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米国図書館協会(ALA)、人種と性のステレオタイプに関する大統領令に対して批判声明を発表

2020年10月29日、米国図書館協会(ALA)は、9月22日付で発令された人種と性のステレオタイプに関する大統領令“Executive Order on Combating Race and Sex Stereotyping”に対する声明を発表しました。

この大統領令は、連邦政府の職員・政府からの契約を請け負った事業者・助成金の受領者に対して、批判的人種理論や白人優位主義に関する議論・検討を禁止し、ダイバーシティに関する教育・研修を中止することを求めています。ALAは発表した声明の中で、この大統領令がダイバーシティに関する教育・研修は人種差別や性差別を再生産するという悪意に満ちた誤りの主張に基づいているとして、否定する立場を明らかにしています。

ALAは、図書館・図書館員が、黒人・先住民・有色人種の人々を抑圧・排除し、女性への機会平等を否定するシステムに加担してきたことを認識し、平等な権利と機会を保障する国家の義務を果たすためには、痛ましく残酷な歴史に学ぶことが不可欠であると主張しています。また、助成金交付の中止を恐れてプログラムの中止を決めた機関が確認され、ホットラインを設置して違反の報告が奨励されていることについて、「マッカーシズム」による検閲を想起させるものとして懸念しています。

ProQuest社、アフリカ系アメリカ人の公民権・人権運動等に関する資料のウェブサイトを公開:学生・教育者等のための無料リソース

2020年10月26日、ProQuest社が、学生・教育者等のための無料リソースとして、米国におけるアフリカ系アメリカ人の公民権・人権運動等に関する資料をまとめたウェブサイトを公開したことを発表しました。

発表によると、以下の6つの重要なフェーズに焦点を当て、2,000件以上の資料がオンライン公開される予定です。

・奴隷制への反対と19世紀の奴隷制度廃止運動
・南北戦争と再建期(Reconstruction Era)における奴隷制の終了
・ジム・クロウ法による差別との闘い
・ニューディール政策と第二次世界大戦
・1946年から1975年にかけての公民権運動とブラック・パワー運動
・1976年以降の現代

京都大学図書館機構、「留学生学習サポート強化週間」の期間中に大学院生スタッフ「学習サポートデスク」による英語・中国語・韓国語・インドネシア語の講座を開催

2020年10月16日、京都大学図書館機構は、10月26日から11月13日までの期間を「留学生学習サポート強化週間」として、同大学附属図書館の大学院生スタッフ「学習サポートデスク(Learning Support Desk)」による留学生の学習サポートを強化することを発表しました。

「留学生学習サポート強化週間」の期間中、ウェブ会議サービスZoomを利用したオンライン形式で、英語による「電子リソースの利用方法」「文献の調べ方・集め方」「LaTeXの使い方」、中国語による「人文社会系の研究方法」「学術的な日本語の使い方」、韓国語による「実験レポートの書き方」、インドネシア語による「学術的な日本語の使い方」をテーマとした講座が、それぞれ「学習サポートデスク」のスタッフを講師として開催されます。京都大学図書館機構は、開催する各講座の録画を後日学内限定で公開する予定です。

【図書館機構オンライン講習会】留学生学習サポート強化週間のお知らせ(京都大学図書館機構,2020/10/16)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1387437

韓国・坡州市の小規模読書施設「虹の小さな図書館」、移住者の協力を得て、市立図書館の会員登録申込書をベトナム語・英語・日本語・中国語に翻訳

2020年10月5日、韓国・京畿道坡州市は、同市の金村駅舎内にある公立の生活密着型小規模読書施設「虹の小さな図書館」が、市立図書館の会員登録申込書をベトナム語・英語・日本語・中国語に翻訳したと発表しています。

同館は、外国人や移住民へのサービスに特化した図書館で、韓国語の得意でない住民が容易に図書館を利用できるような様々な取組を行なっており、今回、同館の取組に共感した移住者とが共同で企画・制作したものです。

翻訳された登録申請書は市立図書館のウェブサイトに掲載される予定です。

파주시 금촌무지개작은도서관, 외국인 회원가입 문턱 낮춰 (坡州市 金村虹の小さな図書館、外国人の会員登録の敷居を低くする)(坡州市,2020/10/5)
https://www.paju.go.kr/news/user/board/BD_board.view.do?seq=20201005110738549&bbsCd=1023

米国国立公文書館(NARA)、ネイティブ・アメリカンに関連する条約をデジタル化しオンライン公開

2020年10月12日、米国国立公文書館(NARA)が、数百件のネイティブ・アメリカンに関する条約をデジタル化し、同館が運営する“National Archives Catalog”でオンライン公開したことを発表しました。

