図書館政策

別府市(大分県)、コロナ禍を経ての分散型図書館サービスの提供可能性や市民ニーズを検証する新図書館整備事業の実証事業「リモートライブラリー+」を実施中

別府市(大分県)が、2021年1月13日から2月19日まで、新図書館整備事業において分散型の図書館サービスの提供可能性や市民ニーズについて、実証実験を通じて検証する「リモートライブラリー+」を行っています。

同市では、新図書館整備事業において、「図書館に人が集まる、図書館で多様な人材が交わる」ことを重視してきたものの、新型コロナウイルス感染症による社会変化を経て、一か所に人を集めるだけでなく、様々な場や施設を活用し、図書館サービスを分散化する機能も必要ではないかと考えたことから、分散型・リモートという新しいライフスタイルに対応可能な図書館機能を検討するため行われるものです。

「リモートライブラリー+」は、別府駅ワンダーコンパス(外国人観光客向け観光案内所)・別府市役所1階受付横・百貨店トキハ別府店地下1階フードコートキッズスペース付近に設置されており、利用料は無料で、一部のデスク・席を除き予約不要で利用可能です。本棚の書籍の貸出しは行っていません。また、AI解析用のカメラを設置するものの、個人を特定する画像は撮影しないとしています。

地元紙の報道によると、設置場所にはそれぞれ絵本やビジネス書など約40冊が並ぶ書架とデスク4台が設置されており、AI解析用のカメラは、利用率や利用者の属性、滞在時間を分析するものとのことです。

韓国・大統領所属図書館情報政策委員会(第7期)、第3次図書館発展総合計画に基づく2021年の実施計画および図書館運営評価指標を審議し確定:コロナ禍に対応し非対面・オンラインサービス拡充を推進し、対面サービス関連の評価指標を縮小

韓国の大統領所属図書館情報政策委員会(第7期)は、2020年12月22日に第4階全体会議を開催し、第3次図書館発展総合計画(2019-2023)に基づく中央省庁・市・道の2021年の実施計画案を審議し、確定したと発表しています。

2021年の予算規模は1兆1,021億ウォンを計画しており、2020年から421億ウォン(4%)増加しています。同計画の4つの戦略別では「個人の可能性の発見」に993億ウォン(前年比74億ウォン増)、「コミュニティ力の向上」に472億6,000万ウォン(前年比51億ウォン増)、「社会的包摂の実践」に832億ウォン(前年比41億ウォン増)、「未来を開くための図書館改革」に8,723億ウォン(前年比255億ウォン増)が計画されています。特に、コロナ禍に対応した運営方法としての非対面・オンラインサービスの拡充に関する中央省庁の17事業(研修・プログラム・サービス等での非対面での運営拡大やオンライン教育支援、国内外の政策情報の収集およびサービス強化等)、地方公共団体の54事業(非対面・オンライン読書プログラムの拡大、非対面貸出サービスの構築、電子書籍の読書環境提供等)を推進するとしています。

韓国・文化体育観光部、利用者自身が貸出・返却処理を行なう「スマート図書館」の設置を支援すると発表:新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休館期間中の貸出サービス継続のため

2020年12月30日、韓国・文化体育観光部が、公共図書館における非対面貸出サービスの拡充のため、2021年度、「スマート図書館」の設置を支援すると発表しています。

「スマート図書館」は、利用者自身が貸出・返却処理を行なう、図書を400冊から600冊備えた自動貸出機です。コロナ禍において韓国の公共図書館が休館・開館を繰り返すなかでも「スマート図書館」を運営している公共図書館では貸出サービスを継続できたことから、設置のための予算を2020年の10億ウォンから2021年は20億ウォンに拡大し、全国32の市・郡・区での設置を支援するものです。

ソウル特別市・大邱広域市・光州広域市・京畿道・忠清南道・慶尚南道では住民が最も多く利用する地下鉄の駅に、世宗特別自治市では中央公園に、全羅北道(扶安郡)ではキャンプ場、全羅南道(海南郡)では住民センター等に設置する計画です。

E2340 - 感情労働者たる図書館職員を保護するための指針(韓国)

日本においては,以前から,利用者対応に関わって,図書館職員の疲弊・困惑・憤りや,退職に追い込まれた事例の報告・紹介が行われている。そのような現場での問題を受け,この間,図書館界の専門誌では,図書館職員のメンタルヘルス・感情労働(感情を管理して職務を遂行する労働)・カスタマーハラスメント(カスハラ)に関する記事も現れ始めてきている。そこでは,日本の図書館界においても,米国と同様,図書館学・図書館情報学の見地からの図書館職員のストレス緩和等に関する研究・考察の拡充(理論)や,組織全体でのメンタルヘルスの体制の整備(実践)の必要性等も指摘されている。

E2339 - 韓国図書館界,ポストコロナの図書館を考えるフォーラム開催

2020年9月4日,韓国において,大統領所属図書館情報政策委員会(以下「図書館委員会」),韓国図書館協会(KLA),韓国国立中央図書館(NLK)の共催により,ポストコロナ時代の図書館の在り方について検討するため,「ポストコロナ,新しい日常と図書館の挑戦」と題する政策フォーラムがオンラインで開催された。

