CHORUS では、公的助成を受けた論文・会議予稿集の出版社版(version of record)又は著者最終稿(Accepted Manuscripts)について、加盟出版社のウェブサイト上での公開状況を監視しています。GetFTRのAPIを利用することで、出版社からデータを収集しチェックを行う作業のさらなる自動化を行っています。
学術雑誌の購読料の高騰,研究成果の迅速かつ自由な共有の実現,社会への説明責任といったことを背景としてオープンアクセス(OA)が推進されてきており,2000年以降掲載論文を無料でウェブ上に公開するOAジャーナルが広まりを見せている。しかし,OAジャーナルを巡っては論文処理費用(APC)の高騰,捕食ジャーナル(CA1960参照)の興隆といった様々な課題が指摘されている。2020年8月27日付でarXivにて公開された“Open is not forever: a study of vanished open access journals”と題されたプレプリント(以下「プレプリント」)では,OAジャーナルの保存という課題について調査が実施されている。著者はフィンランド・ハンケン経済大学のMikael Laakso氏ら3人である。本稿ではプレプリント(9月3日付公開のVersion 3)に基づき,この課題の調査結果と,OAジャーナルの長期的な保存とアクセスを実現するための取り組みについて報告する。
eLife誌は新方針の背景として、研究成果のプレプリントによる共有が進み、同誌で査読中の原稿の7割近くがbioRxiv、medRxiv、arXivのいずれかで公開されていることを挙げています。このような学術出版を取り巻く変化を受けて、自身の出版社としての機能を公開済の論文を査読してそれを保証することと再定義し、伝統的な「査読後に出版する」モデルを、インターネット時代に最適化された「公開後に査読する(publish, then review)」出版モデルへと改めるため、同誌は新たな方針を策定しました。
同調査は、学会系出版社による即時OAへ移行するための契約締結を支援するプロジェクト“Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)”の結果を受けて、同プロジェクトのフォローアップ調査プロジェクトとして取り組まれます。プレスリリースでは、プロジェクトの主要な目標として以下の3点を挙げています。