ネイティブ・アメリカンの文化や芸術等に関する資料を所蔵する博物館Museum of Indian Arts and Cultureと連携し、同館等による先住民に関する資料のデジタルアーカイブプロジェクト“The Indigenous Digital Archive”の“Treaties Explorer”でも、同コレクションおよび関連する情報が公開されています。

Native American Treaties Now Online for the First Time(NARA, 2020/10/12)
https://www.archives.gov/press/press-releases/2021

米・法律図書館マイクロフォームコンソーシアム(LLMC)、市民権・人権に関する情報提供ハブとして機能するポータルサイト“RIGHTS! portal”を公開

2020年9月1日、米国の法律図書館マイクロフォームコンソーシアム(Law Library Microform Consortium:LLMC)は、市民権・人権に関する情報提供ハブとして機能する無料でアクセスの可能なポータルサイト“RIGHTS! portal”の公開を発表しました。

LLMCは市民権・法の支配が重大な脅威に晒されている状況に触発されて、“RIGHTS! portal”の構築を進めました。ポータルサイトの構築は、有色人種をはじめとする周縁化された人々が直面する不正義への対応であり、そのような人々にとっての貴重な情報源としての役割を果たす意図があると説明しています。

“RIGHTS! portal”は、国レベルから地域レベルまで、憲法、人権・市民権を規定した法律、司法当局、人権・市民権に関する委員会に関連した主要なオンライン情報源や、擁護団体を含むNGOのウェブサイトへのリンク、関連文書等へのリンクについて、最新情報を提供しています。主に米国に関する資料が提供されていますが、米国外や国際機関の資料も含まれています。また運営に当たって、資料の評価や外部からの意見・依頼等へ対応するため、専門家で構成する諮問委員会が設置されています。

米国の大学図書館が受入したスペイン語資料の出版国に関する分析(文献紹介)

2020年9月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.6に、米・コロラド大学図書館に所属しロマンス諸語を専門とするオリバ(Kathia Salomé Ibacache Oliva)准教授らによる共著論文“Forgotten Hispano-American Literature: Representation of Hispano-American Presses in Academic Libraries”が掲載されています。

著者らは2019年7月に、OCLCのWorldCatの所蔵データを利用して、2014年から2018年に出版されたスペイン語資料の米国の大学図書館88館の所蔵状況について、資料の出版国がスペイン及び南北米国大陸の19のスペイン語圏国家のいずれであるかという観点から調査を実施しました。同論文はこの調査・考察等を報告するものとして発表されています。

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、2019/2020年の年報を公開

2020年9月17日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、2019/2020年の年報を公開しました。

“Working Today to Preserve Our Tomorrow”をテーマに、同年度に行われた様々な活動に加え、今後数年間にこれらの活動をどのよう構築するかを示しています。

・Leslie Weir氏の館長就任
・LACとオタワ公共図書館(OPL)の共同施設の設計案の公表
・炭素排出量実質ゼロの新たな保存センターの建設開始
・先住民の文化遺産を保存しアクセス可能とするための計画“Indigenous Heritage Action Plan”の策定
・DigiLabやCo-Lab等のクラウドソーシングプログラムの最新情報
・収集、保存、デジタル化に関する取組
・展示やツアー等のイベント
・現在進行中、または、新たな連携
・ソーシャルメディアでの活動

等に触れられています。

E2300 - 多様性を発揮する図書館運営:ドラァグクイーンの読み聞かせ

2020年1月26日、渋谷区立図書館(東京都)は,渋谷区立笹塚こども図書館(以下「笹塚こども図書館」)において,ドラァグクイーン・ストーリー・アワーを開催した。

米国化学会(ACS)、著者の名称表記に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に

2020年9月10日、米国化学会(ACS)の出版部門は、ACSの出版物から発表済の文献について、著者の名称表記の更新を可能とする方針を策定したことを発表しました。

2020年10月の同方針適用後、ジェンダー・婚姻・宗教等の理由を問わず、自身の名前を変更した著者は、ACSの出版物から発表済の文献における名称表記を最新の内容へ更新するように求めることができます。プライバシー保護のため、表記の更新にあたって証明書等を著者に求めることは行われず、発表当時の編集者や共著者へも更新は通知されません。また、名称の変更は私的な領域に属する決定であること等の理由から、当該文献の修正とはみなされないことや、同方針による名称表記の変更は代名詞・敬称等を含む文献内の全ての箇所で適切に反映されることを説明しています。

ACSは、トランスジェンダー研究者コミュニティの求めに応じて同方針を策定しました。今後も旧名称の更新を希望する全ての著者と協力しながら、そのニーズに適応できるように方針の検討を継続し、運用の次の段階として、引用における著者の名称表記の更新に取り組むことを表明しています。

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