氏は、長年にわたってラグタイムの楽曲を中心とする楽譜の収集を行い、ガーシュウィン(George Gershwin)・ブレイク(Eubie Blake)など様々な作曲家による約5万曲相当の楽譜コレクションを構築していました。クリアリー氏の家族を介して、著名なピアニストであるバーンハート(Jeff Barnhart)氏からの勧めにより同館への寄贈が行われたことを紹介しています。

お知らせの中で、ミシシッピ州立大学図書館は、合計2万点以上のミュージカル楽曲・ラグタイム・1860年代以降のポピュラー音楽の楽譜コレクション“Charles H. Templeton Sr. Sheet Music Collection”を所蔵しており、楽譜コレクションの保存・利用・デジタル化等に関する同館の取り組みへの評価が、バーンハート氏による寄贈の勧めに繋がったことが挙げられています。

ミシシッピ州立大学図書館はクリアリー氏のコレクションが加わったことにより、米国最大規模の楽譜の所蔵機関となっています。

フィンランド国立図書館、シベリウスの手稿譜コレクションの入手を発表

2020年12月8日、フィンランド国立図書館が、ジャン・シベリウスの手稿譜コレクションを入手したことを発表しました。

同コレクションは、1,230ページ以上の手稿譜であり、ジャン・シベリウス直筆の注釈が付されたスコアや、リヒャルト・シュトラウスによる手書きの注釈が付されたスコア等で構成されています。

発表の中では、手稿譜は研究や音楽界にとって重要であり、加えて、文化的・国家的遺産としても価値があると述べられています。また、今回の入手は、Ella and Georg Ehrnrooth Foundation等からの助成や民間スポンサーからの寄付によって実現したと紹介されています。

【イベント】ZOOMによる座談会「近代遺産の発掘と活用 寄贈資料を引き継ぐ~SPレコード~」(11/21・オンライン)

2020年11月21日、ウェブ会議サービスZoomによるオンライン形式で、ZOOMによる座談会「近代遺産の発掘と活用 寄贈資料を引き継ぐ~SPレコード~」が開催されます。

同座談会は、大阪府吹田市の関西大学博物館を中核館とする、文化庁による地域と共働した博物館創造活動支援事業「関西圏大学ミュージアム連携活性化事業 ようこそ大学ミュージアムへ―つなぐ・つなげる・つながる―」の取り組みとして行われ、事業の実行委員会である「かんさい・大学ミュージアム連携実行委員会」が主催します。

歴史的音源としての価値だけではなく、社会状況を反映する資料としての意味を持つSPレコードについて、それらを活かすデータベースとはいかなるものか、その意義について具体例を挙げ、討論、提言する機会として開催されます。開催の背景として、大阪芸術大学(大阪府南河内郡)と関西大学が大阪音楽大学(大阪府豊中市)に寄贈されたSPレコードを引き継ぎ、整理作業に取り組んだことが挙げられています。

参加には事前に電子メールで申し込みする必要がありますが、参加費は無料です。主なプログラムは次のとおりです。

アウグスブルク州立・市立図書館(ドイツ)、同館の所蔵する17世紀以前に作成された手稿譜約80点のデジタル化事業を開始

2020年10月29日、ドイツのアウグスブルク州立・市立図書館(Staats- und Stadtbibliothek Augsburg)は、2020年11月から同館の所蔵する17世紀以前に作成された手稿譜(Musikhandschriften)約80点について、デジタル化事業を開始することを発表しました。

同館の手稿譜のデジタル化は、ドイツ研究振興協会(DFG)の2年間の助成の下、バイエルン州立図書館(BSB)との共同により、包括的な音楽学上の資料整備とインターネットを通した資料の無料提供を目的とするプロジェクトとして実施されます。このデジタル化事業では、オンライン目録の作成や、最新のサーモグラフィー技術による「透かし(Wasserzeichen)」も含めた高品質な原資料のスキャンが行われます。

1537年に設立されたアウグスブルク州立・市立図書館の所蔵する手稿譜は、その多くが市内の修道院や神学校に由来し、ルネサンス期のフッガー家によるコレクションの中でも重要な位置を占めた資料群です。所蔵コレクションには、当時の作曲家オルランド・ディ・ラッソによる合唱曲の豪華な装飾の施された大判の楽譜などが含まれています。

英国の図書館・文書館所蔵の音楽資料を検索できる“RISM UK Catalogue”が公開

2020年10月16日、英国図書館(BL)は、RISM(UK) TRUSTが“RISM UK Catalogue”を公開したと発表しています。RISM(UK) TRUSTは、英国の図書館・文書館所蔵の手稿譜や印刷版の音楽資料を把握するために1984年に設立された組織です。

世界の図書館・文書館に所蔵される1850年以前の音楽資料の所在目録RISMのサブセットとして、英国の図書館・文書館で所蔵されている1600年から1800年にかけての印刷物や手稿の音楽資料や、世界中の図書館で所蔵されている冊子体のコンコーダンスのデータが含まれています。

これら検索対象データは、RISM(UK) TRUSTが、2001年から2007年にかけて、BLおよびロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校と共同で実施した“UK Music Manuscripts (1600-1800) ”プロジェクトにおける、既存のカード目録等からのデータ入力や、それまで調査されていなかった作者不明の作品の目録化作業によるものです。