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合、欧州各国の図書館制度や文化・教育政策以外の政策における図書館の責務について専門家に質問調査した中間報告書を公表

2020年12月15日、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA) が、中間報告書“Library Legislation and Policy in Europe”を公表しました。

同報告書は、欧州各国の図書館制度内での図書館の責務、地域レベルでの図書館の責務、文化・教育政策以外の政策における図書館の責務について、EBLIDAが指名した28人の専門家を対象に、フランスの文化省と共同で質問調査した結果です。調査結果には、指名した28人以外に回答を希望した4人の専門家の回答も含まれています。

EBLIDAでは、2019年から2022年までの戦略計画の一環として、2000年に承認された、同会と欧州評議会(Council of Europe)による「ヨーロッパにおける図書館法制・政策に関するガイドライン(Guidelines on Library Legislation and Policy)」の改定を視野に入れ協議を進めているとしています。

国際図書館連盟(IFLA)、デジタルスキル向上に関する各国の政策に見られる図書館の役割について調査したホワイトペーパーを公開

国際図書館連盟(IFLA)情報への自由なアクセスと表現の自由に関する委員会(FAIFE)のページに、2020年12月9日付けでホワイトペーパー“Libraries in Digital Skills Policies”が公開されています。

同ホワイトペーパーは、デジタルスキル向上に関する各国の政策に見られる図書館の役割についての調査に基づいて作成されました。政策レベルでの図書館への言及について、図書館が支援を行う分野やその方法、図書館の取組に対する政策的支援といった切り口から整理を行っています。また、言及した各国政策の一覧も付録として収録されています。

先進国・発展途上国を問わず、図書館がデジタルスキルに関するインフラの一部と見なされ、幅広い研修の支援・提供を実施していることを強調する内容となっており、各国の図書館や図書館協会が自らのアドヴォカシー活動において利用できるようデザインされたものとあります。

神奈川県立図書館、2022年度開館予定の新棟の概要や図書館再整備について紹介するウェブページ「新棟整備のご案内」を公開

2020年12月4日、神奈川県立図書館が、2022年度開館予定の新棟の概要や図書館再整備について紹介するウェブページ「新棟整備のご案内」を公開しています。

現在の同館の「専門的図書館」「広域的図書館」としての機能に加えて、新たに「価値を創造する図書館」として新棟を整備するとともに、「魅せる図書館」として既存の本館を再整備するとしています。また、既存の新館は、収蔵スペースの不足を解消することを目的に概ね20年から30年分の蔵書増加に対応可能な「収蔵庫」として改修するとしています。現本館、現新館は順次整備予定です。

具体的には、新棟には閲覧スペースを集約化し、「開架スペース」「展示スペース」「貸出・レファレンスカウンター」「交流スペース」「くつろぎスペース」「ゆったりとした閲覧スペース」が設けられるとしています。本館は、前川國男氏が設計したモダニズム建築の魅力をいかし、開放感のある吹抜け空間を活用するとともに、所蔵する記録フィルムの放映や、貴重な資料や蔵書の展示を行うスペースを整備するとしています。

文部科学省、図書館法施行70周年を記念して76人の図書館関係者を表彰

2020年12月4日、文部科学省は、図書館法施行70周年を記念した図書館関係者表彰として、都道府県教育委員会等から推薦のあった候補者の選考を行い、76人の被表彰者を決定したことを発表しました。

同表彰は、地域における図書館活動を推進するため、多年にわたり図書館活動等の振興に顕著な功績のあった者及び全国的見地から多年にわたり図書館関係の団体活動に精励し、図書館活動等の振興に功労のあった者等に対し、その功績をたたえて文部科学大臣が表彰するものです。同様の表彰は、1980年の図書館法施行30周年から10周年ごとに実施されており、今回の表彰は5回目に当たります。

被表彰者として、75人の地域における図書館活動等の功労者と、1人の全国的な図書館活動等の功労者が発表されています。被表彰者への表彰状等は、都道府県教育委員会等の推薦団体を通じて伝達されます。

図書館法施行70周年記念図書館関係者表彰(文部科学省,2020/12/4)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00402.html

神奈川県川崎市、「『今後の市民館・図書館のあり方』に関する中間とりまとめ」を公表

2020年11月12日、神奈川県川崎市は、「『今後の市民館・図書館のあり方』に関する中間とりまとめ」を公表しました。

川崎市では、市の市民館・図書館が、地域の中の生涯学習施設としての機能を最大限に発揮しながら、全ての市民が生涯を通じて学び続けることができるよう、概ね10年後の将来を見据えた「今後の市民館・図書館のあり方」の策定に向けた検討を進めています。

今回公表された「中間とりまとめ」は、現時点における検討内容をまとめたものです。「中間とりまとめ」中の記載によれば、2021年1月を目途に「今後の市民館・図書館のあり方」(案)を策定し、1月下旬から2月にかけてパブリックコメントを実施した上で3月の策定を目指すとしています。

「『今後の市民館・図書館のあり方』に関する中間とりまとめ」を公表しました(川崎市, 2020/11/12)
https://www.city.kawasaki.jp/templates/press/880/0000122530.html

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