福井大学附属図書館医学図書館、展示『昭和の作曲家 古関裕而と福井医科大学学歌~完成までのあしあと』を開催中

福井大学附属図書館医学図書館が、2020年7月6日から31日まで、展示『昭和の作曲家 古関裕而と福井医科大学学歌~完成までのあしあと』を開催しています。

同館の展示は、福井大学松岡キャンパス(福井県永平寺町)で、作曲家・古関裕而氏による旧福井医科大学学歌制作に関する資料が発見されたことを受けて、発見資料と共に旧福井医科大学と同氏のつながりがわかる資料を展示する目的で実施されています。

地元紙の報道によると、発見された資料は、同氏が作曲した、旧福井医科大学の学歌の手書き楽譜や歌が収録されたオープンリールの原盤などです。旧福井医科大学の開学40年を迎え、福井大学の記念誌発行委員会が過去の資料を整理する中で、文書庫内に「昭和59年9月29日」付けのマスター版テープや手書きの楽譜2枚、同氏の手紙のコピー等が保管されていたことを確認した、と紹介されています。

医学図書館展示『昭和の作曲家 古関裕而と福井医科大学学歌~完成までのあしあと』(福井大学附属図書館,2020/7/6)
https://www.flib.u-fukui.ac.jp/content/news/20200706

国際日本文化研究センター、「浪曲SPレコード デジタルアーカイブ」を公開

2020年6月24日、国際日本文化研究センターが、「浪曲SPレコード デジタルアーカイブ」を公開しました。

1890年代から1950年代までに出版された、約1万枚の浪曲(浪花節)SPレコードのデジタルアーカイブで、著作権保護期間満了分の音源、全レコード盤面画像、番付・ポスター等の関係資料画像がインターネット公開されています。著作権保護期間中の音源は同センター内で限定公開されます。

音源のデジタル化作業は継続中で、今後も追加予定としています。

「浪曲SPレコード デジタルアーカイブ」を公開しました(国際日本文化研究センター,2020/6/24)
http://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/sheet/2020/06/24/s001/

浪曲SPレコード デジタルアーカイブ
https://kutsukake.nichibun.ac.jp/rsp/

豊橋市図書館(愛知県)、「豊橋観光音頭」「夢の豊橋」の2曲が古関裕而による作曲と確認されたと発表

2020年6月10日、愛知県の豊橋市図書館が、「豊橋観光音頭」「夢の豊橋」の2曲が古関裕而による作曲と確認されたと発表しています。

地元紙の報道によると、豊橋観光コンベンション協会に、作曲家・古関裕而を主人公のモデルとしているNHK連続テレビ小説「エール」の風俗考証者から資料の問い合わせがあり、同協会から同館への照会を受けて同館の学芸員が所蔵資料を調査したところ確認されたとのことです。また、当初、両曲ともレコードが見つかっていなかったことから、同館が情報提供を呼びかけたところ、自宅にレコードがある旨の市民からの情報提供があり、レコードは、今後、同館に寄贈される予定と報じられています。

同館の中央図書館では、6月23日まで、「豊橋観光音頭」「夢の豊橋」関連資料を展示しています。

古関裕而作曲の「豊橋観光音頭」「夢の豊橋」(豊橋市図書館日記~Library Diary,2020/6/10)
https://ameblo.jp/toyohashi-city-library/entry-12603197534.html

米国議会図書館(LC)、児童・生徒を対象とした音楽教育のオンライン授業で利用可能な情報源のガイドを公表

2020年5月13日、米国議会図書館(LC)が、K-12の児童・生徒を対象とした音楽教育のオンライン授業で利用可能な情報源のガイド“K-12 Music Education Resources at the Library of Congress”を公表しました。

新型コロナウイルス感染症の拡大にともなって、音楽や舞台芸術に関するオンライン授業を行う教員を支援するために作成されました。作成に当たっては、同分野の教員と図書館員が協力し、オンライン授業を補完するLCの基本的な情報がまとめられています。

同ガイドには、LCが教育での活用のために公開している一次資料(primary resource)や、音楽部門・アメリカ民俗センター(AFC)・国立視聴覚資料保存センター(NAVCC)が提供している専門的な情報、LCのウェブサイトから利用可能なデジタル資料、ポッドキャスト、オンラインコンサート、オンライン講義、オンライン展示が含まれ、オンライン授業のプランに組込むことが可能です。

同ガイドは今後も情報を更新する予定であり、LCの舞台芸術閲覧室(Performing Arts Reading Room)のウェブページで公開されており、教室での授業が再開された後でも効果的に活用できることも意図されています。

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、新型コロナウイルス流行以前のニューヨークの街の音を収録したアルバム“Missing Sounds of New York”の提供を開始

2020年5月1日、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)は、新型コロナウイルス流行以前のニューヨークの街の音を収録したアルバムである“Missing Sounds of New York”を製作したことを発表しました。

NYPLは“Missing Sounds of New York”について、新型コロナウイルスの流行により過去に前例のない社会的分離を余儀なくされる時代に、全てのニューヨーク市民をつなぎコミュニティの発展に資する没入型体験を提供するアルバムである、としています。このアルバムには、タクシーのクラクション・通り過ぎる自転車便・会話の断片・鳩の鳴き声・NYPL分館の喧騒といったニューヨーク市民の日常になじみ深い音が収録されています。

アルバム内の各トラックは物語が展開される構成となるように音の組み合わせが工夫されています。例えば、図書館のトラックでは、分館に入館した市民が、図書館のツアーグループへ駆け込み参加し、お薦めの図書を探す親切な職員と会話した後に、幼児向けの読み聞かせが行われているそばを通り抜けて席につき静かに作業を開始する様子を追いかけた構成となっています。

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